【お盆休みにおすすめの小説】休みの間に人生2周目に突入できるヤバイ本
こんにちは、フォレスト出版編集部の小原です。
8月6日の投稿でも触れましたが、今年の夏休みは遠出をせずにのんびり過ごす人が多いみたいですね。
ということは、
みなさん、本を読みまくれるということですね。
羨ましいな〜。
そこで今回は、ゆっくりとお休みを過ごせる方におすすめの小説をご紹介します。
ジョン・ウィリアムズ・著
東江一紀・訳
『STONER(ストーナー)』(作品社)です。
海外小説というだけで、この記事を離れようとしている方が一定数いることが推察できますが、ちょっと待ってください。
この小説、"人生を一周できる"すごい本なんです。
あらすじとしては、ストーナーという1人の男が田舎を離れて大学に通い、やがて大学の教授になり、家庭を持ち、徐々に老いていき……という、平凡な人間の一生を辿るお話です。
最初は淡々としていてもの寂しい雰囲気なので、挫折しそうになるかもしれません。
ですが、最後まで読むことで、一度、一生を終えることができます。
死ぬ瞬間まで体験することができるんです。
そんな経験ができるなんて、信じられなくないですか。
小説の中で誰かが亡くなるというのは、どのジャンルでもよくある展開です。
しかし、一人の人間の一生から息絶える瞬間まで全てを追体験したことはないのではないでしょうか。
ありそうでなかった、斬新で貴重な作品です。
おそらく、皆さん読んだ感想を一言でまとめるのは難しいと思います。
「一生過ごしてみて、感想は?」と聞かれても困りますよね。
私はこれを読み終えた瞬間、「一生が終わってしまった……。あれ、でも自分の生きている現実世界は続いている……」と、物語の現実のあいだを彷徨ってしばらく混乱しました。
しかしそのうちに、「やばい!生きなきゃ!」と、とてつもない生命力が湧いてきたんです。
読書の醍醐味は「へ~」「えーっ!」「なるほどな」などと、感情が動かされることにあると思うのですが、
『STONER』は、これまで読んだ本の中でもっともダイナミックに感情を動かされました。
そしてその感覚は、読んで1年ほど経った今でも忘れることができません。
この感動を多くの人に味わってほしいと思い、ことあるごとにこの小説を人に勧めているのですが、読んでくれたという人はあまりおらず……。
ぜひ、私の紹介によってこの本を読んでくれる第一号になってください。
日本とは別世界の風景描写も魅力的で、旅行に行ったような気分が味わえます。その点でも、夏休みのタイミングにぴったりだと思います。
私が書籍を編集する際にも、こういった感動や衝撃をたくさんの読者に与えたいなあと思い、仕事のやる気にもつながりました。
今回もおすすめの小説を紹介させていただきました。
それでは、お休みの方もお仕事の方も、よい夏をお過ごしください。
小原