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「吐いて吸う」の呼吸でストレスフリーを手に入れる

フォレスト出版編集部の寺崎です。

「はぁ~(*´Д`)」

あ、いまため息つきました?

「ため息をつくと幸せが逃げる」なんてよく言いますが、これってホントでしょうか?

ため息って口でつきがちですよね。

ところが、これを鼻息に変えると健康にいいようです。ちなみに息を吐くと副交感神経が優位になるのでリラックス効果もあります。

今日はそんな「吐く息」の効能について、新刊『息を吐くだけでカラダの不調が消える呼吸革命』(堀杏子・著)から抜粋してお届けします。

「浅い呼吸」が脳の酸欠を引き起こす

 私たちは「オギャー!」という産声とともに息を吐き始めてから今日まで、一日たりとも休まずに呼吸しています。

 だから……「呼吸は当たり前にできている」。

 そう思い込んでいませんか?
 この本を手に取るまで「呼吸のことなんか気にしてなかった」なんていう方も多いでしょう。
 ところが、当たり前すぎていちばん後回しになるのが「呼吸」です。忙しい現代人はつねに無自覚な酸欠状態に陥っています。

 新型コロナによる世界的なパンデミックをきっかけに、仕事のこと、お金のこと、将来のこと……など、漠然と不安感を抱きながら毎日を過ごしている人は多いでしょう。
 働き方の多様化が進み、主体的な生き方が選べる社会の実現へと向かい出したと思いきや、相変わらず神経をすり減らす人間関係に悩み、人と違えば叩たたかれ、「世間一般」という同調圧力に押されて、まだまだ根深い日本社会の閉塞感を感じている人もいるのではないでしょうか。

「息苦しい世の中だなぁ……」

 そんなふうに感じているとしたら、文字通りあなたの心と体は息苦しい状態。
 脳や体も酸欠状態でアップアップしているんです。

過度な「活動モードON」で緊張状態にある私たち

 私たちの生命維持活動を24時間365日、1秒たりとも休まず自動調整してくれている自律神経は、呼吸にとても深く関わっています。
 自律神経は、クモの巣のように全身に張り巡らされていて、私たちが無意識に行っている呼吸のほかに、体温、血圧、心拍、消化、代謝、血液循環、排尿・排便など、生命維持に不可欠な活動を調整してくれているシステムです。
 自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、その働きは拮抗することでバランスを取っています。その働きを簡単に言うと、交感神経は「活動(攻撃・緊張)モード」、副交感神経は「休息・リラックスモード」です。
 自律神経が正常に働いていれば、仕事や学校などで活動する日中は交感神経が優位になって活動モードになります。夜は副交感神経が優位になって休息モードになり、心身が自然とゆるむことで、睡眠に向かうという切り替えが自然になされます。
 しかし、便利に進化した現代人のライフスタイルは、この自然なオン・オフの切り替えを困難にしているのです。
 その原因はさまざま。

 ◎長時間の座り姿勢による全身のコリやむくみ
 ◎「スマホ首」と呼ばれるストレートネック
 ◎LEDライトの強い光による刺激
 ◎シャワーだけで済ませてしまう入浴スタイル
 ◎冷たい飲みものによる内臓の冷え
 ◎SNSによる過剰な情報量
 ◎仕事や人間関係のストレス
 ◎運動不足

 
 挙げればキリがありません。そのため、現代人は、リラックスモードの副交感神経への切り替えがスムーズにいかず、なにかと交感神経ON状態になりがちなのです。
 交感神経をアクセル、副交感神経をブレーキにたとえると、アクセルを踏み続けてエンジンを吹かせ続けていることになります。そうすると、車はいつかガス欠を起こし、やがてガソリンがなくなります。人間でいうところの病気やケガ・うつによる強制停止状態です。
 交感神経ONの状態が続くということは、ずっと緊張し続けているということ。
 体も心もゆるむ隙すきがなく、過度な緊張状態が続けば、筋肉は硬くなり、当然、呼吸も浅くなります。その結果、体に必要な酸素を取り込めなくなり、気づかぬうちに酸欠状態に陥ります。
 そして脳の酸欠を引き起こし、不安やイライラ、集中力の低下、不眠など、負のスパイラルにハマっていくのです。
 この自律神経の交感神経と副交感神経を、自分で切り替えることができる唯一の方法が呼吸です。
「吐く」呼吸で副交感神経が優位になり、「吸う」呼吸で交感神経が優位になります。そして、両者のバランスが取れていると、脳や血流の働きが最大化されて、よい循環が保たれます。

吐く呼吸で脳のクリーニング習慣を身につけて頭のノイズとさようなら

 あれこれと迷い、決断力がなかったり、集中力が続かなかったり、人のことが気になったり、「わかっているのに、やめられない」と、オン・オフの切り替えが苦手な人は、頭の中がノイズにまみれている証拠です。そうすると、脳の燃費が悪くなり、疲れやすい上に、パフォーマンスも低下します。

【脳のノイズサイン】
 □本当に必要か考えず衝動的に買い物をしてしまう
 □お腹が空いていないのに食べてしまう無駄食い
 □スマホやSNSを見るのをやめられない


 これらは、過剰なストレスや緊張から不安を感じ、買い物や食べることで紛らわそうとする脳の判断ミスから起こるものです。もしかすると、毎回恋愛で同じようなトラブルが起きるのも、脳の酸欠が原因で、イライラしたり、不安や疑いの衝動にかられているのかもしれません。
 コンビニでついつい甘いものに手が伸びるとき。限定セール価格のお得感に煽あおられて衝動買いしそうなとき。頭にカチンときたり、イライラが止まらないとき。
 ものは試しにこれをやってみてください。

「ふーーーっ」と鼻からひと息を吐いて、一拍置いてみる。

 すると、どうでしょうか?
 不思議と「これ、本当に必要?」と考える余白ができたり、怒りの感情をそのまま人にぶつけずに話し合うことができたりします。
 だまされたと思って、ぜひ試してみてください。
「吐く呼吸」を自分で意識的に行うことで、副交感神経のリラックススイッチをONにできます。それだけで、冷静な判断ができるようになり、無駄食いや無駄な出費をしなくなり、本当はしなくてよかったケンカだってなくなります。

「吐いて吸う」への意識革命を起こす

 呼吸というと、「吸って~」「吐いて~」というラジオ体操の最後に行われる深呼吸を思い出しませんか。幼少期からの思い込みは絶大で、私たちは呼吸といえば、「吸ってから吐くもの」と思っている方が多いはずです。

 でも、本書で提案する「呼吸革命」はこの逆。
「吐いてから吸う」が基本です。
 しかも、呼吸に用いるのは「鼻」だけ。口呼吸はしません。


 まずは、口を軽く閉じて鼻から息を吐けるだけ吐いてみてください。
 そして、鼻から息を吸います。
 最初は、息を吐いても1秒もかからず吐き切ってしまうかもしれません。
 それでもまったく構いません。
 何度でも繰り返してみてください。
 そして、吐く呼吸をだんだん長く吐けるようにしましょう。
 だんだんと呼吸に使われる、眠っていた横隔膜などの呼吸筋たちも目覚めてきて、一呼吸一呼吸が、長くなっていきます。すると、その呼吸が、自然と心地よいと思えてきます。
「気持ちいい」「心地いい」と感じたら、もう呼吸を味方につけたようなもの。脳や体は「気持ちいいことは続けたい」「気持ちいいことは体にいい」と本能的に学習し、格段に習慣化しやすくなります。
 最初は、ゆっくり長く息を吐くことに意外に難しさを感じるかもしれません。
 それは、誰しも最初は自転車に上手に乗れないのと一緒です。次第に慣れてくると、自転車に乗るのが下手になることはないのと同じように、上達する道しかありません。少しずつ慣らしていきましょう。
 そうやって自分の体に意識を向けていると、頭ではなく、体が教えてくれる、体の声をキャッチできる自分になっていきます。
「疲れが溜まっているから休んだほうがいい」と頭では思っていても、「仕事が残っているから休めない」とか「周りに迷惑がかかるから」と、体のことは後回しになりがちです。
 そう、わたしたちの頭はうそつきなんです。
 ところが、呼吸を意識して行うことが身につくと、「あれ? 今日は呼吸が浅い気がする。このところ寝不足だったからスケジュールを見直そう」とか、「なんだか息苦しい場所だな。早く切り上げて帰ろう」と自分でキャッチできる気づきが確実に増えて、行動が変わっていきます。
 この小さな気づきと変化の積み重ねが、セルフイノベーションの始まりなのです。

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発売たちまちAmazon「ヨガ・ピラティス」カテゴリーで堂々1位を記録した本書。ぜひ、日々の呼吸生活にお役立てください。

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