見出し画像

#271【ゲスト/哲学】儲かる? 大変? YouTuberのお金事情、活動事情を聞いてみた

このnoteは2021年11月26日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。 


著書『世界の思想書50冊から身近な疑問を解決する方法を探してみた』誕生秘話

渡部:フォレスト出版チャンネル、パーソナリティの渡部洋平です。今日も昨日に引き続いて、「哲学入門チャンネル」を運営されております。哲学系YouTuberのじゅんちゃんにゲストに来てもらいました。じゅんちゃん、今日もよろしくお願いします。

じゅん:よろしくお願いします。

渡部:あと、石黒さんも一緒に盛り上げていただければと思います。石黒さん、よろしくお願いします。

石黒:はい。よろしくお願いします。

渡部:では、昨日はじゅんちゃんがYouTube活動を始めたきっかけだとか、人気チャンネルになっていくまでの過程、おすすめのチャンネルや、哲学について考え方などもお話してくださっています。ぜひお聞きになりたい方は昨日の放送もチェックしてみて欲しいと思います。では、今日は石黒さんの希望ということで、YouTuberのお金事情という、かなり突っ込みづらそうなところにガンガン突っ込んでもらいたいと思います。 

石黒:はい。私は、YouTube業界もことは全然知らないので、YouTuberの人の本はつくったことはあるんですけど、実際、どういうふうにやって、どのぐらい収益があるのか、その辺は全然知らないので、根掘り葉掘り聞いてみたいなと思います。じゅんちゃん、よろしくお願いします。

じゅん:お願いします。

渡部:そうだ! 石黒さん、その前に一個だけ聞いてもいいですか?

石黒:はい。

渡部:そもそもなぜ石黒さんがじゅんちゃんさんと出会い、本をつくるっていう……、どういう出会いだったんですか? そこを昨日の放送でも聞けていなくて。

石黒:私も記憶が曖昧なんですけど、じゅんちゃんのブログを読んだんですよ。で、ブログを読んだら、おもしろいなって、で、若そうだなと思って、こういうブログで自分の考えていることを発信する若者って熱いじゃないですか。で、もしかしたらなと思って、「ちょっと会えませんか?」って、連絡したんですよね?

じゅん:そうです。

石黒:で、じゅんちゃんと東京駅で会って、打ち合わせしたんですよ。どんな本を読んでいるんですかとか、実際に1冊の本書けますかとか、そういった打ち合わせをして、じゅんちゃん、書きそうだなって、その時は思って、私が前に編集した『読まずに死ねない哲学名著50冊』っていう、結構分厚い本があって、哲学名著50冊を簡単にまとめた本を出して、それがそこそこベストセラーになったんですけど、二匹目のどじょうじゃないんですけど、思想書っていうジャンルで、そういうことできないかなと思った時に、じゅんちゃんだったらできるんじゃないかと思って、依頼したのがきっかけですね。そんな感じです。

渡部:そのお話がきた時に、じゅんちゃんさんは実際どうだったんですか?当然っていう感じだったんですか? それとも本を書くなんて……みたいな状況? どんな状況だったんですか?

じゅん:なにかは書けるかなと思ったんですけど、別にその時に当然とか、うれしいとかうれしくないとかって、特に何もなかったっちゃ、何もなかったですね。

渡部:では、普段の活動の延長線上にたまたま「本を書いてみませんか?」っていう話がきたっていう感じだったんですね?

じゅん:そんな感じです。

渡部:ちなみにこれは初めての著書ですか?

じゅん:そうですね。

渡部:なるほど。 そこから今のYouTube活動につながっていったのかと思うので……。

石黒:じゅんちゃんの生みの親は、私かもしれないですね。

一同:(笑)。

渡部:それ正しいんですか(笑)?

石黒:本当に無名でしたもんね。

じゅん:そうですね。

石黒:私は本当に無名な人の本を結構つくっているので、やっぱりそういう人が活躍するとうれしいですね。

Youtuberのお金事情・活動事情など、根掘り葉掘り聞いていきます

渡部:ありがとうございます。では、生みの親、石黒さんからのお願いということで、今日はお金事情について、ここからグイグイ聞いていきたいと思います。そもそも石黒さんは、YouTube業界の仕組みを全然知らないっていうことなんですけど、YouTuberにどんなイメージを持っているんですか?

石黒:これは、本当に偏見だと思うんですけど、チャンネル登録者数が多くて、再生回数が多いYouTuberって、憧れはしますけど、ちょっとむかつくなみたいなところも正直あって。

一同:(笑)。

石黒:もちろん、人気チャンネルになるまでに、いろんな苦労があることは承知しているんですけど、若くして成功して稼いでいる人を見ると、自分が仕事をしているのが馬鹿らしくなってくるって言うか、この人の一回の放送で、俺の月収以上稼いでんじゃねぇか(笑)っていうふうな感じがして、ちょっとモチベーションが下がることがあるんですね。だから、じゅんちゃんにお話を聞くんですけど、「全然儲かってないです」とか、「いや、実は昔のほうが時間に余裕があったし、ライフワークバランスもよかったんですよ」とか、あと「アンチのストレスがやばいんですよ」みたいな。

渡部:(笑)。

石黒:そういうネガティブな話をしていただいて、私の溜飲を下げていただければなと思っております。ぜひ、お願いします。ということで、さっそく質問していきたいと思います。「一回の配信で10万円稼いでいます」とか、「20万円稼いでいる」とか、具体的な数字はさすがに言えないと思って(笑)、ちょっと〇×で答えてもらってもいいですか?

じゅん:わかりました。

石黒:収入は、私とお会いした時よりも増えましたか?〇か×か。

じゅん:それは多いですね。〇ですね。

石黒:なるほど。じゃあ、2つ目いきますよ。じゃあ、2倍以上増えました?

じゅん:2倍にはなってないと思います。

石黒:なるほど。じゃあ、1.5倍には(笑)?

じゅん:には、なっているかもしれないぐらいですかね。

石黒:やっぱり収入上がったんですね。羨ましい(笑)。

渡部:石黒さんのおかげですね。

石黒:いやいや(笑)。好きなことで、お金が入るなんて本当に羨ましいですよ。毎日更新していらっしゃいますけど、活動に費やす時間って、1日どのぐらいなんですか?

じゅん:僕のやり方のスタイル的に、あんまり費やす時間と、費やさない時間の線引きがなくて、本を読んでネタを思いついたら、そのままそれでつくったりもするし、何かおもしろいニュースが入ってきたら、それをネタにするんですけど、逆にあんまりネタがないなっていう時は時間もかかるので、固定でどのぐらい時間がかかっているとか、スケジュールを抑えてみたいなのは、ゲストの人と話す時以外は、基本はないですね。

石黒:なるほど。

じゅん:起きている時は基本的に、何かネタないかなと思っているんで、多分それは編集者さんとかと同じような感じだと思うんですよ。

石黒:朝起きて、本とかネットとかを見て、これ、ちょっとネタになりそうだなと思った瞬間に、パソコンのソフトを立ち上げて、「哲学系ゆーちゅーばーじゅんちゃんの哲学入門チャンネルです」って始まるわけですよね。

じゅん:そうです。

石黒:で、収録した後に、テロップを入れたりとか、そういう作業があって。

じゅん:ほぼ編集してないです。

石黒:そうですか。でも、テロップとか入れてません?

じゅん:初期は入れたんですけど、ここ半年ぐらいはカットするぐらいで、テロップすら入れてないですね。面倒くさいんで。

石黒:そうですか(笑)。

じゅん:あんまり再生数も変わらないなと思ったので、入れても入れなくても。

石黒:そうなんですね。でも、実働、せいぜい2、3時間ぐらいじゃないですか? 実働で言えば。

じゅん:動画を収録している時間とか、練習をちょっとしているとかっていう時間で言えば、本当に1時間とかですけど、でも実際にネタを集めるのに、苦戦している時って10時間ぐらい考えて何も出てこない時とかあるので。なので、「どのくらい時間をかけていますか?」って聞かれると、結構困ったりします。

石黒:なるほど。編集者もかっこつけて言えば、四六時中、企画を考えているから、24時間仕事をしていますって、言えなくもないんですけど。

じゅん:そうですよね。本当に同じだと思います。そこで言うと、完全に。

石黒:なるほど。今、チャンネル登録者数5万人超えて、もう6万人に届きそうなんですけど、かつてよりも1.5倍以上収入が上がったじゅんちゃんなんですが、理想の収入を得るためには、どのくらい登録者数がいればいいなって考えているんですか?

じゅん:でも、僕はほぼお金を使わない人なので忘れたんですけど、お金的なものではなく、特典があったと思うんですけど、それがいいなって思ったんですよ。

石黒:なるほど。じゃあ、とりあえず10万ですね。

じゅん:そうですね。そこは、目指している感じです。

石黒:なるほど。じゅんちゃんのチャンネルのすごいところって、ゲストがすごいですよね。元文部科学事務次官の前川喜平さんとか、哲学者の小川仁志さんとか、あと元検事で今は弁護士をやっている郷原先生とか、あと、フォレストからも出版していただいています、適菜収さん、適菜さんの本も僕が編集したんですけど、そういう著名人と言うか、各分野で活躍している、錚々たる人たちがゲストに来ているんですけど、そういうのって、ギャランティ含めて、どんな感じの出演交渉をされているんですか?

じゅん:これももう普通に、編集さんと同じだと思うんですけど、メールで連絡するとか、誰かの紹介で、営業をかけるみたいな感じですね。

石黒:へー。

じゅん:出演料はまちまちですけど、そんなに法外な金額は出せないので、文章を書いてライターとかするより、多少いいんじゃないかなと思いますよね。

石黒:あー、そうですか。

じゅん:特に準備もしてもらわずに、1時間しゃべるだけなので、だからそんなに、向こう側に負荷がないんですね。だから、割に悪くない仕事を提供させてもらっているかなとは思うんですけどね。

石黒:なるほど。本をつくる時って、売れるかどうかもわからないし、連絡をしても返事をくれない人もいるんですけど、結構皆さん、メールとかで連絡すると、お返事をくれたりしますか?

じゅん:そうですね。紹介の紹介とかの方が硬いですかね。いきなり突撃するよりは。僕も大学の先生とかだと、普通にスルーされることも全然多いですし、そういうなんのコネもなしで行くと外れることも、もちろんありますね。「人前でしゃべるのが嫌なので」っていう人もいますし。

石黒:なるほど。僕は前川喜平さんにはびっくりしましたね。前川さんは正面玄関から行ったんですか?

じゅん:前川さんは紹介で。

石黒:そういうネットワークがあるんですか? 僕、前川さんに、自分がどうやってつながろうかなと思った時に、そういうネットワークがないので……。

じゅん:ツイッターのフォロワーさんが「前川さんとコラボしてください」と言ってきて、その人の知り合いかなんかで、接触したみたいな感じですね。

石黒:なるほど。ツイッターとかやっていると、そういうのがあるんですね。

じゅん:そうですね。前川さんは連絡先を公開している人ではないので、本当に個人的なツテでいけたって感じでしたね。

石黒:前川さんのご自宅とか行っていませんでした?

じゅん:いや、あれはスタジオを貸してくれる視聴者さんがいて、全然前川さんの家とかではないです(笑)。

石黒:そうですか(笑)。前川さんと思って、すげーなと思って(笑)。

じゅん:あれは、全然違います。

石黒:そうだったんですね。

じゅん:あそこは、何回か使わせてもらっているスタジオさんで、小川さんとやったときも同じところでした。

石黒:あ、そうですか。大変失礼しました。ありがとうございます。今、お話を聞いていて、やっぱり以前よりも儲かっているし、楽しそうに活動されているんで、私の溜飲はあんまり下げることができなかったんですけど。

じゅん:急にbanされたりするリスクもありますし、Googleの方針が変われば、全然ダメになると思うので。

石黒:それ怖いですよね。

じゅん:今もなんですけど、1年の中で12月と3月以外は・・・、12月と3月って、広告単価が2倍とか3倍になったりするんですけど、そういう感じで、月の変動がめちゃめちゃ激しいんで、基本的にGoogleが変われば半減とかすぐすると思うので、バブリーな感じがずっと続くかって言われたら、怪しいかなって気もします。

石黒:戦々恐々としながらやっているわけですよね。

じゅん:はい。

石黒:なるほど。ここまでちょっとお金事情について聞いてきたんですけど、渡部さん、何かコメントありますか?

渡部:いや、思ったより石黒さんが……、思っていた展開ではなかったのが、ちょっと残念だったなって。

石黒:いや、残念って言うのも変な話ですよ(笑)。

著書『世界の思想書50冊から身近な疑問を解決する方法を探してみた』について

渡部:はい。お金事情については、いろいろと聞かせていただいて、なかなか聞きづらい、答えづらいところもお話いただけたんじゃないかと思うんですけども、YouTuberとしての側面もさることながら、著者としての活動もされているので、せっかくなので最後に本の方も少しお話を聞けたらなと思うんですが、その辺はいかがでしょうか?

じゅん:はい。大丈夫ですよ。何を話したらいいですかね・・・?

石黒:とりあえず私の方から。タイトルが長いので、もう1回言いますね。2019年に、北畑淳也名義で『世界の思想書50冊から身近な疑問を解決する方法を探してみた』っていう400ページを超える本を書いていただいたんですけども、コンセプトとしては、仕事がつまらないとか、将来のお金が不安だとか、死にたいとか、我々が普段生活していて感じるような悩みの答えをいろんな思想書、名著と呼ばれるものも含めて、そういったところから解決策を見いだすっていう、結構、ハイブローな本になっていて、アマゾンのレビューを見ていただきたいんですけど、めちゃくちゃ評価高いんですよ。絶賛のコメントが多くて、読者満足度がかなり高いんじゃないかなと思いますので、ちょっとアマゾンで検索してみてください。読みたいなって思うと思います。じゅんちゃんからも、ぜひアピールお願いします。

書影画像をクリックすると、Amazonページに飛びます。

じゅん:そうですね。哲学者って、世の中に2種類いるみたいな話を、昔何かで読んだことがあって、新しい概念を打ち出す人と、それを人にわかりやすく伝える人、みたいなのがあるらしくて、僕は後者に属する人だと自認しているんですけど、そのスタイルを投影してるのが、この本で、一見関係なさそうに見える昔の本とか、こういう切り口で読むと今的に読めるよ、みたいな、そういう話をさせてもらっていて、その辺がある程度理解してもらえて、読んでもらえたのかなと思ってますね。

石黒:ありがとうございます。私がフォレスト出版で編集者をやる中で、1つ、軸としているのは、フォレストっぽい本は出したくないと言うか、フォレストでは、あんまり出ないだろう本を出したいと思っていて、その1冊がじゅんちゃんの今回の本だったりするので、私もすごく思い入れがある本です。

渡部:僕らが出しているのは、基本的にはビジネス、実用なので、例えば、稼げる、すぐに結果が出るっていうものなので、そことは対極的な本になっていて、すごくおもしろい本じゃないかと思うので、リスナー方々も、こんな時代だからこそ、改めて手に取ってもらいたいなと僕も感じます。じゅんちゃんさんは今後、出版のご予定はないんですか?

石黒:それ、聞きたかったんですけど。

じゅん:今、ちょっとゲラを出してもらっているやつがあって、小さい出版社さんなんですけど、僕がYouTubeでコラボした冨田先生と、丸山眞男さんについての本を出していただくことになっています。

石黒:いつ頃ですか?

じゅん:12月とかだったかな……みたいな話は聞いているんですけど。

石黒:本当ですか? 書き終えているっていうことなんですね? せっかくなので、宣伝したらどうでしょう。

じゅん:ちょっとまだひな型みたいなものはないんですけど、丸山眞男さんっていうのを今読むとどうおもしろく読めるかみたいな本で、関西学院大学の冨田先生っていう方に何回か僕のYouTubeに出てもらっているんですけど、出演してもらった時に話した内容プラスα、僕の方で丸山眞男って今読んだらこうやっておもしろく読めるよっていうのを、例えば政治的な観点からだったり、昔の歴史の話から考えるみたいな本になってますね。丸山さんって、すごく難しい本が多いんですけど、その話を中学生レベルでもわかるように書くというのを意識して書いていて、何か学びが確実にあるだろうっていう、非常に自信がある本です。

石黒:おー! フォレスト出版で本を出した時はYouTubeはやっていなかったので、当然チャンネル登録者もゼロだったんですけど、今はもう5万人を超えているので、売れそうですね。

じゅん:そうですね。何とか期待に応えて、伸ばしたいですね。

石黒:それが売れれば、またうちでも何か企画を提案するので、ぜひご検討いただければと思います。

じゅん:はい。

渡部:ありがとうございます。最後は石黒さんからじゅんちゃんさんへの公開オファーと言いますか、出版のお願いで終わりましたけども、お金の面なんかもぶしつけな質問も多かったかなと思うんですけれども、非常に真摯にお答えいただきまして、本当にキャラクターと言いますか、人間性の高さを伺えた回になりました。

石黒:(笑)。

渡部:今日は、ご出演いただきまして、じゅんちゃんさん、本当にありがとうございました。

じゅん:ありがとうございました。

石黒:ありがとうございました。

渡部:では、じゅんちゃんさんが北畑淳也名義で、フォレスト出版から出している『世界の思想書50冊から身近な疑問を解決する方法を探してみた』についても、ぜひリスナーの皆さん、チェックしてみてください。また、「哲学系ゆーちゅーばーじゅんちゃんの哲学入門チャンネル」もぜひチェックしてみてください。見ていただくのが一番いいと思いますので、貼ってあるYouTubeのリンクをクリックしてチャンネルを訪れてみてください。それでは最後に、Voicyのリスナーの皆さんにじゅんちゃんさんからメッセージをいただいて、終わりにしたいと思います。じゅんちゃんさん、よろしくお願いします。

じゅん:はい。今日はこういう機会をいただきまして、ありがとうございました。哲学とか政治とかっていうものに、特に若い層の関心が薄くなっているっていうのが、世の中的にも結構危ないなと思っているところで、それに対して微力ながら何かできればと活動していて、自分自身の作品とか動画とかを見てもらって、感じてもらえる人が少しでも出たらうれしいなあと思ってます。以上です。

渡部:ありがとうございました。それでは、本日は放送を終了したいと思います。じゅんちゃんさん、石黒さん、今日はありがとうございました。

じゅん・石黒:ありがとうございました。

(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?