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結果を出す人が重視する「行動」は、量か、スピードか、質か?

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

ビジネスパーソンの必須スキルとも言うべき「行動力」。行動力がその結果を大きく左右することは、誰もが認めるところですよね。

「行動」というと、「量」「スピード」「質」などに分けて論じられるケースが多いものです。今までにも、これら3つを比較しながら、「どれが一番大切か? 重要か?」という命題に対して、それぞれの専門家が自分の知見や経験を基に、それぞれの主張を繰り広げてきました。関連のビジネス書も多く出版されています。

「行動はやっぱり量でしょ。大量行動で結果がついてくるものだ」
「まずはやってみよう。『すぐやる』が大事。見切り発車の勢いで、やりながら修正していけばいいんだから」
「ある程度、プランを立ててからじゃないと。とんちんかんなことになったら意味ないでしょ。やっぱり質でしょ」

いずれも正しいような気がしてきます。

果たして、結果を出す人は、行動の「量」「スピード」「質」のどれを重要視しているのでしょうか?

この命題に対して、あらためて真っ向から論じている人物がいます。

「起業家」という、ある意味で一番リスクをとってチャレンジしている人を、10年間で1万人以上支援してきた、株式会社ウェイビー代表取締役社長の伊藤健太さんです。

伊藤さんは、年間1,000件を超える起業家向けマーケティングのコンサルティングを行ないながら、月間ユーザー30万人を超える、日本トップクラスの起業系メディア「01ゼロイチ」も運営しています。また、世界経済フォーラム(ダボス会議)U33日本代表として、世界のトップビジネスパーソンたちと渡り歩いてきた人物です。

そんな伊藤さんが「結果につながる行動の思考法&実践法」を解説した新刊『行動の品質』がいよいよ年明け1月10日に刊行されます。

今回は、本書発売に先立ち、「結果を出す人は、行動の『量』『スピード』『質』のどれを重要視しているのか?」という命題に対して、今まで1万人以上の起業家を支援してきた伊藤さんが見いだした見解が触れられている「はじめに」(まえがき)と、「目次」「おわりに」(あとがき)を全文公開します。「おわりに」を公開するのは珍しいかもしれませんが、著者の伊藤さんの人となり、今回の書籍に対する思いが詰まっているからです。併せてお読みください。

はじめに

 なぜ、僕たちは同じ人間にもかかわらず、成果に対して大きな差がつくのでしょうか?
 知識やスキルの差でないことは、多くの人が感覚的に気づいています。
 たとえば、同じ商品・サービスを扱う新人の営業パーソン100人を想像してみてください。
 4月に入社し、同じ研修を受けて、営業に配属されました。
 そこから数か月〜1年もすれば、明確に1位から100位まで順位がつきます。しかも、1位と100位では、10〜100倍くらい、成果が違うこともあります。
 同じスタートだったのに、同じ商品・サービスだったのに――。
 このように、決定的に成果の差を分けているものは、何なのでしょうか?
 このような成果の差は、ビジネスの世界だけでなく、学生時代も、アルバイト時代も、スポーツをやっているときも、プライベートでも、どんなときでも遭遇してきました。
 僕は、この正体が気になって気になって仕方ありません。

やる気がある人の集団「起業家」でも、
成果の差が出るという現実

 はじめまして、伊藤健太と申します。
 僕は「起業家」という、ある意味で一番リスクをとってチャレンジしている人を、これまで10年間で1万人以上支援してきました。
 僕自身は23歳のときに病気をし、資本金5万円で小学校友人4名と起業をしています。
 起業家は、義務的に働いている、働かされている人とは決定的に異なり、皆、自ら選択し、チャレンジすることを選んだ、ある意味、選ばれし人たちです。
 正直に申し上げて、「やる気がある人」と「やる気がない人」が混在しているサラリーマンの世界だと、何が原因で成果の差がついているのかを正確にはつかみにくいものです。なぜなら、そもそもやる気がない人から成果が生まれることはないからです。
 だから、サラリーマンの世界ではうまく抽出しにくい成果の差を生み出す原因を、起業家の中での比較や経験から見れば、少しはわかるのではないかと考えたのです。
 気になりませんか?
 成果を分けるものとは、いったい何なのか?
 僕は、10年にわたる起業家支援の中で、いつも考え続けている問いがあります。
「うまくいく起業家と、うまくいかない起業家の違いは何なのか?」
 ということです。
 もちろん全員とは言いませんが、起業家の多くは、とても主体的で、専門性も持ち合わせた人たちです。皆、命がけで、一生懸命やっています。でも、その中でも、勝ち負けが如実に分かれます。
 それは、スタート時点の、お金の量が多い・少ない、良い大学を出ている・出てない、良い会社を出ている・出ていない、年齢が高い・低いは、さほど関係ありません。
「何でだろう、何でだろう」といつも考えていました。
 起業家という、ある意味、これ以上調査サンプルとしてフェアな状態の人はいないでしょう。皆、やる気は十分な人たちばかりです。
 この起業家の中でうまくいく、いかないを決めているものがわかれば、起業家以外の人にも当てはめることができると思ったのです。

発見! 成果を出している人の共通点

 最初は、いわゆる頭の良い人(=良い大学を出ている)がうまくいくと思っていました。
 ただ年々、起業家の支援数が増えていくにつれ、頭の良さとは違う要因が影響している事実に直面するようになりました。
 頭の良い人が必ずしもうまくいくわけでもありません。大学を出ていない、または大学の偏差値はあまり高くない起業家でも、圧倒的な成果を出している人が多く存在するのです。
 では、何なのか?
 お金(資金力)なのか?
 前職での経験なのか?
 地域業種なのか?
 はたまた、なのか?
 もちろん大前提として、スキルや経験、頭の良さ、お金の量(資金力)などがあるに越したことはありません。
 でも、間違いなく「それらだけではない」と確信できたのです。
 もちろん、成果はあらゆる因果関係がつながったものなので、正確に言えば、際限がないのかもしれません。
 ただ、明らかに成果を出している起業家と一緒にいると、話が合う、節々彼らの話を聞いていると、皆が心底共感し、「そうだよね、そうだよね、何で皆(成果を出していない人)は、反対なんだろう」と言っているものがあります。
 これを「起業家あるある」と片付けていけないと思っています。
 僕はしょっちゅうこの「あるある」に直面しています。
 成果を出している「起業家あるある」――。
 僕はそれを「行動の品質」と呼ぶことにしました。
 成果を出す人は、決定的に「行動の品質」が高い。
 成果を出さない人は、決定的に「行動の品質」が低い。
 意識的か無意識的かはわかりませんが、成果を出す人は「行動の品質」にとてもこだわっているのです。

「行動の品質」の定義

「行動」というと、「量」「スピード」「質」などに分けて論じられるケースが多いでしょう。一般的に、これら3つを比較しながら、「どれが一番大切か? 重要か?」という命題に対して、それぞれの専門家が自分の知見や経験を基に、それぞれの主張を繰り広げてきました。このようなビジネス書も多く出版されています。
「行動はやっぱり量でしょ。大量行動で結果がついてくるものだ」
「まずはやってみよう。『すぐやる』が大事。見切り発車の勢いで、やりながら修正していけばいいんだから」
「ある程度、プランを立ててからじゃないと。とんちんかんなことになったら意味ないでしょ。やっぱり質でしょ」
 どれも間違ってはいません。それぞれの立場で、それなりの説得力があります。
 僕がお伝えしたいのは、これらは「比べるものではない」ということです。量もスピードも質も必要であり、大切なのです。
 ただ、そこにはバランスがあります。
 求められるバランスも、人や仕事の内容によってさまざまです。
 自分にとっての最高のバランスが何かを自覚している。
 そのバランスを自覚したうえで、どのような行動をとっていけばいいのかが見えている。
 そして、その行動をどんどん遂行できる。
 それが、僕の言う「行動の品質」が高いかどうかの基準になります。
 行動の品質を高めるためには、いくつかの必要不可欠なエッセンスがあります。
 本書では、そのエッセンスをマインド面、実践面の両面からお伝えします。あなたの明日からの行動が変わるきっかけとなれば幸いです。

【目次】

第1章「行動の品質」を高める前に必要なこと

◎「ピンチはチャンス」と、実際に思える人の思考回路
◎自転車に乗るまで100回転ぶことは、成功か? 失敗か?──マインドセットで、結果の評価の仕方が変わる
◎失敗は、転ばないこと
◎これまで学校や社会で学んできたことは、マインドセット上のアプリに過ぎない

第2章「行動の品質」を高める3つのポイント

◎マインドセット=「行動の品質」を大切にする
◎「行動の品質」を高める3つのポイント
◎最速最短最少で最大最高最適な成果を出すことを最優先で考える──行動の品質を高めるポイント①
◎「努力なく成功した」ことを認めないことの弊害
◎1つのことをコツコツ続ける恐怖
◎日本一の旅館が陥ったコツコツ努力するマインドセットの末路
◎これから求められるのは、進歩ではなくイノベーション
◎なぜ日本の社会は、「最短最速最小」という発想を肯定しないのか?
◎答えではなく、問いを変える
◎成果が出ない人は、答えではなく、そもそもの問いが間違っている
◎行動の品質を上げるために、問いの設定がうまくなる方法
◎有効なリフレーミングを実現する2つのコツ
◎1つの行動がそれだけで終わらず、良い波紋を広げることを考える──行動の品質を高めるポイント②
◎儲かっている社長が派遣登録をする理由
◎自分だけでなく、そもそもまわりを巻き込もうと考える──行動の品質を高めるポイント③
◎巻き込む力を強化するためにやったほういい「メタ認知」
◎メタ認知ができないと、こんな危険がある!?
◎ゴールからすべて逆算、答えを見に行ってから始めよう
◎ビジネスにおける「答えを先に見に行く」方法

第3章「行動の品質」を育む方法

◎目的が変われば、マインドセットは変わる
◎PDCAサイクルの「累積回転数」を、毎日の最重要目標にする
◎目の前の目標を目的化してはいけない
◎「自分の成長」を目的に置くだけで、メリットが続々と生まれる
◎成果が出ない人ほど、選択肢を1つに絞り込む
◎成果が出ない人は、「失敗できない」と考え、余計なことをする
◎失敗を恐れて動けない人への忠告
◎「想定外」のことが起こる時代だから……
◎失敗できないと思っている人が、失敗できる方法
◎長期的な成功とともに、短期的な成功を味わうメリット
◎水戸黄門の印籠の威力を、あらためて検証してみる
◎たとえ新人であっても、未経験でも、自分にとっての印籠を持っておく
◎現在のあなたの印籠は何ですか?
◎僕の場合の印籠づくり
◎空気を読みながら、空気を読まないことをする
◎よそ者、馬鹿者、若者を1人の人の中でバランスを取る
◎自分一人でできることを理解している
◎100人の応援団をつくるために必要なこと
◎「未知の未知」を意識し続ける
◎自分の嫌いなことや苦手なことを明確にして、切り捨てる勇気を持つ
◎大変化の時代でこだわるべきは、「WHAT」ではなく「WHY」
◎起業志望者が質問する「おススメの業界を教えてください」は無意味
◎情熱は経験から育つという話
◎WHYを話せないと、人を動かせない
◎お金とは「きびだんご」である
◎「ファイナンス思考」という考え方
◎誰とどのように付き合うかは、何を食べるかより重要
◎戦略的学習力を身につける

第4章「行動の品質」を高める 【超実践編】

◎成果が出ない人は、お金を払って学ぶ、成果を出す人は、お金をもらって学ぶ
◎自分ではできないこと、不足していることが会社や人には必ずある
◎相手を喜ばせるためのアイデア
◎質問を武器にして、相手を喜ばせる
◎質問を武器にした人
◎質問でアイデアを生み出せる
◎具体的に、簡単そうに、短くを意識する
◎何を話すかでなく、どうやったら好かれるかを考える
◎「一番最初のお客様」というポジションをどんどんつくってしまう
◎お土産をご本人分はもちろん、そのご家族や従業員に買っていく
◎お金を借りた後に、圧倒的な進捗報告をする
◎お金を借りようとしない、お金のみならず、その先のリソースまで借りる
◎素直に「〇〇について教えてほしい」と相談し、相手に対してとても頼りにしていることを示す
◎他社の力を借りて、自分の宣伝や自分の強みをつくる方法
◎80%の部分だけ自分の20%で行ない、細部の調整はアウトソースしていく
◎座学で勉強すると同時に、すぐに学びをシェアする機会をつくる
◎コンサルティングを受けてきた内容や実践事例をわかりやすくまとめてノウハウ化
◎1人でやらずに、仲間を巻き込み、目的を複数にして、コミットを高める
◎誰でも持っている自らの休眠資産を生かして成果を出す
◎新人に、習ったことをシェアさせる
◎誰も知らないSNSやブログの本当の活用──とんでもない結果を生める
◎インタビュアーというポジションをつくり、取材の形に持ち込む
◎WIN-WIN-WINの順番を正しく知っている
◎1回会ったときにどう濃くするかでなく、2回目をどう早く会うかを考える
◎丁寧なコミュニケーションをしつつ懐に入る
◎一人でいいので、最初に一番強い人脈をつくる
◎そもそも交流会に行かないで、自ら会を主催したほうがいい
◎本を読んだので一度会いたいと言うと、時給10〜20万円の人に無料で確率高く会える
◎著名な人と仲良くなりたい場合には、地方の懇親会付きの講演会が狙い目
◎取引したいと思ったら、相手のお客様になるのが手っ取り早い
◎メンターというポジションを活用する

おわりに

 最後までお読みいただきありがとうございました。
 このように本を書くことができるのも、すべては僕が健康であり、そもそもで言えば、この世に存在していられるからです。それは、遡れば過去すべての人がいたから今の僕があるわけです。すべてのことに感謝をしなければいけません。
 僕は23歳のときに死を意識する病気にかかり、小学校のときの親友4名、資本金5万円で起業しました。起業家支援を開始し、会社設立、資金調達の相談を1年で1000社以上を受けました。
 ただ、起業家支援を行なっている中で、〝成果が出ずに死んでいく〞起業家の多さに愕然としました。
 そこで僕は、今まで以上に自らインプットとアウトプットを繰り返して自分を高めながら、老若男女、地域、業種を問わない起業家1000人以上の成果だけにコミットしました。
 おかげさまで、地域NO1の事業主や、メディアを席巻する起業家を多く輩出することができたのですが、頑張っているのに成果が出ない人が一定数いる。その差が、「行動の品質」であることに気づいたのです。起業家支援を始めて6年後のことでした。
 その気づきがあってから、成果につながる「行動の品質」を高める方法をお伝えするセミナーや講座を年間100回ペースで、全国で実施しています。
 ただ、「行動の品質」の重要性を一人でも多くの方にお伝えするには、このペースでは足りません。一生懸命頑張っているのに、やる気が人一倍あるのに、成果につながらない……。そんな人を一人でも多く減らさなければなりません。
 まだお伝えできていない人にお伝えしたい、届けたい。
 そんな思いを込めて書き上げたのが本書です。
この本を読んでくださったあなたには、「行動の品質」の重要性について少なからずお伝えできたと思っています。もし本書の内容があなたの日常に少しでもお役に立てたなら、僕の本望です。
 ここからは1つお願いです。
 もしあなたのまわりに「行動の品質」の重要性に気づいていない方がいらっしゃいましたら、ぜひあなたからその方に教えてあげてください。あなたが伝えてくださり、それが水の波紋のように伝わっていくと思うだけで、とても救われます。
 本書を通じて、あなたに出会えたことに感謝いたします。またいつかどこかで、お会いできることを楽しみにしています。

伊藤さんは、著書『行動の品質』の中で、「行動の品質を高める3つのポイント」(第2章)として次の3つを挙げています。

①最速最短最少で最大最高最適な成果を出すことを最優先で考える
②1つの行動がそれだけで終わらず、良い波紋を広げることを考える
③自分だけでなく、まわりを巻き込もうと考える

それぞれ「具体的にどのようなことなのか」の詳しい解説をはじめ、結果につながる行動の思考法と実践法をわかりやすく解説した新刊『行動の品質』は、年明け1月10日発売開始です。興味のある方はチェックしてみてください。


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