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#3 ネットマーケティングでぼったくられる人たち

こんにちは。佐藤昌弘です。

「同業者で、インスタグラムで成功している会社があるらしい・・・」
「今は、LINEが熱いらしいぞ・・・」
「Facebook広告やってる会社をよく見かけるな、効果あるのかな?」

そんなふうに頭でグルグル考えているうちに、「インスタグラムのフォロワーが1万人増えるセミナー」「〇〇業界向け・Facebook広告セミナー」というような宣伝に釣られて参加して、余計に頭が混乱してしまう。
最悪の結末は、無駄な広告宣伝費に貴重なお金を使ってしまう。

そんな人があとを絶ちません。

お金の無駄遣い

ネットマーケティングのプラットフォームについても、「YouTubeだ、Facebookだ、またPodcastが再人気になってきてるらしい!」と、あっちへ行きこっちへ行き、定まらないままとりあえず進む。いま、流行ってるSNS等に次々飛びついてしまう・・・。

それはまるで「マーケティング・ジプシー状態」です。

もちろん、それで成功してれば良いんです。
しかし、広告宣伝費や、業者さんにお金を取られるばかりで、何もメリットが出ていないという会社も少なくありません。
なぜ、そうなってしまうのでしょうか?

「おしゃれ迷子」という言葉があります。
自分のコーデが決まらず、悩みに悩んで流行の服を買いあさり、それでも似合わないとさまよっている人たちです。

1服散乱

ぬ、ぬけ感?
よくわからない。もう何を着たらいいか、わからなくなってくる。
トレンド、流行り、それに流されすぎて、どうしたらいいかを見失っている状態です。

ネットマーケティングもそれと似ています。

同業者は、インスタがトレンドだと騒ぎます。テレビでもコメンテーターがインスタとか言っている。それなら飛びつけ!と。

街にちょっと出れば、みんなスマホを見ているのがよくわかります。
コンビニの外でスマホを片手にタバコを吸っている人たち。
電車に乗っても、本を読んでいる人よりスマホを見ている人のほうが圧倒的に多い。
自分自身だって、何か調べると言えば、まずスマホです。

1スマホ電車

だから、スマホを中心としたインターネットの世界が“釣りの場所”としてすごく可能性に満ちていると誰もが思います。

それは間違いではありません。

ところが、釣り場所は間違っていないはずなのに、1匹も釣れない。
周りの釣り人はけっこう釣れているようなのに、自分だけ釣れない。
そんな状態におちいる方は、少なくないのです。

そもそも道具が間違っているのかもしれません。
エサも間違っているかもしれません。

釣りたい

とりあえず釣ってみたくなるものですが、その前に、1つひとつ確認していきましょう。

前回は、道具となるネットマーケティングのツールが無限ではないことをお話ししましたね。全体像を最初に押さえておくことはとても大切です。

「ネットマーケティング?
よくわからないから、詳しい人に、お任せします」
なんて言っていると、ぼったくられますよ。

少し前に相談を受けたケースを紹介しましょう。

その会社は、大阪の最高の立地にあるお店があります。
人通りは多く、ビジネスマンも、観光客も、通勤客も、見込み客がウヨウヨいる状態です。
その立地の良さに自信があるからなのか、ネットマーケティングが全然ダメでした。
もちろんグーグルマップの攻略もできていませんでした。
そんなことでは、いくら人通りが多くたって素通りする人も多いし、機会損失が大きすぎます。
ホームページも全然イケておらず、「ホームページを見た人からの注文が欲しい」と言うので、つくり直したほうがいいとアドバイスをしたら、「それっていくらかかるんですか?  あっ、でも5年はムリなんです」と言います。
「どういうこと?」と聞いたら、なんと、ホームページを5年リースで1000万円で発注していたのです。
どう考えても、割高すぎます。これをスーパーぼったくられ状態と言わずに、なんと言うべきか・・・。
リース契約だから途中解約もできません。

私は「ショックだろうけど、次に発注するときは、よく考えて発注してくださいね」としか言えませんでした。
もしかしたら、インターネットについて詳しくないので、カモにされたのかもしれません。

カモ

この会社が特殊なわけではありません。ここまで高額なのは見ませんが、こんな例はたくさんあるのです。
たとえて言うなら、田舎から東京に出てきた人のいい若者が、「その服だと田舎者だと思われちゃうよ、こっちの服を買っておいたほうがいいよ」「いまどき最新のスマホがなきゃ友達とコミュニケーションできないでしょ。これを買いな」「女の子をデートに誘うなら、このくらいの高級店じゃないと」などとあらゆる業界から声をかけられて、「そうか、みんなそうやっているのか」と言いなりになっているうちに、すっかりお金が底をつきている・・・という状態。

いま、ネットマーケティング界隈には、これに近いことが散見されます。

「いまどきレスポンシブサイトぐらい当然ですよ」
「Facebookページはつくっておかないとダメですよ」
「いまはVSEOですよ(YOUTUBE動画のためのSEO)」

そんなふうに言われて「そうか、どんどん新しいツールを使わないと置いていかれるよな」などと思う。

ネットトレンド

でも、インターネットマーケティングの有料・無料を問わず、大局が見えていないと、どんな取り組みをしても、きちんと機能することなく、ただコストと「管理すべきもの」が積み上がっていくだけになっています。

それですっかりイヤになってしまった経営者たちは「ネットはもういい。よくわからないから、やらない。最低限のホームページを持つだけでいい」とあきらめてしまいます。
「金ばかり取られて、何も効果がない。やめたやめた」
もうどうでもいい、全部やめてやれ! 状態です。

おしゃれ迷子になったからといって、「もうどうでもいい! やめじゃ! 365 日ジャージ生活でいい!」なんて、それじゃもったいないです。

気持ちはわかりますが、それもちょっと違うと思うのです。というか、もったいないですよね。ちゃんとやれば望みの効果が出るのに、拒絶してしまっているのですから。


◆大手企業がうまくいっているのは、広告の資金があるから

ここで、インターネット系の広告費についてちょっと考えてみましょう。
インターネット広告費は毎年伸び続けており、2019年にはテレビCMの広告費を抜きました(2019年度のテレビメディア広告費は1兆8612億円、インターネット広告費は2兆1048億円)。
それだけ、インターネット広告に参入している企業が増えているし、第1回でお話しした資生堂のように、マスメディア広告からインターネット広告へシフトチェンジしている企業も多くなっているのです。大手企業は、インターネット広告にも大金を投入します。

テレビをはじめとしたマスメディアへの広告出稿は高いけれど、インターネット広告はそこまでお金がかからないというイメージはありませんか?

たしかに、それはその通りです。
インターネットの広告のほうが、安いコストから始めることができます。
ただし、やみくもにやればインターネット広告費だって大金になります。
「よくわからないからお任せで」と適当な業者に丸投げしたらぼったくられます。
効果のある広告と、たいして効果のない広告を、ごちゃまぜに運用していれば、結局大きな広告宣伝費にはなりますが、トータルすると大して儲かってないという状況にすぐになってしまうのです。

広告費

まぁ、さらにお金をかけられるなら、反応をとることはできます。
大手企業がネットマーケティングで成果を上げているのは、資金力があるからです。
でも、知恵を使って精密にやれば、お金をかけずともちゃんと成果を出せます。

前回、グーグルマップを使えていない床屋の話をしました。
多くの床屋が使えていないからこそ、グーグルマップをしっかり管理できれば、一気に強者になることもできるという話でした。

じゃあ、グーグルマップの管理を業者に頼もう、と考えることもできます。実際、「グーグルマップの管理を代行します、月々3万円です」というような会社があります。
グーグルマップの月々のメンテナンスとして何をするのかについては、私は詳細までは知らないです。
しかし、客単価2000円の床屋さんにとって、3万円は15人分の売上に相当します。

コスト高

私に言わせれば、床屋さんなら、それほど難しいグーグルマップ攻略をしなくても、まずは基本だけでも自分でやるべきだと思うのです。

ぼったくりとは言いませんが、よその会社に頼むにしても、どのようなことをやってもらうべきなのかわかっているべきなのです。

ということで次回は、ネットマーケティングでめちゃくちゃよくある失敗と、その原因を解説します。
お楽しみに。


編集部より こちらの連載は毎週水曜日に配信いたします。次回は2月3日です。よろしくお願いいたします。

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