見出し画像

ダメな面接官がつい尋ねてしまうダメダメな質問とは?

フォレスト出版編集部の寺崎です。

現在、即戦力の編集者の採用面談をやっています。というか、もうずーっとやってます。なので、それなりに採用面接のスキルは上がったかと思いたいですが、人事が専門ではなく、片手間の採用活動なので、それほどでもない。

過去に採用面談で失敗したケースも多々。

いちばんわかやすい例で言うと……
「●●できますか?」という質問をしてしまったことがあります。

これ、最悪の質問です。

この質問に対して「はい、できません!」という求職者はいません。誰もが「できます」と当然答えるでしょう。

入社後に「あのさぁ、面接のときにできるって豪語してたよね?ウソついたの?」なんて性格悪く詰めることになりかねません。

では、どうすればよいでしょうか?

答えはーーーー「エピソードを引き出す」です。

基本的な考え方として「過去にその人が取った行動は、未来も再現する可能性が非常に高い」というものがあります。口では「●●できます」「●●しました」とウソをつくことができても、過去にその人が取った行動にはウソがありません(行動はウソつけません)。

そのあたり詳しく書かれているのが、3万部突破の話題書『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』。本書から一部引用しながら、エピソードを引き出すための具体的なノウハウをみていきましょう。

画像をクリックするとAmazonのページへ遷移します

相手のホントの人物像をあぶりだす方法

 会社が求める人物像をあぶりだすために、面接の質問ポイントをあらかじめ設定して準備している会社は多い。たいていは協調性や団結心、会社への共感、企業文化とのフィットなどについて問うものだ。
 それ自体は悪くないのだが、重要なのは〝本当にあぶりだしたいことを、あぶりだせている会社は少ない〞ということだ。
 その原因は、質問の仕方がまずいケースが圧倒的に多い。
 特に質問ポイントを〝そのまま〟質問してしまっているケースが少なくない。
 例えば、協調性をあぶりだしたいときに、「あなたはチームプレイができますか?」と質問する。そんな質問をされたら、相手はすぐ「この会社は自分がチームプレーヤーかどうかを知りたいんだな」と感づくはずだ。あとは「私はチームプレーが得意で、大学時代はラグビー部でした」と、質問に合わせた答えをすればいい。
 他にも、ストレス耐性を測りたいときに、「あなたはストレスをどう解消しますか?」と質問して、「サウナです」と答えるやりとりに、どんな意味があるのだろうか。これでは、〈こんな話を振られたら、あなたはどう答えられますか選手権〉でしかない。それでは面接の意味がない。

小野壮彦『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』より

冒頭でお伝えした「質問型」です。
なぜかついついやってしまいがち。

これ、恋愛に置き換えてみるとダメダメさがわかります。

たとえば、女性が「あなたは優しい人?」「面白い人?」「私のこと大切にしてくれる人?」と聞いているようなもの。

おそらく、聞かれた男性はこう答えるでしょう。

「優しいよ」
「面白いよ」
「大切にするよ」

でも、ホントに優しくて、面白くて、自分のことを大切にしてくれるかなんて、誰にもわかりません。

一方で、過去に取った行動から推し量ることで、その人が「優しいか」「面白いか」「自分を大切にしてくれるか」はある程度予測することができます。

採用面接もこれと同じ・・・ということなのだと思います。

「エピソードを引き出すこと」に徹する

 前章でも書いたが、大事なのは「エピソードを聞く」ということだ。
 最初は漠然とした聞き方でいい。
 例えば、「今までの仕事や人生における自分の行動で、もっとも誇りに思うことは何ですか?」と聞く。それに対して、相手は「これこれこうです」と答えたとする。
 そこですかさず、「では、それについてのエピソードを話していただけますか?」と聞くのだ。
 このやり方のメリットは何かというと、こちらの欲しい答えを〝意図的に打ち返す〞ことができないということだ。
 
 仮に「チームとうまく協力して、一つのプロジェクトを成功させたこと」をもっとも誇れるエピソードとして挙げたとしよう。
 それはチームワークについて聞かれたから答えたのではなく、その人自らが選んだ答えなのだから、信ぴょう性がある。きっとチームで働くことを大事にしている。
 別の人は、「ものすごくぐちゃぐちゃだった物流システムを、統合整理して、毎日問題なく配送することができるようになりました」と答えたとする。この人はあるべき姿、正しいプロセス、しっかり業務を進めるということについて重視している人なのだということがわかる。
 あるいは、「自分のノルマは150万円だったんですけど、それを月の半ばぐらいで超えたので、自ら上方修正して180万円にして、それを4カ月連続で達成したことがあります」という話をした人は、目標達成意識が強く、それを仕事の価値観として捉えていることが容易に想像できる。
 つまり、エピソードで語られている内容の重心の置き方を分析することで、まずその人が大事にしている価値観のコアを知ることができるのだ。その上で、足りていない質問ポイントを、エピソード・ベースで投げかけていけばいいのだ。
 例えば、「今の話ではノルマの目標設定についてお話しいただきましたが、一緒にやっていたチームのことについてもお話しいただけますか?」といった具合だ。
 別にチームワークについて聞いているわけではない。漠然とチームについて聞いているだけだ。そこでどんなエピソードが出てくるかを待つ。
「チームといえどもライバルなので、助け合ったことがないですね」というのなら一匹狼的な人だろうし、「みんなで切磋琢磨して目標を達成しました」という話が出てきたら、その人は協調性を大事にしているのだ。
 そこに忖度は一切ないはずである。
 このように、エピソードをベースにしながら、多面的にその人の行動特性をあぶり出していき、最終的に会社が用意している項目と照らし合わせる。

小野壮彦『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』より

いかがでしょうか?

面接官はあくまでも「エピソード」「ファクト」を引き出す。

ただし、ここで「聞いて終わっただけ」で終わってしまってはいけないと、著者の小野さんは言います。

いったい、どういうことか?
⇒つづく(来週月曜日の記事でお伝えします!)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?