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学びは身近に転がっているけれど、「やってて良かった」は何年か経って訪れる

先日のインキュベーションオフィスの定例ピッチで、起業家の方から少し相談をもらったことがあって、そこから色々考えたことを書き連ねてみました。
大まかに言うと、実地で学ぶのか、体系的に学ぶのか、というテーマについての相談でした。

自分の取り組んでいる分野やスキルの話をすると、ブランドマネージャー業、新規事業立ち上げ、起業家支援、投資実務、採用業などを通して、クリエイティブ面ではカメラ、写真レタッチ、デザイン、コーディング等をやっていて、ビジネス面ではファイナンスや法務、人事まわりに多少明るい、といったところでしょうか。

実地ありきの学びがほとんどで、体系的に学んでみたものと言えば、コーディングで参考書を2冊程度かじり、あとは仕事始めてからとった資格がいくつか、100時間でとるというのをやった簿記2級、一種証券外務員はボスとの賭け?で1週間で受かってみろと言う話になり、大学ぶりにファミレスに連日夜、仕事を終えてからこもって付け焼き刃で何とかした、というのもありました。

それ以外は実地ありき、「これをやるにはやり方をどうする」と逆引きの様な形で学んでいったものがほとんどです。

インプットとアウトプットは、ニワトリが先かタマゴが先か、のような話で、MBAの様な分かりやすい箔のついた体系的なものから掴み取れるチャンスだってあるだろうし、野生のカンが研ぎ澄まされていく様に、実地でこそ磨かれるものだってある。
どちらが先であれ、知行合一、インプットとアウトプットのサイクルが上手く回るか回らないか、ということに尽きるのかなと思っています。

プロの形も色々

以前、お仕事でご一緒した、その道では名の知れた、歴数十年にもなるプロの写真家の方のお話を伺った時に、写真家にも、構図で撮る人、運動神経で撮る人がそれぞれいる、というようなことを話されていました。
その方は圧倒的に前者の、構図を綿密につくりこんでいかれる印象です。
一方で、家族の記念日で使われている様な撮影スタジオのスタッフさんや、出張撮影サービスのカメラマンの方は、カメラづかいもさることながら、コミュニケーション力が物凄かったりします。
僕も先日、息子が3歳になった記念写真でお世話になったスタジオマリオさんのお仕事ぶりには感動させられました(そして予定よりもたくさん写真を買った)。
子どもを楽しませる、自然な表情を引き出す、リラックスしてもらう。
先のプロの方の話でいうところの、「運動神経」もこれにあたるのでしょう、どちらかと言えばきっと。

もちろん、スタジオ撮影にしても、出張撮影にしても、一定の研修を経た上で現場を回すことになるとは思うのですが、コミュニケーションの部分は圧倒的に実地から磨いていっているはずで、そんな風にカメラの教科書や参考書に載っていない、カメラ教室で教わらないことも総動員して、カメラでゴハンを食べている人は、たくさんいるはずで。
僕もその端くれと言えば、端くれでもあります。

プロのカメラマンでもきっと、あらゆる被写体を満遍なく撮れる、ということはなくて、得意な世界観や表現は、人それぞれ。
逆に言えば、特定の領域での場数を積んでいけば、その領域では少なくとも、プロをも唸らせるような写真だって撮れるし、写真に限らず、そうした実地での経験から、その人なりのプロの仕事ぶりや美意識のようなものが形づくっていけるのだと思います。

「やってて良かった」は思いがけず突然に

これはスティーブ・ジョブズのかの有名なスピーチ(conneting the dots.)に通じる話で、わざわざ持論の様に展開する様なものでもないのですが…
スピーチの原文から抜粋すると、

And much of what I stumbled into by following my curiosity and intuition turned out to be priceless later on.

https://asu-yoku-laboratory.com/connecting-the-dots

「好奇心と直感に従って取り組んだ多くのものが後々にかけがえのないものになった」という感じの解釈で良いかと思います。

僕の話で言えば、冒頭のプロカメラマンさんから教わった技術も、実際に役に立ったのは7年ぐらい経ってのことでした。というのも、ちょうどカメラをさわる仕事から長いこと遠ざかっており、新規事業立ち上げやら投資実務、起業家支援などをひたすらやっていて、それらにさらにプラスしてカメラを使う仕事もここ3年程でまたやる様になり、その時に得た技術を試してみて、自分なりにものにしていていき、やってて良かった、とようやく実感しました。

さらに、ここ2ヶ月程、どういう因果なのか、全く別々の「原子力関係」の案件に立て続けで少し関わることがありました。
大学でエネルギー関係の学科を専攻していて、少しかじった程度ですが、原子力について学んだ経験がここに来て少し活きました。
当時、東海村の原子力発電所にも泊りがけで実習して、現場の方の話を伺ったこともあり、座学の知識というよりは、人よりも少し接点が多く必要以上に身構えることなくその分野に触れられているのではないかと思います。

やや話題が拡散しすぎたかもしれません。
実地からの学びをメインでやってきている僕の立場で言えば、好奇心と直感を研ぎ澄ませて、実地から学んでいく、いわゆるタスクフォーカスに重きを置くことに活路ありという所感でした。
あとは技術が日進月歩な世界だと、走りながら考えるほかないなぁというのもあります。
僕が身を置いているD2Cの世界も投資の世界も、本当に日進月歩です。
投資まわりの話で、とりあえず僕は先日ボスから、RBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)の第一人者を名乗れるぐらいにやってみれば、みたいな話をもらいました。
そう遠からぬ内に、そちら方面の案件についてリリース出来ればということで動き出しています。
日々是、日進月歩ですね。

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