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日本各地の森の木を使った家具の専門店です。北海道から九州まで、杉、檜、楢、胡桃、竹など…

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日本各地の森の木を使った家具の専門店です。北海道から九州まで、杉、檜、楢、胡桃、竹など様々な地域材を扱っています。

最近の記事

tatiisu 「立って座る椅子」

タチイスは、デザイナーで代表の荻山氏が幾度もの試行錯誤の上、開発した商品です。そのきっかけは、彼のお爺さんが立ったり座ったりする動作が困難だったことを目の当たりにし、「立ったまま休む器具をつくってあげたい」との思いからでした。スポーツ科学の教授の元を訪れ、また自分でも整体を勉強してこのデザインにたどりつきました。 日本人は世界でも最も座位時間が長いというデーターが出ています。早稲田大学の岡浩一郎教授は「がんの場合、座っている時間が長いほどがんの罹患リスクが高くなる。顕著なの

    • 日本の木で作った在宅勤務用家具

      コロナ終息後も、家の中で仕事をすることが多くなりそうですね。この機会に本物の家具の良さを知って、働き方だけでなく、日々の生活もより豊かなものに変えてみませんか? また、リモートワークやオンライン飲み会では、ご自宅が画像で映されることも増えてきます。みんなに自慢できる一脚を揃えてみてはいかがでしょうか。 フォレストヴォイスでは、日本各地の地域材を使った家具を取り扱っています。本物の無垢の家具は使い込むほどにその良さがわかります。そんな当店取り扱いの家具の中から、ご自宅での仕事

      • 多賀の3本杉の家具

        多賀町は、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の舞台にもなっているところです。主人公明智光秀の出生地には謎が多く、岐阜県美濃地方という説が一般的で、ドラマでもそういう設定になっていますが、最近見つかった文献などによると、明智光秀はこの多賀町で生まれたとの説も出ているそうです。過去にも通説となっている歴史も、後には覆されることも多いので、もしかしたら、多賀町説のほうが正しいのかもしれません。卑弥呼にように永遠に謎のままかもしれませんが、それはそれでミステリアスでいいですね。 多賀町

        • 漆塗の桜のギター

          当店で扱う家具は「国産木材」のものに特化していますが、家具以外でも「国産木材」を使った日本各地の良質なモノづくりの方々とともコラボしたいと考えております。 昨日、神奈川県にある工房の方にお会いしました。たった一人の工房ですが、こだわりをもったモノづくりを行っています。中でも一番力を入れているのがオーダー・メイドのギターです。製品は全て手作りですが、カンナなどの道具まで自分でつくっています。今後は、ギターのメカの部分の金属部品まで製作したいとのことです!! このギターは、ボ

        tatiisu 「立って座る椅子」

          ジーンズ発祥の地の「帆布」の家具

          フォレストヴォイスで取り扱いさせてもらっている家具は、日本の各地域の森でとれた木材でつくられたものですが、できればファブリックも日本の天然素材を使いたいと考えています。 しかしながら、日本で織物を生業としている人は年々減っています。 丹後(京都)、尾州(愛知)、桐生(群馬)などの名産地もそうです。 昔の和船の帆で使われていた「帆布」の特産地、「倉敷」もだいぶ工場が減ってしまったそうです。日本でつくられる帆布の6~7割が倉敷産だそうですが、帆布全体の9割は海外産です。 フォ

          ジーンズ発祥の地の「帆布」の家具

          静岡の「プラモデル」はシェア9割です。

          静岡はプラモデルの生産量日本一で全国の9割を占めていますが、江戸時代からの指物などの木工産業がその基盤となっています。 木工や漆器の生産では、木の切れ端が大量に出てしまうために、木製模型飛行機に再利用がはじまります。竹ひごを使った模型飛行機が、当時の戦意高揚のために学校の授業でつかえわれたことも、模型産業が成長する後押しとなっていたようです🛩🌲 ただし、これだけでは他にも同じ条件の地域があります。 戦後、プラスチック素材が安価で大量につくられると木製模型からプラモデルへの転

          静岡の「プラモデル」はシェア9割です。

          「日本各地の森の家具」を集めました

          ≪ご案内≫Forestvoice Pintrestに当店での取り扱い家具をアップしました。 その地域の「森」の木使い、その地で製作された「家具」を県別に掲載しています。取り扱いの地域は以下の通りです。 ■北海道旭川市・・・・・ミズナラ他 ■新潟県糸魚川市・・・・オニグルミ、キハダ他 ■埼玉県秩父市・・・・・サワラ、ヒノキ ■長野県塩尻市・・・・・サクラ、カエデ他 ■神奈川県横須賀市・・・サクラ他 ■静岡県静岡市・・・・・スギ、ヒノキ、サクラ他 ■岐阜県高山市他・・・・スギ、ク

          「日本各地の森の家具」を集めました

          よき工藝は無名である!

          柳宗悦のこと④ 著作「工藝の道」でこんなことを言っています。 「よき作を集めるならば、そのほとんどすべてに作者の名がみえないではないか。いつも自我への固執が消されているのではないか。あの名品を誰が作ったのであろうか。その地方のその時代の誰でもが作り得たのである。そこには大勢が活きて個人は匿れた。どこに個性を言い張る者があったであろうか。工藝は無銘に活きる。よき作を見られよ。そこには特殊な性格の特殊な表示はない。威力の強制もなく、圧倒もなく、挑戦もない。どこに個人の変態な奇癖

          よき工藝は無名である!

          いい家具は、いい材料から生まれる!

          柳宗悦のこと③ 著書の中でこんなことを言っています。 「工藝は自然が与うる資材に発する。資材なくば、その地に工藝はない。工藝にはそれぞれの故郷があるではないか。異なる種類や変化やその味わいは、異なる故郷が産むのである。工藝の美はわけても地方色に活きる。それはある特殊な地方の特殊な物資の所産である。悉くが天然の賜物である。」(工藝の道より) 「柔らかい桐や杉を始めとし、松や桜や、さては堅い欅、栗、楢。黄色い桑や黒い黒柿、斑のある楓や柾目の檜。それぞれに異なった性質を示して吾

          いい家具は、いい材料から生まれる!

          腕がいい職人は仕事が早い!!

          柳宗悦の話② 書著「工藝の道」の中で、こんなことを言っています。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 多く作る者はまた早く作る。だがその早さは熟達より来る最も確かな早さである。そうしてこのことが二重に作物を美しくする。多き量と早き速度と、このことがなかったら、器の美は遥かに曇ったであろう。そこに見られる冴えたる美、躊躇なき勢い、走れる筆、悉くが狐疑なき仕事の現れではないか。懐疑に強い者は、信仰に弱い。もし作り更え、作り直し、迷い躊らって作るなら、美はいつか生命を失うであ

          腕がいい職人は仕事が早い!!

          日本の色のステンドグラス

          ≪日本人の色彩感覚≫ 現代の日本のインテリア文化は、西洋から伝わってきたものをベースにしていますが、日本では、なかなか浸透していないものの一つがステンドグラスです。 もともとヨーロッパの教会で多く使われてきたものなので、宗教的な背景の違いが大きいのでしょうが、もう一つの理由として、日本との色彩感覚の違いが大きいように思います。 欧米やアフリカ、中南米の人たちの色使いは、日本人の感覚にはないようなものを感じます。韓国の人たちもそうです。日本の焼き物の中では、有田焼や伊万里焼な

          日本の色のステンドグラス

          お酒と食事と家具の話

          フランス料理は「鼻」で、日本料理は「目」で、中国料理は「舌」で食べると言われていますが、家具の場合、日本の木製家具、特に針葉樹でつくられた椅子はこの全てに当てはまっているのではないでしょうか? 目で見てのデザインは欧米の家具にもひけを取りません。 舌なめずりして味を楽しむ人はあまりいないと思いますが、手で触った感触は木によって違いますよね。桐や杉などは触ると温かみを感じます。 また、日本人は匂いや香りに敏感と言われています。木の香りを嗅ぎ分けて楽しむ「香道」は昔の公家のたし

          お酒と食事と家具の話

          インディアンは「トーテムポール」を朽ちていくままにします。

          トーテムポールとは、北米インディアン(彼らは自分たちのことを「First Nations People]と呼んでいます)が作る柱状の木造彫刻です。 トーテムポールは宗教的な意味合いはなく、もともとは家の柱として使われていたものが、その後、その家のシンボルの意味合いや家族代々のストーリーを物語るものとしての象徴になっていったようです。 材料は、北米の沿岸に分布しているベイスギです。比較的丈夫な木で、水にも強いようですが、さすがに雨の多い太平洋岸の屋外でメンテナンスをしなけれ

          インディアンは「トーテムポール」を朽ちていくままにします。

          「キハダ 黄金の樹プロジェクト」の椅子

          当店の取引先の糸魚川市の工房「匠」では「キハダ」を使った家具を製造していますが、材料は糸魚川を姫川沿いに南に下った長野県北安曇郡の小谷村(オタリムラ)でとれたものを使用しています。 キハダは、内皮の苦みがある部分に薬効成分があり、胃腸薬などに使われてきました。粉末をお酢で練ると湿布薬にもなります。外皮は他の木と同じような色をしていますが、剥がしてみるときれいな黄色をしています。ただし、時間がたつと落ち着いた茶色に変わっていきます。柔らかく加工しやすいので家具材としても適して

          「キハダ 黄金の樹プロジェクト」の椅子

          「こだわり」の家具。

          静岡の取引先の家具工房のご紹介です。とにかくいろんなことにこだわっています。 ■デザイン。他の人の真似はしません。とにかくオリジナルにこだわっています。こんなデザインないですよね。 ■材料。通常は木材は製材所から仕入れてきますが、この工房では自分で低温乾燥の小屋をつくってしまいました。大手メーカーではよくありますが、この規模の工房ではあまりありません。材料は地元静岡県のものにこだわっており、スギ材は「新月伐採」されたものしか使っていません。 ■構造。元構造計算の建築家だ

          「こだわり」の家具。

          静岡茶の染物「~駿河和染~」

          静岡市は昔から織物や染物が盛んな町でした。地名にも布にちなんだものが多くあります。安倍川とその支流の藁科川に挟まれた「服織」という地名もその一つです。「ハトリ」と読みます。昨日お訪ねした染物工房はこの服織にあります。 私は、東京で国産地域木材にこだわった家具ショップを営んでおり、全国各地に取引先があります。張地についてもオーガニックな日本の織物にしたいと思い、日本各地を探していたのですが、一つの候補として偶然見つけたのがこの服織の工房でした。これだけでも縁を感じていたのです

          静岡茶の染物「~駿河和染~」