【マネジメント】組織の「空気」を悪くする「作話スモッグ」の正体
こんにちは。
フォレスト出版の森上です。
会社や組織、チームにおいて、「場の空気」は、その会社・組織メンバーの「モチベーション」や「売上」に大きく左右します。
そんな大事な「場の空気」も、マネジメントによって大きく変化します。「場の空気」の変化には大きく3つの原因があることは、下記の記事でお伝えしました。
その3つの原因の1つに、注目すべきものがあります。
それは、3つ目の原因に挙げた「意味の偽造(作話スモッグ)」です。
「作話スモッグ」とは何か?
文字通り、「場の空気」を汚すスモッグなのですが、具体的にどのようなものなのか? どのように発生するのか?
現場に入って、目標を絶対達成させる超人気コンサルタントとして知られる、アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長の横山信弘さんは、著書『「空気」で人を動かす』の中で、「作話スモッグ」について詳しく解説しています。今回は、その該当箇所を一部編集して公開します。
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「社会的手抜き」によって発生する「作話スモッグ」
空気を変える3つの原因のうち、最も注目すべき原因である「意味の偽造(作話スモッグ)」について、もう少し掘り下げます。
先ほどもお伝えしたとおり、3つの原因は独立したものではなく、相互に作用して場の空気を汚していきます。
▼「空気を変える3つの原因」の解説記事はこちら
まず、「①社会的手抜き」が引き起こす「③作話スモッグ」の例を見てみましょう。
部下が約束した仕事をしていないケースを考えます。その件について問い質すと、
人が増えることによって、自然と意見を出しづらくなるものです。部下に悪意はありませんし、意識が低下しているわけでもありません。以前はできていたことなのに、人が増えただけでなんとなく手を抜いてしまう。これが「社会的手抜き」です。自然現象です。人数が増えただけで、本来のポテンシャルを発揮することができなくなります。
しかし、意見を出さなかった原因を本人は理解できていません。「以前よりも人が多いので、手を抜いてしまった」などと感じていないものですから、
「私がああいう場で積極的に発言するのはどうかと、最近思っているのです。新しく入った人こそ、もっと意見を出すべきではないでしょうか」
などと言い返したりします。
これが、自分の過去は一貫して正当化したくなる「一貫性の法則」。まさに後付けの「作話」です。
作話がさらに作話を呼び、「場の空気」を悪くしていきます。これが「作話スモッグ」です。
「外来価値観」によって発生する「作話スモッグ」
次に、「②外来価値観」が引き起こす「③作話スモッグ」の例です。
とても残業が多い部下がいたとします。仕事量は以前より多くなっていないので、リーダーは気になって声をかけます。
「場の空気」によって変化したことは、多くの人が気づかないものです。ですから、このように「数字」で表現することが重要です。
しかし、部下は自分がムダな残業をしていることなど認めません。認めたくないのではなく、実際に必要な残業をしていると思い込んでいます。
部下は残業時間増加の言い訳をその場で考えて「作話」しています。ですから「場の空気」も悪くなっていきます。
調査によると、この部下の場合、新しく任された仕事は確かに増えているのですが、去年まで任されていた仕事で減っているものもあるため、労働時間が増えている論拠とはなりません。単純に、1つひとつの作業時間がなんとなく長くなっていたり、必要のない打ち合わせや会議、資料づくり、そして、使途不明時間が増えていることが原因です。
この理由を突き止めたところ、半年前に他支店からやってきた主任の影響がとても強いことがわかりました。この主任は「長時間労働が当たり前」という価値観を持っているため、長い時間働いている人を見ると、「頑張ってるね」と言ったり、早く帰宅する人を見ると「暇なのか?」という発言を繰り返します。これが「外来価値観」です。外から入ってきた新種の価値観という意味です。
新しい主任の影響で、この部下のみならず、他の同僚たちも一様に労働時間がなんとなく長くなりました。
まさに、「場の空気」が変化したことによる影響です。課長は敏感に察知して対処しなければならないのですが、放っておいたために「空気」が変わっていました。元の規律に戻そうとしても「だって」「でも」「そもそも」……などの言葉を使って「作話」してきます。すでに、「作話スモッグ」で空気が曇っているからです。
「作話スモッグ」に汚染されないためのポイント
この厄介な「作話スモッグ」の汚染からチームを守るには、次の2つが必要です。
◉早めの対処(引き締め)
◉早めに対処できなかった場合は、客観的データによる事実(ファクト)の調査
特に、客観的な事実は数字である必要があります(数値表現によって空気を変えていく技術に関しては後述します)。
「場の空気」が微妙に悪くなってきたとリーダーが感じたら、できる限り早く手を打ちましょう。
細かいテクニックなど必要ありません。引き締めるだけでいいのです。
普通に「キチンとやろう」「ダメと言ったらダメ」でいいのです。少しキツめに言っても、「場の空気」が中和してくれます。
放置しておくのが一番まずい対処法です。そのままにしておくと、後戻りできないぐらいに空気が悪くなっていきます。
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いかがでしたか?
【NLP理論】【脳科学】【行動経済学】に基づいた、良い「空気」に変えるための究極メソッドをまとめた『「空気」で人を動かす』(横山信弘・著)は、おかげさまで、長きにわたり多くのビジネスパーソンに支持され続けているロングセラー作品となっています。一人でも部下を持つリーダーにとってマネジメントのヒントが満載の1冊です。興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。
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