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「本づくり」と「企画づくり」の舞台裏

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フォレスト出版の編集者が、どのように企画を立て、どのように本づくりをしているのかをリアルに語ります。
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#345【出版の裏側】編集者がこだわる文字・書体

このnoteは2022年3月8日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。 明朝体とゴシック体の違い土屋:皆さん、こんにちは。フォレスト出版チャンネルのパーソナリティーを務める土屋芳輝です。本日は、編集部の森上さんと寺崎さんとともにお伝えしていきます。今日のテーマは「編集者がこだわる文字・書体」ということで、マニアックな話になりそうですが……。 寺崎:そうですね。マニアックですね。 森上:以前、紙の話を

書籍編集者が「これだけは譲れない」と思うポイント

フォレスト出版編集部の寺崎です。 さきほど、Voicyのハッシュタグ企画「これだけは譲れない」をテーマに収録をしました(明日8月2日に放送されます)。 Voicy「フォレスト出版チャンネル」は出版社の編集の立場からの発信というものを意識しており、正確には「書籍編集者としてこれだけは譲れない」というテーマになるかと思います。 せっかくなので(担当新刊がなくてnoteに書くネタがないので)、Voicyで話したことをここで改めてまとめてみたいと思います。 これだけは譲れない

【出版の裏側】編集者に向いてる人・向いてない人

フォレスト出版編集部の寺崎です。 今日は土曜日の記事の続きです。 土曜日の記事はこちら↓ いま、なぜこうした先輩編集者の著書を読み返しているかというと、すでに在籍している編集職を志望する学生インターンを皮切りに、今月から未経験者採用での新人が入社するという事態となり、書籍編集者という仕事を俯瞰して眺め、後輩に伝えるべきポイントを整理しているところだったからです。 そこで私が選んだ教科書が、駆け出しの当時に影響を受けた本である『編集とはどのような仕事なのか』(鷲尾賢也・

【出版の裏側】「編集者」の定義がむずかしい件

この一文が好きです。 これは講談社で活躍した鷲尾賢也さんという編集者が書いた『編集とはどのような仕事なのか』(トランスビュー)という本の一節。 いま手元にあるのは2004年初版のもの。 10年後に新版が出ているようです。 編集者向け(しかも書籍編集者!)ということで、きわめて読者対象が狭いため、ベストセラーにはなりにくい。しかしながら、版を重ねて商品としていまなお流通しているところが嬉しいですね。 それもそのはず。 これほど「編集者」というものの本質をとらえ、エピ

編集者がこだわる文字・書体

フォレスト出版編集部の寺崎です。 先日、編集者がこだわる「紙」というテーマで記事を書きましたが、今日は「文字」をテーマに考えてみたいと思います。 読み物が中心の編集者の場合、とにかく「文字」を読むことが仕事です。年間の刊行点数×校正回数をザっと計算したら、年間300万文字前後は読んでいることになるでしょうか。 WORDで編集している段階はMS明朝、MSゴシックとか、とくにこだわりなく設定していますが、これを書籍に仕立てる段階に「文字をどうするか」という問題が立ちはだかり

DaiGo氏発言から考える「著者が著者たるにふさわしいかどうか」を出版社はどう判断するのか

編集部の稲川です。 今週は正直、まいりました。 今、世間がみな糾弾している「DaiGo氏発言」です。 彼の人権差別発言は、250万人がチャンネル登録をしているYouTubeの影響力が大きすぎて、世間のみならず広い人脈を持つ角界にも波紋が広がっています。 何を隠そう、多くの著作がある出版界にも影響が及んでいます。 弊社は氏の書籍を発行していないものの、唯一、氏がマーケティングのバイブルだと称して推薦を寄せた本があるのです。 その本が、『シュガーマンのマーケティング30の

業界用語の基礎知識【出版編】

フォレスト出版編集部の寺崎です。 どの業界にも「業界用語」と呼ばれるものがあるかと思いますが、出版業界もご多分に漏れません。 今日はそんな業界用語の【出版業界編】を開陳してまいりたいと思います。 ※一般的にはまったくタメにならない情報なので、モノ好きな方以外はブラウザの閉じるボタンを押していただいたほうがよいかもしれません。 「ゲラ」という言葉の語源が想像以上に深かったまずは「ゲラ」です。 ゲラというのは、デザインの固まった紙面レイアウトに文字を流し込んで、図版やイ

【秘密漏洩!?】編集者が本音で語る「出版企画&本づくり」の裏側|プレイリスト

こんにちは。 フォレスト出版編集部の森上です。 キンコン西野さん、ホリエモンさん、ちきりんさん、イケハヤさん、茂木健一郎さん、はあちゅうさん、勝間和代さん、ワーママはるさん……などなど、感度の高い方々が次々と個人チャンネルを開設している、今、一番ホットな音声メディア「Voicy」。 そんな「Voicy」にて弊社も【フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ】を開設し、昨年11月16日からスタート。以来、土日を除く平日毎朝配信し、先週金曜(1/22)時点で配信50回と

編集者の「書店」活用法

こんにちは。 フォレスト出版編集部の森上です。 本好きの方なら誰でも、居心地のいい書店、好きな書店、定期的に足を運ぶ書店など、行きつけの書店は1軒や2軒はあるのではないでしょうか。それは、生活エリアやライフスタイルが変わるとともに、書店体験も変わっていくものです。 書店体験は人それぞれだと思いますが、私も高校時代までは地元の書店で、好きなノンフィクション系作品や雑誌(1990年代は雑誌が元気でした)を「読者の一人」として隅から隅までチェックしながら、気になったものを買い漁

編集者が「本を売る」ためにやっていること

こんにちは。 フォレスト出版編集部の森上です。 書籍編集者の基本的な仕事は、企画を立てて、本をつくることです。ただ、出版社によって異なりますが、担当編集者が校了後、もしくは本づくり(編集業務)と並行して、本を売るために準備していること、やっていることがあります。 出版業界における最近の新しい取り組みとして、著者がクラウドファンディングを立ち上げて(編集者が裏で協力しながら)、事前に見込み読者を集めるといった活動を見聞きしたことがある方もいるでしょう。弊社ではまだやったこと

【Voicy】知恵の木を植えるラジオ、はじめました。

こんにちは。 フォレスト出版編集部の森上です。 突然ですが、お知らせです。 弊社は、注目のボイスメディア「Voicy」にて、フォレスト出版の公式チャンネル【フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ】を開設、本日、第1回目の放送を配信しました。 ▼フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ 「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」では、平日の朝に、社内の編集者やプロデューサー、出版関係者、著者本人が【旬のコンテンツ情報】はもとより、【本づくり・

【企画会議 #4】書籍企画の立て方(後編)

こんにちは。 フォレスト出版編集部の森上です。 前回に引き続き、「書籍企画を立案するときに、編集者が意識しているポイント」について、全15項目のうち残り11項目をそれぞれ解説します。

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【企画会議 #3】書籍企画の立て方(前編)

こんにちは。 フォレスト出版編集部の森上です。 この場を借りて書かせていただいている個人連載【企画会議】も3回目となりました。 1回目は弊社の「企画会議の進め方」について、2回目では弊社の「企画書フォーマット」について書きました。いずれも、多少の個人的な見解を交えつつも、弊社オフィシャル感の強いものでしたが、今回のテーマ「企画の立て方」は、あくまで「個人的な経験から見いだした見解や方法である」という前提で読み進めていただけましたら幸いです。 というのも、企画の立て方や発

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【企画会議 #2】弊社の企画書フォーマットを公開します。

こんにちは。 フォレスト出版編集部の森上です。 前回の記事では、弊社の「企画会議」について書きました。 今回は、企画会議に各編集者が持ち寄る企画書では「どんな情報が求められるのか?」。いわゆる「企画書フォーマット」についてお伝えしたいと思います。 当然ながら、企画書フォーマットは、出版社によって異なります。 ここでお伝えするのは、弊社の会議で検討する際、企画書に求められる必要最低限の要素項目であると思ってお読みいただければ幸いです。 ※2020年5月時点の弊社の企画書

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