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【フォレスト出版チャンネル #40】ゲスト|「マーケティングトレース」4つのフレームワークとは?

このnoteは2021年1月8日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

「マーケティングトレース」の基本フレームワーク

今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める今井佐和です。本日も昨日に続いて素敵なスペシャルゲストをお呼びしています。ブランディングテクノロジー株式会社執行役員の黒澤友貴さんとフォレスト出版編集部の貝瀬さんです。よろしくお願いいたします。

黒澤・貝瀬:よろしくお願いします。

今井:それでは、昨日に引き続き黒澤さんのご著書『マーケティング思考力トレーニング』についてお聞きしているのですが、今日は本の中で触れられている本の方では5つになっているんですけれども、本日は「基本的な4つのフレームワークを利用する」について詳しく話を伺いしていきたいと思います。黒澤さんよろしくお願いします。


黒澤:よろしくお願いいたします。“マーケティングトレース”というトレーニングは、成功企業の成功要因を、フレームワークを活用して分析するというトレーニングになっていまして、4つの基本フレームワークを使います。1つ目がPEST分析、2つ目が5フォース分析。業界構造を分析するフレームワークですね。3つ目がSTP分析と言われるマーケティングの基本戦略を整えるフレームワークで、4つ目が4P分析という具体的に顧客に価値をどうやって届けるのかというフレームワーク。この4つで構成しています。一個一個、説明させていただくかたちでよろしいですかね?

今井:ぜひよろしくお願いします。

黒澤:はい。詳細はnoteとかに書いているので、そちらを見ていただければと思うんですけど、大枠だけ説明させていただくと、PEST分析っていうのは、そもそもその企業を取り巻く環境がどうなっているのか、市場の規模だったりとか、社会の価値観だったりとか、その企業にとってどういう要因がプラスに働いていて、どういう要因がマイナスに働いているかとか。やっぱり売れる、売れないっていうのは、自分たちだけでコントロールできないものがたくさんあります。なので、そこの要因に何があるのかっていうのをまず捉えていって、どのチャンスを自分たちは活かしていくのかであったり、逆に改善策を考えなきゃいけないのかといったところを大きい視点でまず捉える。そのための分析をするのがPEST分析というものになります。具体的には政治、経済、社会、技術、この4つの視点で外部要因を分析するという手法になっています。これが1つ目のPEST分析ですね。
2つ目の5フォース分析は、業界構造を分析する。具体的にはその企業の競合に当たる会社がどこかというのを分析するフレームワークになっています。何を見定めるのかっていうと、競合他社がどこかというところだと、例えばフォレスト出版の競合はどこかっていうと、たぶん他の出版社とかになると思うんですけど、5フォースのフレームワークを使うと、新しく入ってきている、要は業界の中の競合ではないけど、「お客さんのお金とか時間を奪う競合はどこか」みたいなところを分析するのが可能になります。例えば、YouTubeとかも競合になりますよね。フォレスト出版さんの本を買うってなると、競合はもう出版社ではなくて、例えばYouTubeだったり、学習するオンラインのコンテンツだとか、そういったところ広く洗い出していって競合を再定義する。そういったところをやっていくフレームワークになります。それがワークシートの中でも競合の再定義というところで5フォースの中で役割を絞って入れています。
で、このPESTと5フォースという2つのフレームワークを使って、大きな市場の環境、取り巻く環境がどうなっているのかといったところを理解します。その上で、次にSTP分析というものをやっていくんですけど、簡単にお伝えすると、誰に対して、競合とは違って、なぜその会社が選ばれているのかというのを理解するのがSTP分析です。なので、マーケティングってターゲットが誰かよく言われると思うんですけど、本を日本語で出版したら1億2000万人に買ってもらいたいですけど、それは難しいので、どの層がメインターゲットで、その人がその物を選ぶ基準って何なのか、先ほど洗い出した競合とどういうふうに比較されるのか。そういったところを整理するのがSTP分析というものになります。なので、マーケティングの基本戦略というのが、誰に対してどういう他社との違いを出していくのかというのを設定するのがSTP分析でやっていくものになります。
最後、こういった違いを出していくということを明確にした上で4P分析というもので、4Pがプロダクト・商品、プライス・価格、プレイス・流通、プロモーション・広告ですね。この4つの要素を組み合わせて、先ほどの違いを具体的にどうやって作っていって、お客さんにどうやってサービスを届けていくのかというのを分析するフレームワークになっています。
なので、この4つのフレームワークを使って成功している企業は何をやっているのかな、どういう戦略でやっているのかなというのを改めて自分なりに分析をしていくことをやっていくと、その企業はなんとなく売れているなじゃなくて、こういう仕組みで売れているのかなっていうのは理解できるようなものになっています。これが、この4つのフレームワークとマーケティングトレースの仕組みになっています。ちょっと長くなりましたが、このようなかたちでフレームワークは構成しています。

「鬼滅の刃」ブームを「マーケティングトレース」

今井:なんとなくかたちはわかったんですけれども、もしよければ具体的な企業だったり、製品に当てはめるとこんな感じかなっていうのを教えていただければと思うんですけど、個人的に今『鬼滅の刃』っていう映画がすごく流行っているじゃないですか。今たぶん興行収入が288億円を超えたっていうニュースが流れていて、歴代2位いう状態なんですけれども、この日本中にブームを巻き起こしているこの『鬼滅の刃』についても、このマーケティングトレースの考え方で、よりわかりやすくなったりしますか?

黒澤:はい、します。実際、ヒットの要因を読み解くっていうところで、なんで『鬼滅の刃』が流行っているのか、『鬼滅の刃』って「ジャンプ」で出たときはそんなに爆発的なヒットは生まれてないんですよね。たぶん、最近のこの映画化だったりとか、その前のアニメ化、ここで一気に顧客層が広がっているで、そのタイミングでいろんな企業とコラボレーションして、というのがあったりするので、そこらへんをフレームワークで読み解くと、具体的な理由という仕掛け方ですね、集英社の(仕掛け方)を読み解けるかなと思っています。

「マーケティング思考力」は全社会人の必須スキル

今井:なるほど、ありがとうございます。フレームワークは、そういうふうに使うものだったんですね。このフレームワークをきちんと身につけたり活用できると、世の中の企業だったり、製品の見方だったり、自分がビジネスでいろいろなことを起こしていくときにも役立っていったりとか、なにより世の中の見方が変わるっていう感じになってくるんですかね。

貝瀬:そうですね。まさに、私もこの本を担当するまでフレームワークってあるのを知っていて、こういうものなんだとはわかっていたけど、実際こういう順番で使っていくんだと、ちゃんと社会環境とか、大きい枠、自分がいる世界から自分が属している組織、あるいはその活動にこういう順番に落とし込んでいくんだということがわかったんで、すごく視点が変わったと言うか。マーケティングトレースを、実際に本を読んだり、黒澤さんのnoteをお読みいただくと、目が養われると思うんですけど、マーケティング思考力がつくし、自分の仕事に対する見方が大きく変わってくる。あるいは、自分の会社や自分がなんでこんなことやっているんだろう、なんで自分がこんな仕事をやらされているんだろう、それの意味がわかってくると思うんですよね。全体に枠というか。そういった意味では、いろいろなビジネスパーソンの方に、お読みいただきたいなと思う1冊です。

今井:実際に貝瀬さんはどんなふうに世の中の見方が変わったりしましたか?

貝瀬:それはもちろん、企画を立てるときに決まっているじゃないですか。

今井:さっそく役に立っていらっしゃるんですね。

貝瀬:かなり使わせていただいています。最初に考えるところが、例えば、どうしても今売れている本に目がいっちゃいますよね、編集は。「ほめ方」が売れているんだったら「ほめ方」だー!って、企画書を書いちゃったりしがちなんですが、よく考えたら、本になるのって半年くらい先じゃないですか。そうしたらもうそれは流行ってなかったりするじゃないですか。そうなると、ちょっと先を読んで、次はどういうふうに流れてきているのかなっていう。半年後、1年後にビジネスパーソンは何を知りたいのかとなると、やっぱりさっきおっしゃっていたSTPみたいなものって意識せざるを得なくなってきたというか。黒澤さんの本を担当したおかげで、そういう視点が見えてきました。

黒澤:貝瀬さんにこう言っていただけるのは、非常にうれしいなあと思っていて、元々マーケティングトレースって、マーケターのためのトレーニングから始めたんですけど、マーケターと言われるようなマーケティングの専門職以外の方にマーケティングの力、マーケティング思考力を持ってもらって、その人の仕事の中で、より付加価値を高めてもらうことだったりとか、それこそ、キャリアを高めるのに活かしていただくのに使っていただけたらなと。マーケティングって、例えばデザインと掛け合わせれば、デザイナーの付加価値が上がると思いますし、エンジニアが学べば、何か言われたものをつくるだけじゃなくて、もっと新しい価値を出すために自分の技術を活かそうという新しい発想になると思うので、そういう変化を生み出していきたいなと思っていたので、貝瀬さんに編集の領域で使っていただけるのは非常にうれしいなと思っています。ありがとうございます。

今井:ありがとうございます。今お話を聞いていて、改めてマーケティングってどんなものと掛け算してもすごくおいしいというか、未来が広がっていくなとすごくワクワクしてきました。

黒澤:そうですよね。なので、マーケティングというものが、誰でも学ぶものにできたらいいなと思っているので。マーケティングトレースとかを社会人になったら一番最初にやるトレーニングみたいものになればいいなと思っています。

今井:ねぇ。学校の授業に入れていいんじゃないかなって、お話を聞いていて思いました。

黒澤:そうですね。高校生とか大学生とか。大学生とか就活前にやられる方が増えてきていて、それはすごくいい流れだなと考えています。

今井:ありがとうございます。ぜひ皆さんも今回ご紹介した黒澤さんの書籍『マーケティング思考力トレーニング』、興味のある方はぜひチェックしてみてください。本日はブランディングテクノロジー株式会社執行役員の黒澤友貴さんと編集部の貝瀬さんにお越しいただきました。どうもありがとうございました。

黒澤・貝瀬:ありがとうございました。

(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)

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