夏【歌詞】

一目見て落ちるって、こういうことか

君と夏

蝉(せみ)の鳴き声が僕の耳に五月蝿(うるさ)いくらいに纏(まと)わり付く

君の眼が僕をすり抜けて、遠くを見てた

僕はこの君の世界でエキストラ扱い

モブがヒロインに恋をしても結ばれる確率数0%

これは君の物語

僕の物語では無い

ひとり寂しくて、ふぅって溜め息する

この物語は何から始めれば良いのかな


いつも君は窓から遠くを見てる

そんな君を僕はまた遠くから見てる

迷い込んだ犬を見てるようだ

君の夏は青空で飛行機雲がチンタラ流れてる

夏の砂埃(すなぼこり)の乾いた匂い

突然、走り出す君に

大人になったら、これ出来無いやつって思いながら

片手頬に掛けてたのを止(や)めて

僕も走り出す

モブでも君に追い付きたい

この映画はきっと君の物語


僕の物語はスピンオフ100回やってもやらない物語

スカートひらり、君は気にせず走り出してる

言葉も無い配役のモブは何も喋らない

後ろも振り向かずただひたすら真っすぐ走り出す

君が後ろを振り返った

瞬間的に眼と眼が合った

勿論、すぐ前を向いて、数秒くらいの出来事

僕の胸は湧(わ)いた、トキメキに

尊死(とうとし=キュン死)しそうなくらい


一目見て落ちるって、こういうことか

君と夏

僕の胸は未だに心臓が走ってなのか君のせいか

ドキドキが止まらなくて、動脈が早い

君がシンデレラなら僕はカボチャ扱い

モブがヒロインに恋をしても結ばれる確率数0%

これは君の疾走

僕は脇役すらなれない

なのに無駄に走り出した、好きの為(な)せる技

この物語は何から始めれば良いのかな


何だか君は僕を試すかのように

右左、階段昇る下るを繰り返しだした

不思議の国に迷い込んだような僕

僕の夏は何だかわからないけど入道雲みたい

君の体温かな、甘い香り

突然、止まり出す君に

僕の頭はショート寸前、逃げ出したんだって、おい!

今度は君が追い掛けてくる意味不(いみふ)

僕全速力出す

モブの最大級の一生懸命

この映画は多分君の物語?


僕はエキストラでモブで絶対ヒーローにはなれない配役

真剣な顔して、君は僕を追い掛けてくるんだ

必死の僕は何故走ってるのかわからない

後ろも振り向かずただひたすら真っすぐ走ってる

君の手が僕の肩を捕まえた

背中がビクンってなった

無論、怖くて後ろを振り向けないくらいの緊急事態

僕の胸は止まりそうなくらい、高鳴る

この後の物語はご想像に

お任せします


涼しい風が流れて

冷や汗がひんやり涼しい

この物語は誰の物語?

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