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つれづれ小説エッセイ ~1日に1万字書きたいな~

 1日に1万字書けるようになりたいな~。

 1日に何文字書けます? 皆さん。

 まず1時間で区切ってみると、1時間あたり何文字書けるかというのは、文体によっても違うと思う。擬音語や台詞を多用し、気の向くままに小さなことを気にせずやっていいというなら、1時間に1万字書くのも夢ではない……かもしれない。

 それかプロットをガチガチに固めて、あとはもう紙幅を埋めるだけだというのも、執筆ペースが速くなる一因になるだろう。

 そして1日に何文字書けるかというのは、副業なのか専業なのかでも変わってくる。私は専業文筆家ではないから、休日と平日では書きものにかけられる時間も大きく変わってくる。

 それでも1日に平均1万字書けたら、なんと10日で10万字書ける計算。10万字は大体文庫本1冊ぶんであるから、毎日続けられれば理論上は3冊の文庫本を毎月出せることになる。

 そう……理論上は。

 実際のところ、私が1時間で書けるペースは平日だろうが休日だろうが大体2000~3000字である。もっと情報を濃密にしなくてはならない箇所は1500字程度いったらいいほう。これで1日1万字書くには5時間かければよいことになるが、ぶっ続けで5時間書くのは腰にも頭にも目にも悪いし、何より集中力がもたないし、体力ももたない。

 書くのって、突き詰めようとすると全然簡単なことじゃないのである。

 そんなわけで、修行が要る。

 どうやって修行しよっかな~と思った時、大きく分けて4項目あることに気付いた。

 まずはタイピング能力である。今も原稿用紙に万年筆で書いている人は置いておくとして、一定の割合の人間は何かを書くときパソコンの前でキーボードをカタカタ言わせていると思うが、これが速くなれば全体的な執筆スピードは上がるだろう。幸いにもタイピング能力を鍛える方法はたくさんある。

 次に想像力である。そもそも書く内容がなければ書きようもない。手を止めて画面やノートを眺めている時間を減らすには、次から次へと展開を思いつく力があれば一番よい。

 3つめに体力。これは思考体力も身体の体力も含む。考え続ける力と椅子に座り続ける力だ。思考体力は日ごろのコツコツした特訓が案外バカにできないもので、すぐに「今日はもう寝よう」と諦めずにずっと展開を考え続けていると思考の奥深くまで潜れる時間が長くなる。体力はもう、フラフラになってもとりあえず机にかじりついて何かを書き続けることでつくかと思っている。どちらかというと精神力な気もしてきた。

 そして最後は、勇気である。

 勇気だ。

 思い切りと言ってもいい。

 私には、きっとこれが一番なかった。自分はまだ完璧じゃないことを知っているから、色々なものを書くのを尻込みしていた。もっと実力がついたら書こうとか、もっとこれについて知ってから書こうとか、言い訳ばかりして実際にアウトプットした字数が少なかった。

 実力をつけるためにはとにかく書き散らさなきゃいけないのに。

 もっと知るためにもアウトプットして知識を整理していけばいいのに。

 完璧になる日なんて一生来ないのに。

 今エッセイを書いたり連載をしているのは、とにかく机に向かい、書くことをひねり出して、ひたすら書き散らすためだ。

 仕事から帰ってきて疲れていたって、「時間ができる日」なんて来ない。時間はできるんじゃなくて作るしかない。

 書くしかない。たくさん見て、読んで、書くしかない。間違っているかもしれない。叩かれるかもしれない(やだな~)。何の意味もないかもしれない。でも書くしかない。

 1日に1万字でも足りない。でもまずは、1日に1万字書けるようになりたい。もちろんただ字数を稼ぐのではなくて、進捗という意味の1万字を。

 書くぞ、とにかく。やるしかねーのだ。

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