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西川材でつくるキッズチェアは「やわらかさ」が特色〜木製家具工房コサカクラフトを訪ねて〜

西武池袋線飯能駅から徒歩10分ほど。戸建て住宅が並ぶ川寺地区に工房を構えるコサカクラフトは、木製家具を製造販売する家具工房です。ここ数年はオーダー家具だけでなく、スツールやローテーブルなど定番商品や雑貨、地元の西川材を使って子ども向けのオリジナル家具も作っています。家具職人・小坂基さんに飯能でつくる木製家具の魅力を伺いました。

普段使いの家具雑貨の魅力を伝えたい

椅子のロゴが目印のコサカクラフト

−まずはじめに、どのような商品を作っているのか伺えますか?
 
7年前にこの場所に工場を借り受けて、オーダー家具を作っています。今年からはオーダーだけではなくオリジナル家具をブランディングして、百貨店やマルシェ、クラフトイベントで販売しています。家具だけでなく、カトラリーなどの雑貨も作っています。こだわりは無垢材を使っていることですね。

ショールームにはオリジナル商品が並んでいます。

−材料はどのような木材を使用しているのでしょうか?
 
ブラックチェリー、ホワイトオーク、ウォールナット、ホワイトアッシュなど、主には輸入の広葉樹を使用しています。最近では飯能のスギ・ヒノキでキッズチェアとキッズデスクも作っています。

材料のサンプル

−どういった経緯で飯能に工房を構えたのでしょうか?
 
妻が市内の私立中高一貫校・自由の森学園の出身で、この地域には鉄工や大工をしている知人がいましたし、私が学んだ職業訓練校も川越にあって先輩もいたので、相談できる人たちがいる埼玉県西部地域で開業したいと思っていました。1年ほど場所を探していたんですが、音や広さの問題もクリアできて街からも近い、好条件の物件に偶々出会ってここに工房を構えました。元は大工さんが木材を加工する作業場として使っていた場所ですが、製材所で木材を加工して出荷するプレカットが普及して作業場が不要になったとのことで、ちょうどタイミングが合って借りることができました。
 
−木工を仕事にするやりがいは、どのようなところにありますか?
 
ものづくりが大好きで、お客さんの要望を形にすることに喜びを感じます。
また、本物の木でなくても木目調のプリントも色々なところにありますし、人間には木に囲まれて暮らしたいという欲求があるのではないかと思います。だからこそ、無垢の木を使った普段使いの家具・雑貨を沢山の人に使ってもらいたいと考えています。

木材を裁断する機械を前に使い方を説明いただきました。

飯能産材で家具をつくる魅力

キッズデスクとキッズチェア

−飯能産の西川材で子ども向けの家具を作られているとのことですが、詳しく教えていただけますか?
 
飯能に工房を構えているので地場の木材を使って家具をつくろうと思ったのですが、スギやヒノキは広葉樹と比べると柔らかくて傷がつきやすく、構造的にも弱いので家具には向かないんですよね。そこで柔らかさを逆手に取って目をつけたのが子ども用のキッズデスクとキッズチェアでした。木目が綺麗な材を選んで、脚はヒノキで、座面はより柔らかいスギ材を使っています。
こちらはオリジナル商品として販売をしていて、飯能市のふるさと納税の返礼品にもなっていますし、飯能市商工会議所が地域特産品に認定する「飯能ブランドDÄINE」の認定も受けています。

制作中のキッズチェア

−家具職人の立場で、西川材の特徴はどのような点にあるとお考えですか?
 
西川材はいわゆる銘木ではなく、一般的な材木です。だからこそ、それを使って、可愛らしいものを生み出していければと考えています。

−林業や製材業の方とはどのようなお付き合いをされているのでしょうか?
 
材木は株式会社フォレスト西川さんをはじめ、地元の材木屋さんから仕入れています。木の挽き方や製材の方法などを直接聞けるのが面白いですね。この木は樹齢何年だとか、この材はこういった特徴があるからこう使ったらいいだとか、実務的なことを聞くと勉強になります。

−今後の飯能の林業や森林に期待することはありますか?
 
山の活動についてはこれから学んでいければと思うのですが、特に広葉樹については掘り下げたいですね。飯能にはケヤキ専門の材木屋さんがあると聞いていますし、市内には針葉樹の人工林だけでなく、紅葉の美しい雑木林の里山も広がっています。そうした森の広葉樹が活用できれば、家具作りの幅も広がるのではないかと思います。

(取材:オオタケユウスケ)

▶︎コサカクラフト

コサカクラフトは家具を作る工房です。 お客様のご要望に応じたオーダー家具とオリジナル家具を作っています。 家具、作り付けの収納、建具、什器、カトラリー、雑貨など、様々な木製品を作ることができます。 家具店、個人工房などで修行した経験豊富な家具職人が製作しています。

WEB: https://kosakacraft.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/kosakacraft

▶︎「はんのう森林プラットフォーム」

「江戸(東京)の西の川からくる木材」としてその名が付いた「西川材」は、飯能市と隣接する日高市、毛呂山町、越生町にまたがる西川林業地の名産品で、2009 年には地域ブランドとして商標登録されました。私たちは、江戸時代から現在に至るまで、飯能のまちづくりを支えてきた飯能の森林を次世代へ、さらに有益なかたちで繋げるプロジェクトを担う、新たな人材を求めています。
この「はんのう森林プラットフォーム」は、飯能の森林に携わる林業家や山主、企業や公的機関とともに、持続可能な森林活用を目指し、新しい枠組みを構築するネットワークをつくります。飯能の森林・林業に関する様々な情報を掲載していくほか、市内外の方に向けたイベント情報やエコツアー情報など、森に関わる素敵なニュースを随時発信していきます。

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