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その人の仕事の生産性は「自分は生産性が高い」と思い込むかどうかだけの違いだった件

#無意識ショートショート

「あぁ、今日は疲れた。寝よう」

今日はトラブルが続いた日だった。

17:00
企業インタビューのページのゲラ確認を担当者に依頼したら「こんな質の低い原稿ははじめてです。弊社のビジネスをまったく理解していないようです。今回は残念ながら掲載は辞退させていただきます」と静かにブチ切れたメールが届いた。

ライターに丸投げした自分が悪かったことは自覚してる。
でも、認めたくない。

18:45
こんなときはズルズルッと熱々のラーメン食って気分アゲるぞ!と思い、会社からけっこう遠いところにあるとんこつラーメンの店(会社の近くにはとんこつラーメン屋がない)までトコトコ歩いて「全部入り¥1000」を頼んだら、冷蔵庫から出したばかりのチャーシュー、煮卵、キャベツが無造作に乗っていて、スープが完全に冷めていた。

冷めた味噌汁とスープの冷めたラーメンだけは許せない。

20:00
会社に帰って仕事に戻る。

23:25
ゲラの赤字の転記、DTPへの指示、見出しの修正、図版の追加、文章表現のブラッシュアップに没頭していたら時間を忘れて終電の時間に近づく。あわてて会社を出る。

23:36
終電に滑り込もうとするも、JR飯●橋駅のエスカレーターで酔っぱらいが倒れ込んでいて足止めを喰らいつつ、なんとかギリギリ終電に乗り込む。

01:00
帰宅

「あぁ、今日は疲れた。寝よう」

ハフポスの動画でモーリー・ロバートソンが語るトランプ大統領評の語りを聴きながら寝床に入ってウトウトした、そのときだった。

「これこれ!そこの若いの!」

だ、誰だ!?
驚いて布団をはいでガバッと起き上がると、そこにいたのは白髪のロングヘア―の爺さんだった。

「なんなんですか!あなた!」

「わしか? わしゃ、人々の無意識を目覚めさせるために大陸を渡っている"ドクター無意識"じゃ」

意味が分からない。

「おぬしはいま寝るとこだな?いま、寝ようとしていただろ?」

「そうですけど・・・だからなんですか」

「今、おぬしは今日1日を振り返ったじゃろ。振り返ったよな?」

「まあ・・・はい」

「1日の出来事を振り返るとき、必ずやってほしいことがある」

「はぁ・・・」

「1日の出来事を振り返るとき、必ずやってほしいことは『絶対的自我』を育てることじゃ。これをやるかやらないかで、人生がガラリと違ってくる。今日中にやろうとしたことが60%しかできなかったとき。おぬしならどうする?」

「うーん・・・『今日はうまくいかなかったな。40%やり残した。明日やればいいか』と思います」

「死!DEATH!そんなつぶやきを続けていくと”限定的自我”が育ってしまい、大変なことになるぞ!」

「どういうことですか?」

「そういう場合は『これでOK。完璧。明日は〇〇(=残りの40%)をやるぞ』と唱えればよい。そして残りの40%は”次の新しい目標”とみなす。残り40%分を明日に持ち越して、新たに100%としてみていくわけじゃ」

「ほお・・・。次の日にその40%のうち半分しか届かなかった場合はどうすればいいんですか?」

「それでもこう言いたまえ。『これでOK。達成。完璧』と。残りの50%は、また次の日の新たな目標として見立てていく。これを繰り返していくのじゃ」

「なるほど。それっていったいどんな意味があるんですか?」

「いい質問じゃ。たとえば、おぬしが何かうまくいかなかったことに対して、『うまくいかなかった』とつぶやくとする。すると、やり残した感覚が残り、さらにうまくいかなくなる。それをすべて『これで完璧。これでOK』として、残りは別の仕事だとみなすと、何が起こると思う?」

「うーん・・・なんだろう?」

「『私は毎日達成している』『私は毎日完璧な状態でいる』という信じ込みが芽生えてくるのじゃ」

「私は完璧。私は幸せ。たまたま今は貧乏をやってるけどね」
「私は完璧。私は幸せ。たまたま今は病気やってるけどね」
「私は完璧。私はこれでOK。たまたま今は彼女に振られたけどね」

「こうしたつぶやきから『私は完璧で、毎日達成している人』という前提が生まれる。その前提から現実がつくられ始めるわけじゃ」

「なるほど・・・」

「それに対して、『うまくいかなかった』で終わると、『人生は思いどおりにならない』とか、『私はいつも達成できない人だ』という信じ込みが育つ。だから、いざ達成しそうになるとブレーキがかかるのじゃ。なぜなら自分の信じ込みに反するから。これが”限定的自我の原因”なのじゃ!」

「そう言われてみれば、たしかに毎日『今日も仕事が片付かなかった』『うまくいかなかった』って無意識につぶやいてるかもしれない。これが『うまくいかない』を再生産してるわけか!」

「そのとおり!ちょっとしたつぶやきの違いなのじゃよ!」

「な、な、なるほど!」

 時々、こういう質問をされます。

「60%しかいっていないのに、これで完璧とか言うと、満足して向上心がなくなって、うまくいかなくなるんじゃないですか?」

 日本では気合いや根性論が必ず出てきますが、それがうまくいかない原因です。気合いや根性論は「自分には何かが足りない」という感覚がずっとつきまとうのです。
 生活戦略として、1日の最後に5〜10分は「私は完璧。これでOK」とつぶやいて絶対的自我を育てる。いろんな人に試してもらっていますが、集まってくる情報、人脈、お金が全然違ってきます。

「仕事の生産性が高い人」の真実

ショートショートはここまでにして『無意識を鍛える』(梯谷幸司・著)から面白い話をご紹介します。

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 アメリカの社会心理学者がこういう発表をしました。

「仕事の生産性が高いか低いかは、時間管理ができるかどうかとは関係がなかった」

 そしてこう続きます。

「自分は時間管理ができていると思っている人は生産性が高い。時間管理ができないと思っている人は生産性が低い。それだけだった」

 つまり、実際に時間管理ができているかどうかではなく、「自分は時間管理ができている」と思っているかどうかが生産性の高さの鍵だったわけです。
 たとえば、あなたは午後3時までに書類を仕上げようとしていました。しかし、「3時に間に合わない。5時までかかりそうだ」というケースも日常にはありますよね。
 普通の人なら、ここで5時くらいまでズルズルとやりがちです。すると何が起きるか。
「私は時間管理できない人だ」という信じ込みが強化されます。
さきほどの社会心理学者の言を借りれば、こういうタイム・マネージメントをしている人は生産性が低くなっていきます。
 それに対して、生産性の高い人はこんなことをやります。

「この書類を3時までに仕上げるぞ」
「よし、3時までやった。でも終わってない」
 ここで言います。
「はい、終了。書類作成が終わった」

 一回背伸びして、コーヒーを飲んで一休みします。そして、残りの仕事は新しい仕事として見積もるのです。それを5時までに終わらせます。
 すると何が起こるか。
「自分は時間管理ができている」という感覚になってきます。
 やっている作業は同じです。
 5時までぶっ通しで、「終わらなかった」と言いながやるのか。一回3時で終了させて、残りの仕事は新しい仕事として見積もって5時までやるのか。
 やることは同じでも、つくられる感覚と現実は全然違っていきます。
 私も、作業が時間どおり終わらないことはしばしばあります。
 しかし、社会心理学者の話を聞いて、行動を変えたのです。

「予定どおり終了。はい、おしまい。お茶でも飲んで、残りを新しい仕事として見立てよう」

 すると、1日にこなせる仕事量が約1・4倍になりました。それが1週間、1カ月、1年になると、こなせる仕事量がまるで違ってきたのです。
 やることは同じでも、限定的自我でいるのか絶対的自我でいるのか、「自分は時間管理ができてない」と思っているのか、「時間管理ができている」と思っているのかで違ってくるのです。

「有価値観」は絶対的自我から生まれる

 もう一つ、別の観点のお話をしましょう。
 女性にこういう人が多いかもしれません。

「私、彼氏に尽くしているのに、いつも『重い』と言われて振られるんです」

 この背景に何があるか、おわかりでしょうか。
「自分には価値がない」という信じ込みから、価値が自分から流れ出ています。だから、「認めてもらいたい」「穴埋めしてもらいたい」「私に愛情を注いでほしい」と、誰かに尽くすのです。
 受け手からすると、「私を認めて!」「もっと!」という人がきたらどう感じますか? うっとうしいですよね。これが「重たい」と言われる原因です。
「いやいや、自分で自分のことぐらいちゃんと認めなよ」と思うわけです。
 それに対して、「私には価値がある」というのは絶対的自我の感覚です。

「私はもう完璧。今のままでOK」

 そんな人に愛を注ぐとあふれ出るのです。有価値観という言葉があるとすれば、そんな状態です。有価値観のある人を相手にすると、「この人といるといいことがありそう。だからこの人を手放しちゃいけない」と人は思います。
 お金は人が管理しているものです。人が集まってくるということは、お金も集まってくることにつながります。
 逆に、人が集まってこないということは、お金も集まってこないわけです。
 いつの時代も、いかに人を巻き込んでいくのかが、富を集める鍵になります。「自分は無価値だ」という信じ込みがあると、人もお金も集まるわけがありません。

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いかがでしょうか。

こうした「無意識」をいかにして鍛えていくかをテーマにしたのが『無意識を鍛える』です。本書では実際に「無意識を鍛える」を目的にしたワークが満載です。次回はワークをいくつかご紹介したいと思います。

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