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これからの「稼げる商売」を考えてみる

ビジネス書の出版社に属する端くれとしては、「稼げる話」「儲かる話」「新しいビジネス」にはアンテナを張っているつもりです。どこかの世界で「なんらかの商売ですでに稼いでいる人」には興味津々で、積極的なリサーチ対象となります。

「ビジネス」とは、なんらかの「商品」「サービス」を提供して「対価」を得ること。

ステイホーム以降、そんなビジネスの世界が激変しました。

「対価」を払って得る「商品」や「サービス」のうち、「要らなくなってしまったもの」がたくさん生まれてしまったような気がします。

その代表的なものが「人に見られることを意識した服」

越境ECで大成功している某アパレルブランドのI社長はきわめて商才の長けた人物で、コロナ以前から「服が買われない時代」にどうすれば服が買われるか?という課題を突き詰めて考え、誰もが思いつかないニッチをついて成功させてきた人物。

そのI社長が言っていたのは、「これからは壁を飾るビジネスがくるね」ということでした。かつては「衣服=ファッション」は自分を演出する道具だったのが、いまではユニクロを着ていればよくなってしまい、インスタ映えしない。

だから、自分を演出するためのインスタ映えする「壁=背景」を飾るビジネスはニーズが増すだろう、と。

そんなわけで「これからの時代に儲かるかもしれない商売」について考えてみる。

リーズナブルにアートと暮らすニーズーー視る

まず、I社長の言うように「自宅の壁を飾る系」はこれからニーズが高まるでしょう。ZOOMやTEAMSといった遠隔会議ツールで部屋の背景が映ってしまうこともデカい。自分も最近引越しをして、額装したポスターをいくつか購入しましたが、やはり、毎日気に入ったビジュアルが目に入る生活というのは心地いいものです。

先行するサービスとしてはこのあたり。

もうひとつおすすめのサービス「zazzle」。
https://www.zazzle.co.jp/c/%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC
※リンクがエラーになってしまったのでURL貼りました。

これまでも「アートと暮らす」的なコンセプトが提案されたりしてきましたが、本格的なアート作品ではなく、よりリーズナブルに、安価に手軽に楽しめるものが流行る契機がきてるような気がします。

この手の「インテリア系」では、カーテンがいまだにワンパターンなものしか売られていなく、業界として古い印象があるので、狙い目か。

「音」にこだわる人にとっては「沼」の時代――聴く

音楽好きでオーディオ好きなマニアが行きつく果ての沼は「ハイレゾ」。

ハイレゾとはハイレゾリューションオーディオ (High-Resolution Audio) のこと。Resolutionつまり解像度。つまり、高解像度な音源という意味です。何に対して高解像度なのかというと、それは「CD」に比べて高解像度な音源ということ。

いまやストリーミングで音楽を聴く時代。「CD(コンパクトディスク)」すら知らない世代もいそうですが、いちおうCDは現存するメディアのなかでは最高音質なわけです。

で、ハイレゾリューションの音というのは、CDよりもさらに「原音に近い音」が聴けるわけです。好きなミュージシャンがスタジオで鳴らしてる音そのものに近づけるというイメージ

CD=16bit/44.1kHz 音を1秒間に44100回切り取る
ハイレゾ=24bit/192kHz 音を1秒間に192000回切り取る

ハイレゾはCDの約6.5倍の情報量を持ちます。実際にその音に触れると感動します。いままで聴こえてこなかった音が聞こえるからです。

そんな沼に進出してきたガリバーがいます。

アマゾンです。

「高音質ストリーミング配信」という世界にアマゾンが進出したのは、かなりエポックメイキングなことだと思います。かつてはCDを1枚1枚FLAC形式でリッピングしてた世代としては、ストリーミングでハイレゾ音源を聴けるなんて、ホントに夢のような時代。

ステイホーム以降、意識が内向きになっている昨今、アマゾンHDの方向性はいささかマニアックすぎるかもしれませんが、今後に注目です。

香りもこだわる時代――嗅ぐ

ここまで、五感別にきていることにお気づきかもしれませんが、嗅覚に関してはどうか。「香り」にこだわるニーズも高まっていると感じます。時代はとにかく「内向き」なので。

かつては、カルバンクラインだとか、シャネルとか、クリスチャンディオールとか、ブランドで選択されてきました。香りも。

でも、その時代も終わりを迎えるのではないでしょうか。

たとえば、フエギア

コロナ以降は銀座シックスにポップアップストアを出したりしてましたが、もともとは六本木のグランドハイアットでしか買えないブエノスアイレス発のブランドでした。その「限定性」「希少性」は時代を先取りしていたと思いますが、とにかく香りの種類が多く、それぞれの香りに物語があり、精神的な充実感を与えてくれる。素材はすべて植物由来で、化学物質ゼロ。

オーダーメイドな香りの商売はこれからくるような気がします。

味覚のニーズはどこに向かっているか?――味わう

先日、びっくりしたことがありました。

飯田橋の駅前で開店したと思ったカレー屋さんが、オープンしてすぐ後に「閉店セール」をしていたんです。

見切りが早いな・・・と思ったと同時に、じつはそのカレー屋さんがうまくいかないだろうなとは開店当時から感じてました(というと、後だしジャンケンですが)。

立て看板にあるカレーの写真が創作系のカフェ飯な感じなんです。

それをみて私は思いました。

「いまどき、そういうカレーのニーズは低下してるんジャマイカ?」

いまはなんでも「原点回帰」な現象がないですか?
コロナ以降それがより顕著な感じがします。変化や進歩を嫌う。
現状を維持した安心を求める空気。

「それに反してる」と思ったんですよね。
「ごく普通のカレーが食べたい。真っ赤な福神漬けを添えて」と。

カレーに関して言うと、なんなら中学高校のときの学食のカツカレーが食べたい。あのチープで薄いハムカツと白いごはんと業務用カレーのマリアージュ。都内で学食のカレーを出す店を出したら流行るんではないか。いや、流行らないか。メニューはカレーライスとカツカレーのみ。店名はズバリ「学食のカレーライス」。

「触る」商売を考えてみる――触れる

五感の最後の触感ですが、これはなかなか難しい。どなたか、アイデアください。

とりあえず副業で稼ぐ時代

「いますぐ稼げる商売を教えてくれよ!」

そんな声が出てきそうですが、いまや副業がどんどん解禁される時代。すべての人にとって「稼げる時代」が到来しています。お堅いイメージの銀行業界のみずほ銀行が副業を解禁したときは驚きました。

そんなわけで、おすすめの副業を解説した本がフォレスト出版からはいくつか出ていますので、最後にご紹介します。

Photo by 高橋浩吉

(編集部・寺崎翼)

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