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地方出身者にとったら東京の大学に進学することがもう留学なのだ

私は九州の西海岸・熊本出身で、大学時代に京都に住んでから、その後は奈良、愛知、東京、スイスと生活の拠点を移してきて今はデンマークの大学で研究者として生計を立てている。

最近ポッドキャスト『研エンの仲』を聴いていたら興味深いやりとりがあった。

「東京出身の人がナチュラルに海外を目指すのと、地方から出て東京に来た人がそこからさらにまた留学を考えるのはまた別な気がする」

研エンの仲 #96 上京ものがたり (32'22")

これには膝を打った。確かにそうだ。住み慣れた土地(多くの場合は家族と長年住んだ地域)を離れて国内であれ別の文化圏に引っ越すことは、海外留学や海外転勤するのと変わらない大変さが時にはある。

九州から関西、関西から中部、中部から関東へと引っ越して異なる文化圏に住むのは多少ストレスがあった。ただ、これまで私はスイスに2年、デンマークに2ヶ月(現在進行中)住んでみたが、ほとんどストレスを意識しなかった。それは熊本から出てきて他県に住んだ経験が大きいと思う。
国内他県に引っ越すと、周りの人が日本語を話し同じ日本人であるにも関わらず○○してくれない、みたいな不満が出てきやすい。一方で、欧州だとそもそも文化も違うし、他人の行動に対して簡単に諦めがつくのでストレスを感じにくいのかもしれない。

よく米国に住んでる人が、「日本より米国のXXなところが良い」みたいなことをTwitterに投稿しているのがTLに流れてくるが、心の中で「それは日本の何県から米国の何州に引越した感想なのか教えてくれ!」と思ってしまう。
日本国内でも、地域によって合う合わないはあるし、ストレスの大小が異なると思う。熊本から福岡や長崎に引っ越すのと、熊本から京都や大阪に引っ越すのとでは感じ方が違うだろうと想像する。

さて、話を海外留学・海外勤務に移そう。
個人的な感想としては30代・40代で海外(欧州)に住むのは精神的に楽だ。海外ポスドク博士研究員生活は国内の人が思うほど「挑戦」でもなんでもない。通常の国内ポスドクとなんらやることはかわらない。
だからといって、みんな海外でポスドクすべきだと書いてこの文章を締めるつもりもないし、海外に行かなくても日本で同じ経験が出来ると書くつもりもない。

では最後の締めに言いたいこと・・・それは私にはわからない。わからないからこそ締めの言葉を必死に考えながらいまこの行を書いている。どうやってこういう文章を締めるのが良いのだろうか、と思案しながらただキーボードを打ち込んでいるだけの最後のこの文章まで読んでいただきありがたい。「ここまで読んでいただきありがとうございました」だなんて普通すぎて締めとしては弱い。そんなことを思いながら九州の西海岸くまもと出身の私は「どぎゃんやってしめたらよかつかわからん」と一人熊本弁でつぶやきながら、そろそろ句点を打って文章を終わらせてしまえばいいよなと思う次第であるマル

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