第9回#「もし、あなたがビジネス書を書くとしたら・・・」
こんにちは
出版局の稲川です。
「もし、あなたがビジネス書を書くとしたら・・・」
第9回目をお届けします。
これから実際に、“ビジネス書の文章術”をひも解いていきますが、
これから紹介するスキルは「門外不出」「禁断の文章術」です。
というのも、「売れるビジネス書を書くため」の手法だからです。
もし、あなたがビジネス書を書くとしたら、
これを知ったら、おそらくスラスラと文章が書けて、
さらにはもっと面白く書けるアイデアが生まれるかもしれませんよ。
◆なぜ、売れるビジネス書を書く法則が生まれたのか
フォレスト出版は、もともと初めて本を書く新人著者を
世に出す出版社として活動してきました。
初めてうちで本を出して、その後、ほかの出版社でも本を出し、
ベストセラー著者の仲間入りをした方も多くいます。
今でも年間出版点数の半数近くは新人著者であり、
各編集者が、切れ味鋭い著者、面白い著者、書いたら売れそうな著者を探して出版しています。
こうした社風とも言える背景には、
やはり代表の考え方が根底にあると言えます。
もともとフォレスト出版のスローガンは
「ビジネス・エンターテインメント」
(オビなどにデザインロゴを入れております)
読者の方に、ビジネスを楽しいと感じてほしい、
そして、われわれもエンターテイメントなビジネス書をつくっていこう。
そんな思いがあります。
ですから、新人著者でも面白い人がいれば
どんどん発掘して、世に出そうというのがコンセプトの1つにもなっています。
そんな社風にも合った新人著者を発掘しているのですが、
相当な価値のあるメソッドやスキルを持っていても、
そこは初めて文章を書くという方ばかり。
そこで、初めて本を書く方にお伝えしている、
とっておきのメソッドが生まれたのです。
このメソッドは、もともと代表の太田宏が、
「売れる本を書くための10か条」という、
新人著者向けのセミナーで伝えていたものですが、
私の経験を少し加えて、「12か条」にしたものです。
◆「売れる本を書くための12か条」とは?
私が初めて本を書くという方に、最初にお渡しするのが、
「売れる本を書くための12か条」です。
企画が通って、最初にお渡しするのですが、
1~12まで説明をさせていただいてから書き進めてもらっています。
むろん、すべて完璧に習得するのは大変ですが、
書きあぐねたときには、この12か条に戻っていただき、
書くときの指針にしていただいています。
●売れる本を書くための12か条
1.書きやすいところから始める(プロットの構築)
2.その問題に真剣に悩んでいる1人の人に向かって書く
3.テーマは著者独自の視点で(不満、怒り、疑問などのスタート地点)
4。You & Meの文章で書く
5.基本は序論・本論・結論(見出し文章ごとにも有効)
6.読者は理屈では理解しない。ストーリー、事例から落とし込む
7.セミナーなどと同様、図版、チャート、写真を多様化する(文章は残っていてもよい)
8.人物や情景の描写はディテールまで描く
9.読者にワンアクションを与える
10.読者は読了の達成感を求める(加読力)
11.著者のキャラクターを立てる(書きやすさと意外性)
12.「おわりに」の書き方……こんまりの法則
もちろん、これ以外にもさまざまな文章スキルがあると思います。
また、小説などを書く際には、また別の要素が必要でしょう。
ここでは、あくまでもビジネス書を書くうえでの要素を取り入れた文章術であることをご承知おきください。
◆1.書きやすいところから始める(プロットの構築)
文章を書く際に、よく筆が止まってしまう人がいます。
原稿執筆を依頼して、1カ月くらい経って進捗状況を確認すると、
「実は、まだ1行も書けていません」
という人が、たまにいます。
どういうことかというと、
「はじめにをどう書けばいいかわからないんです。そこから1行も進まなくて・・・」
というお答えが返ってきます。
実は、最初から書こうとすると、1行も進まない場合があります。
「はじめには」は、たしかに読者を引き込むうえで重要なパートです。
ですから、ここを完璧に書こうとすると、おそらく書くほうも気負ってしまい、なかなか先に進みません。
そこで1の「書きやすいところから始める」といいのです。
カッコで「プロットの構成」とありますが、
すでに書くうえでの構成が出来上がっています。
その構成を見て、自分が一番書きやすい部分から書き始めるといいのです。
それでも、どう書いたらいいか迷ってしまった場合は、
各構成(目次の仮の見出しになります)に、書きたいことや書くべきことを箇条書き、ないし要点を300字程度にまとめていきます。
●書きやすいところから始める
第〇章
見出し1
→箇条書き、もしくは300字程度にまとめる
見出し2
→箇条書き、もしくは300字程度にまとめる
見出し3
→箇条書き、もしくは300字程度にまとめる
見出し4
→箇条書き、もしくは300字程度にまとめる
見出し5
→箇条書き、もしくは300字程度にまとめる・・・
上記のようにまとめておくと、あとはそれに沿って書き進めていけばいいわけです。
しかも、書きたいこと、書くべきことに漏れもなくなりますので、文章にまとめる際に、かなり楽になります。
まれに、書き始めたら筆が止まらなくなり、スラスラと文章が書けてしまうという天才(?)もいますが、文章のプロではないのですから、本で伝えたい内容をきっちりまとめることのほうが重要です。
いちいち要点をまとめていくのは、一見遠回りのように思いますが、実はこちらのほうが”近道”となるのです。
次回は、「売れる本を書くための12か条」の2、
「その問題に真剣に悩んでいる1人の人に向かって書く」について解説していきます。
本日のまとめ
・「売れる本を書くための12か条」を頭に入れよう
・「はじめに」から書き始めるのではなく、書きやすいところから始めよう(12か条の1)
・筆が止まってしまう前に、各項目の要点を書き出そう
・各項目の要点は、箇条書きでもいい
・各項目の要点を300字程度にまとめておいてもいい
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