<なつみの本紹介> #9 走って、悩んで、見つけたこと。/大迫傑
内容
市民ランナーのカリスマ、大迫傑、初の著書——。 これは、MGCの前に、オリンピックの前に必読の書である。 大迫傑は、悩みはすべて走ることで解決してきたと言う。 走っている間は、自分自身とじっくりと向き合え、答えを見つけられるのだと。 「僕が走ってきた中で見つけたこと、出会ったこと、現在の僕を形作っているものについて振り返ってみた」のが本書の内容だ。 大迫傑の、強さも弱さもすべてがさらけだされ、そこにこの本を出すことの覚悟、これから挑むことへの覚悟を感じる。 彼が教えてくれるのは、走ることの辛さと喜び。そしてそれを経験して学ぶ”生き方”。 マラソン日本記録保持者の葛藤から生まれた思考法が1冊に詰まっている。 テキストのほかに、64ページにわたる写真もみどころ。オフショットも掲載。
感想
駅伝好きな母の影響で僕も駅伝や陸上を見るのですが、その中でもマラソンだったら大迫選手が一番好きでした。もちろん日本新記録を2回も出して結果を残して強いから好きではあるのですが、それ以上に、自分の強い信念を持って競技に取り組んでいるアスリートが好きなんです。大迫選手の言動を見ていると、他の選手とは違う何かがあるなと感じます。例えば、大迫選手はSNSで常に発信しています。そうすることで、もともと興味のない人のところにも投稿が回ってきて、知ってもらうきっかけになるし、発信してくれることで親近感が湧きます。たぶん僕はその1人です。
先日の東京オリンピックの現役ラストランを朝早く起きて見ていたのですが、感動しました。6位という結果でした。大迫傑という1人の人間の全てが現れていたレースだったと僕は思いました。もっとちゃんと大迫選手のことが知りたいと思ったため、すぐ本屋に行き、この本を買いました。ほとんど僕の思っていた通りの方でした。主に走りのことが書かれているのですが、マラソンをやっていない人にも参考になるような考え方がたくさんあります。その中でも僕の心に響いた文章を紹介します。
グッとワード
自分がやるべきことをすべてやっているので、スタートラインに立ったときはいい意味で開き直った状態です。レースが良くても悪くても、ここまで妥協なくやってこれたというスタートラインに立った達成感があるんです。もちろんレースがどう動くんだろうという不安も少しはありますが、それよりも楽しみの方が大きい。
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だからスタートラインに立つということは、僕の中ではひとつの勝利なんです。
スタートラインに立つ以前の過程が大事だということです。これは大学受験にも同じことが言えると思います。僕は2年前に大学受験をしました。受験当日までは死ぬ気で勉強して、1日10時間以上やっていました。その甲斐あって、受験本番というスタートラインに立った時、そんなに緊張しませんでした。なぜなら、自分はこれだけ勉強をしてきたんだという揺るぎない自信があったからです。どんなことでも、本番はそれまでやってきたことの、ただの発表会です。そこまでどんな準備をしてきたのかという過程が、自分を成長させると思います。
僕は流されることに対してすごく恐怖があります。それは競技に限りません。日常生活においても選択肢が無限にある中で、今の自分は何をすべきなのか。それを常に意識しています。
僕も全く同じ考えを持っています。周りに流されるのって、良くも悪くも日本人の特徴だと思います。僕も小さい時は周りに流されるというか、自分で決断できない子供でした。幼稚園の時、本当は全部食べたいのに、仲のいい子と同じように給食を残したりしていました。今となっては考えられません。笑 そんな僕でしたが、いつからか絶対に周りに流されない強い意志を手に入れました。きっかけはわかりませんが、昔の自分を反面教師にしたんだと思います。でも、周りに合わせた方がいい場合もあります。その判別をちゃんとできる人が、強い心の人間なんじゃないかなと思います。
これは余談ですが、最近は流行りに乗りたくない病にかかってしまいました。笑 特に映画が顕著です。君の名はも見てないし、最近だと鬼滅の刃も全く見たことがないです。こうやって意地を張っているのは良くないかなとも思うのですが、これもまた自分の特徴だとポジティブに捉えていきたいと思います。
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