間違いに気づく・ミスを認識する大事さ_見える登山への第一歩⑮
前回の記事では、読図中に支尾根を目印にする場合の、注意しておくといいことについて書きました。
つい見落とし?!尾根の等高線に隠れる罠w_見える登山への第一歩⑭
今回は、そういう風に細かいところから読み間違いをした場合についてのことについて書きたいと思います。
▲読図で完全試合は続かない▲
練習や本番を問わず、登山で読図を重ねる中で、毎回毎回、パーフェクトに見立てを続けるというのは滅多にないと思います...あれ、私だけでしょうか?(笑)
以前別の記事でも書きましたが、出来たと思っているパターンが、他所に行くと意外な要因で出来なくなるなど、自身でも気づかない見落としがあるものです。
だからこそ「あっ間違った!」ということに気づくのが大事なのですが、それは単に読図をゲームとして楽しむために、ということ以上に重い意味があります。
▲間違いに気づく大切さ▲
筆者の実体験から書きたいと思います。以前、奥多摩のマイナーなお山に行こうと計画しまして、実際のルートは道標などの案内が途中からなくなる行程でした。
尾根をある高度まで登り、そこから支尾根に分岐して下りながら山頂を目指すという一風変わったコースです。
私は地形図を頼りに歩き、都度都度周囲の地形を目印に現在地を見立てましたが、ちょっとした弾みで割り出しが出来なくなり、歩きながら修正を掛けようと四苦八苦していました。
途中から本格的な下り斜面になり、あやふやながらもその後の展開としては「やがてほぼ平坦なエリアに出て、そこには廃屋が点在している」という予測を設定しました。下図赤枠の部分ですね。
翻って、自身の現在地を赤矢印の上に見立てました。
しかし...いくら歩いても、赤枠のような平地すら見えてきません...段々疑心暗鬼になり、このまま歩き続けたらマズイと判断し、一旦立ち止まりました。
保険代わりにスマホにGPSアプリを入れてましたが何故か起動せず、しかたがないので地図で改めて現在地を見直すことに...
この時判断材料として、
↓↓↓
もし現在地が見立てと合っているならば、向かって左側(北側)に、いまいる尾根と同様東北東に向かって落ち込んでいく尾根が見えるハズ
というものを見出しました(下図参照)。
で、実際に左手(北側)をみたところ...そのような尾根なんてどこにも見えず、沢を挟んだ向こう側の山が素通しに見えていました。位置関係から、見えている山は下図のものでほぼ間違いなしという状況でした。
この段階で、予定していた道ではないことが判明・確実になったので、山行は中止、引き返すことにしました。時間は充分に余裕がありましたが、急いで登り返したため息切れがハンパなかったですw
で、無事入山口まで戻り、帰宅してから振り返りをすると、色々と判明しました。
まず、私が入り込んでいた尾根は下図の通りでした。
予定の分岐の一歩手前で左折してしまっていました。。。その理由は、元々歩いていた尾根が初めに向きを南東に変えた段階で現在地追尾が怪しくなり、結果左折のタイミングを誤ったという次第です。
▲もし間違いに気づかなかったら▲
上記の状況でもし間違いに気づかなかったら、最終的には沢にぶつかり、時間的に戻ることも叶わず、にっちもさっちもいかない状況になっていたと想像できます。
以上のことから、間違いに気づくというのは、単に遊びとしてのミスを取り戻す以上に、自身の命を守る為にもとても大事なことだというのが分かります。
▲終わりに▲
この記事の主題である「ミスに気付く」というのは、読図においては習慣でもあり、技術でもあります。ごく初期に書いた記事の中で、仕事などでも活用されているPDCAサイクルについて軽く触れましたが、先の展開を予想することで、現状があっていればすんなり予想通りにいきますし、現状が違っていれば予想と違う展開を見せ、そこでミスに気づくきっかけを得ることが出来ます。
何事も全く間違えないということはあまりないので、是非、予測とそこから生まれる結果の正否を大事にしてほしいと思います。
(^O^)
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