【フォレスト出版チャンネル#125】話し方|雑談は人間関係の基礎
このnoteは2021年5月7日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル
|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。
雑談は「創造性」の源かもしれない仮説
今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める今井佐和です。本日は「雑談は人間関係の基礎」というテーマで、編集部の寺崎さんとフリートークでお話していきます。寺崎さんよろしくお願いいたします。
寺崎:よろしくお願いします。
今井:早速なんですけれども、雑談ってふだん寺崎さんはされますか?
寺崎:結構やりますね。今リモートワークメインになったんで、編集部の雑談が少ないことが問題になってるんですよ。
今井:(笑)。雑談していると、怒られるイメージがあるんですけど、やっぱり雑談がないと仕事にも支障があるからっていうことなんですか?
寺崎:これ、普通に会社に来て、普通にみんなが顔を合わせていた時は意識しなかったんですけど、緊急事態宣言以降、家にずっといたじゃないですか。で、雑談が一切生まれないと、創造性が落ちるんですよ。
今井:わかります。コロナ前は8割方雑談しかしなかったので、緊急事態宣言で、誰とも話さず黙々とやると、すぐチーンって頭が固まっちゃう感じがありましたね。
寺崎:なるほど。それで言うとすごく好きな話があって、東大と京大の比較の話で、京大ってノーベル賞がたくさん出てるんですよ。
今井:はい。変わった人が多くて、ノーベル賞が多くてっていう話をよく聞きます。
寺崎:一方、東大はなかなかノーベル賞が出ない。これはなぜかっていうその問いの1つの仮説で、京大には喫煙所があって東大にはないっていうのがあるんですよ。
今井:え!面白いですね。
寺崎:今はわかんないですよ。受動喫煙条例の施行で京大にも今はもうないかもしれないですけど。でも、昔は喫煙所があって、そこで色々な学部の色々な専門の人が集まるんですって、タバコを吸いながら。
今井:タバコミュニケーション。
寺崎:そう。で、「今、こんな研究やってんだけどどう思う?」みたいな。「ああ、それ、物性の研究の最先端から言ったらこうだよ」みたいな。こういうぶつかりあいですごく独創的なアイデアが生まれて、結果、ノーベル賞が生まれる研究成果が出たんじゃないかっていう仮説なんですよ。
今井:へえーー!!おもしろい仮説ですね!
寺崎:面白いでしょ?自分、タバコを吸うんで、すごく好きな仮説なんですよ。
今井:(笑)。自己肯定感アップみたいな。でも確かに前の職場でもタバコはそんな好きじゃないけど、喫煙室で話すとそこで仲良くなったり、昇進したりとかするから、そういうコミュニケーションをとるために行ってるっていう人もいました。
寺崎:そう。僕も実際に煙草嫌いなのに、そのために吸ってたっていう人に会ったことある。
今井:コミュニケーションのために吸ってたっていう方ですよね。
寺崎:そこで決まっちゃったりするからね。会社の大事な方針とか。
今井:そうなんですよ。私は吸わないので「いいなぁ」って思ってました。
寺崎:「これ、広告打とう」とかいう話も喫煙所で生まれて、担当者本人は知らないみたいな話とかあったりするんで。あまりよくないですけどね、そういう情報の格差っていうのは。
今井:はい。でも、それだけ喫煙所での雑談の中には、そういった効果も生まれるってことなんですよね。
寺崎:そうなんですよね。
見出し見出し
今井:はい。そんなノーベル賞を取ったり、昇進が決まってしまうかもしれないという雑談なんですけれども、雑談も上手い人とあんまり上手くない人といらっしゃるかと思うんですね。雑談がうまくなるコツとかテクニックとかメソッドみたいなものって何かありますか?
寺崎:そう。元々は僕も雑談が苦手でコミュニケーションが苦手だったんですよ。
今井:え!意外です。
寺崎:20代とか、30前後とかまで。会話で人間関係を作るっていうのが実は割と苦手だったんですけど、この仕事を通してだんだんうまくなってきたと言うか、人並みになってきて、当時の自分にこの本があったら渡したいっていうのが『面白いほど雑談が弾む 101の会話テクニック』。
今井:101も会話のテクニックが!
寺崎:そう、101連発。これはシリーズ16万部を突破してるんですけど、この本の中の冒頭に「話下手、口下手、解消のための基本メソッド」っていうのがあるんですよ。これが全部で11個あります。101の中の11個。全部をお伝えするのは時間的に難しいので、その内の5つをお伝えしたいなと思っています。
雑談テク① 話し手の気持ちに焦点を当てる
今井:では、そんな寺崎さん選りすぐりの「話下手、口下手、解消のための基本メソッド11」の中のさらに5つということで紹介していきたいと思います。では早速その1をお願いします。
寺崎:はい。テクニックの1。「話し手の気持ちに焦点を当てる」。会話が続かないとか、すぐに沈黙が訪れてしまうとかっていうのは大抵の場合は聞く力が足りないのが原因らしいんですよ。
今井:確かに。
寺崎:そう。だから、会話を弾ませるのは実は話す力じゃなくて聞く力、応じる力が数倍重要だと。例えばテレビのお笑い芸人とか、話すが上手だと言うんですけど、これは相手が話すことを面白おかしく加工して返すのがうまい。それは相手が出来事を話したら、こっちは相手の気持ちに焦点を当てていくといいんですって。
今井:相手の気持ちに焦点を当てる?
寺崎:例えば、芸人Aと芸人Bの会話。
芸人A:大好きな女の子と初めてデートする時って緊張するじゃないですか?
芸人B:いや、君は下心全開だからだろう。そりゃドキドキするわなー。
って気持ちに焦点を当てる。
今井:なるほどー。
寺崎:それにどういう効果があるかと言うと、気持ちに焦点を当てられると人は無意識に反応せざるを得ないんですよ。だから、自然にどんどん話が発展していく。それがまず第1のテクニックですね。
今井:なるほど。こんな気持ちなんだねみたいなことを、よく聞いて返してあげるみたいなかたちですかね?
寺崎:そういうことですね。だから、やっぱり「聞く力」ってベストセラーのテーマであるじゃないですか。そこも「聞く力」と「話す力」、両輪で潜在的にみんなニーズを感じ取っているってんだなっていうのはこの話から伝わってきましたね。
今井:「聞く力は話す力なり」ということですね。続いてその2。
雑談テク② 情緒的な会話を織り交ぜる
寺崎:はい。2番目のテクニック、「雑談から入るからこそコミュニケーションがスムーズになる」。どういうことかと言うとですね、依頼とか相談といった目的が明確な会話を「認知的な会話」って言うんですけど、一方で目的も要件もなくて取り止めのないいわゆる雑談は、「情緒的な会話」って言われるんですけど、コミュニケーションの上手な人は情緒的な会話を織り交ぜるんです。
今井:情緒的な会話。
寺崎:要は雑談です。例えば上司と部下の会話で言うと、
「今井君、よく頑張ってるね。注文がどんどん入ってるじゃん。」これは、雑談ね。
「いやー、たまたま運が良かっただけですよ。」これも雑談。
「いや。運も実力のうちだよ。」ここまでが雑談で、
「ところで、A社からの注文はどう?」
「はい。いけると思いますが、もう少し時間がかかりそうですね。」
これが、「注文はどう?」が、要件で、「もう少し時間がかかりそうですね。」っていうのが報告で、話がうまいって言われる人はこういう雑談を話の随所に取り込んでいるっていう。そのポイントがあって、さっきと似てるんですけど、「相手の気持ちや感情をすくいあげるように話す」と。
今井:なるほど。だから、「よく頑張ってるね」みたいな話があったりするんですね。
寺崎:そうそう。よく「いや、最近調子悪くてさ」なんて話しかける時があると思うんですけど、つい「何で?どうしたの?」って聞いちゃうんだけど、一旦そこグッと堪えて、「そうか。調子悪いんだ。そういえばつらそうだね」と間合いを取るだけで、相手は自分の気持ちを受け止められたって感じて、会話がまたどんどんスムーズになってくる。
今井:んー!ついつい「なんで?」って聞いて欲しくて、そう言っているのかなと思って、「なんで?」って聞いちゃいがちなんですけれども、そうじゃなくて「あ、そうなんだ」っていうのが大事なんですね。
寺崎:で、これね、リモートワークだとまた難しいんですよ。「そうなんだー」ってムダじゃないですか、キーボードに打ち込むの・・・。
今井:(笑)。
寺崎:「どうした?」って聞きますよね。四文字。これがダメなんですよ。リモートワークでは雑談ができない。
今井:確かに。でも逆に周りの友人たちに聞くのが、雑談のための時間をあえて取ってるっていう会社があるそうです。
寺崎:最近よく聞きます。雑談チャットグループを作るとかね。よく聞きますけど、それはそれでどうかなって感じがしますよね(笑)。
今井:そうなんですよね。テクニックの1でもありましたが、結局気持ちとかが大事だったりするじゃないですか。チャットとかだと、なかなか気持ちがのらなかったりするし、ZOOMとかでもついつい雑談から外れてしまったりとか。「生産性のあることをしなきゃ。限られた時間だし」みたいな気持ちになってしまう自分がいます。まあ、一旦気持ちを受け止めるというのが大事だということですね。続いてその3をお願いします。
雑談テク③ 会話の突破口になるほんの一言の挨拶や声掛け
寺崎:はい。3つ目、「ほんの一言の挨拶や声掛けが突破口になる」。
今井:はい。突破口に。
寺崎:これ、どういうことかって言うと、人って「相手はどんな人かな?どんなやつかな?」って瞬時に判断するらしいんですけど、見た目とか動作とか雰囲気で探ると。これは「ワンクラップの法則」って言われるらしいんですけど、動物の本能らしいです。相手がどんな人なのかなっていうのを見て安心しないとなかなかコミュニケーションがうまくいかない。
よく新幹線の座席に乗り込む時に「ちょっと失礼」とか、「どっこらしょ」とか言うおじさんがいると思うんだけど、これは大事なんですよ。
今井:え。「どっこらしょ」もいいんですか?
寺崎:「どっこらしょ」いいんですよ。そうすると場合によっては、隣にいた先客が「どうも」とか「どうぞ」なんて言ったりして、「今日混んでますね」「荷物多くて大変ですね」「ご出張ですか?」なんて会話が生まれたり、まさに雑談がそこで生まれてくる。
だから、出会い頭はお互いの存在を認識してタイプを判断しあって安心するっていう超大事な瞬間らしいですね。だから、日常的に「どっこらしょ」とか昭和のおじさん的な声かけをしていくといい、と。
今井:うん。自分から独り言でもなんでも言ってみるみたいなかたちですかね。
寺崎:そうそう。もう昭和のおやじで。
今井:「どっこらしょ」ということですね。続いてテクニックその4です。
雑談④ 自分をよく見せたい想いが変な人を演じさせている
寺崎:はい。この4つ目は、口下手の当時の私には耳が痛い話なんですけど、「自分をよく見せたい想いが変な人を演じさせている」。
今井:よく見せたいのに、変な人。
寺崎:そう。やっぱり自分が口下手だとか話下手だとか思い込んでいると、どうしても恥ずかしいとか、人見知りだからとか、そういう性格だからって緊張しちゃうんですよ。でも、本当の理由は自分をよく見せたいという自意識過剰なんですよ。
今井:なるほど。深いですね。
寺崎:そう。だから、もうよく見せたいと思うことはありませんよって著者の神岡さんは言っている。もう最初に「こんにちは。今日はいいお天気ですね」とか、「ここは居心地がいいですね」とかね、「ここ、初めてですか?」とかね。やっぱり緊張してるから変な人に見られると。押し黙っていると、この人何考えてるんだろうって思っちゃうじゃないですか。
今井:はい。なんか怖いなって思っちゃいます。
寺崎:そう。だから、自意識過剰のかっこつけは捨てましょうと。これ、自分も思い起こすと自意識過剰だったんですね。
今井:そうなんですか?
寺崎:そう。遡って考えてみると。でも、変な話なんですけど、40代過ぎたら歩きながらおならができるようになったんですよ。
今井:それまではできなかったんですか?
寺崎:人前でおならとか恥ずかしいじゃないですか?
今井:まあ、嫌ですよね。なるべくだったら誰も居ない所で空に放ちたい。
寺崎:そう。でも、全然平気になっちゃった。
今井:(笑)。
寺崎:自意識がなくなっちゃった。どうでもいい話なんですけどね。
今井:そういうのもコミュニケーションに繋がってくるということですね(笑)。では最後、5番目をお願いします。
雑談テク⑤ 会話の一歩は「自分から」
寺崎:はい。最後のテクニックは「会話の一歩は自分からが好印象を作り出す」。 これは、黙っていて話しかけられるのを待っているっていう無口なタイプの方は、まず何でもいいから自分からしゃべる。「最近〇〇はどうですかね?」とか、「この間〇〇を見つけましたよ」とか。控えめで沈黙がちで反応が鈍いっていうのは返って相手に不信感を植え付けちゃうんですよね。だから、思い切って一歩踏み出す。自分から話題を提供しようという姿勢は、あなたに対して興味・関心を持っていますよっていうサイン。だからこそ、相手は安心するし、高感度も上がってくる。雑談だから中身は何でもいいんですよ。話しかけられるのを待っているとチャンスを逃す。沈黙は相手を不安にさせますよという話でした。
今井:確かに。私、別にコミュニケーションがめちゃくちゃ上手というわけではないんですけれども、そういえば「全然関係ないんですけど・・・」って言って、全然関係ない雑談をして楽しいひと時で盛り上がるっていうのが結構好きですね。
寺崎:意外とその雑談から企画の種みたいな。この間も今井さんが、今、陰謀論者の間で話題の本みたいなの教えてくれたじゃないですか。あれ、今企画ネタとして温めつつ、色々調べたりとかしているんですよ。
今井:おー!よかった!うれしい!雑談から始まった感じですね。
寺崎:そうなんですよ。雑談から生まれるものって結構でかいですよね。
今井:そうですね。私、日々の生活をくだらなくて、面白いことを探すことに注力しているかもしれないです。
寺崎:(笑)。それはクリエイティビティ高いかもしれない。
雑談が上手いと出世する!?
今井:いえいえ。ちなみに最近、寺崎さんの一押しの雑談というのはどんなものがありますか?
寺崎:(笑)。雑談を真正面から問われると・・・。なんだろう?
今井:ちなみに、本当にどうでもいいくだらない話でVoicyの皆様におかれましては、「ほんとくだらないな」って思っていただけたらと思うんですけど、最近私が「おお!」って思ったのは、「イルカはなぜジャンプするのか?」っていうので、なんでジャンプするかご存知ですか?
寺崎:ジャンプするのが好きだから?
今井:違うんです。イルカさんは早く泳ぐためにジャンプするんですよ。っていうのも、人間の皮膚って1日1回生まれ変わるんですけど、イルカは1日12回皮膚が生まれ変わるんで、そのままジャンプしないと垢だらけになっちゃうんですね。ジャンプすることで垢を落として表面をツルツルにして早く泳ぐみたいな。垢落としのためにジャンプをしている。
寺崎:なるほど。いや、これは雑談というよりも、学びになってましたね。
今井:本当ですか(笑)?
寺崎:そうなんだ。
今井:はい。だから、最近はイルカを見るたびに、「この子は今この瞬間に皮膚が生まれ変わっているんだ」と思って感慨深い気持ちになるという。
寺崎:これ、ちょっとうちの娘に自慢気に聞いてみます。「なんでか知ってる?」って聞いてみます。
今井:是非。まあ、こんなかたちで役立ったのかどうかわからないですけど、雑談ということでお話をしていきました。
寺崎:今回、5つのテクニックをご紹介したんですけれども、その基になっている『面白いほど雑談が弾む 101の会話テクニック』という本は、タイトル通り101本のテクニックが入っています。どれもすぐに使えるもので、帯にキャッチコピーでドーンと入れたのが、「雑談で出世する!」。
今井:すごいですよね。
寺崎:これは少なからず遠からずと言うか、出世も雑談から生まれるだろうというような著者との話もあって、こういうキャッチコピーにしています。なので、これから新シーズンで、学生だったら新学年で、社会人だったら新しい職場とか、新入社員の方とかたくさんいらっしゃると思うので、この本は必ずすぐに役立てる内容が盛りこんでありますので、是非。
今井:仕事ができる人より雑談が上手い人の方が出世している印象がありますね、私の中では。
寺崎:ですよね。
今井:ということで、帯にも「30秒で心をつかみ、3分以内にトリコにさせる会話の超絶マジック」ということで。
寺崎:ちょっと言い過ぎかもしれない(笑)。
今井:いえいえ!『面白いほど雑談が弾む 101の会話テクニック』、是非お手に取ってみてください。
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?