<なつみの本紹介> #11 雨上がりの川/森沢明夫
あらすじ
出版社に勤める川合淳は、中学生の娘・春香がいじめをきっかけに不登校になったことに悩んでいた。さらに、妻・杏子がこの現状を打破しようと怪しげな霊能者に心酔。淳は近所の釣り好きな心理学者の千太郎に相談するが……。暗雲垂れ込める一家に「当たり前の日々」は戻るのか? 誰かの幸せを願い切に生きる人々を描いた、家族の再生物語。
感想
以前この本の単行本は読んだのですが、今回文庫化されるということで森沢先生のサイン本を買ってしまいました。笑 だいぶ前に読んだので内容をほとんど覚えていなくて、最初と同じように物語を楽しむことができました。
この作品のテーマは、雨、川、いじめ、霊能力です。ギスギスしている家族の様子が、雨を用いて表現されています。
この物語を通して、世界はいい人であふれているんじゃないかと思ってしまいました。もちろんそうでないことはわかっています。悪い人もたくさんいます。しかし、その人たちも、悪い心だけを持っているわけではなく、優しい心もどこかに持ち合わせているはずです。この世には様々な見方があって、自分がどんな目を持って人を見るかは、それまでの豊かな経験に左右されるのではないでしょうか。その豊かな経験の一部として、ぜひこの本を読んでみてください。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?