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【子ども理解】気持ちを切り替えられない3つの理由

どうも、主任やまもです。

幼稚園教諭をしたり、大学で講義をしたり、主任やまもの園内研修室を運営したりしています。

今日のテーマは、気になる子どもの行動から「切り替え」について書きます。大事なことなので、これから何回も何年も話していくことになります。聞いたことある人は確認のつもりで読んでください。


「切り替え」が必要な場面

生活をしている中で、切り替えが必要な場面はいくつもあります。

テレビを見ていて「ご飯だよー」と言われた時。同じく「お風呂入りなさーい」と言われた時。出かけるからおもちゃを片付けて準備を始める時も切り替えです。親と口喧嘩した後も切り替えが必要です。ちなみにこの場合は、親も子どもも切り替えが必要です。

要は、やることが変わった時は切り替え場面です。また、気持ちが崩れた時に立て直すのも切り替え場面です。

【脱線します】大人も切り替え場面が多いです。テレビからお風呂の切り替えでいうと子どもと同じです。ついついテレビを見てお風呂が冷めちゃうなんてことも…。YouTubeやSNSを見るのをやめる時も切り替えです。すぐに止められますか?私は最近ずるずる見てしまう期に突入してしまい、最悪です。子どもの見本に全然なれません。【ここまで脱線】


「切り替え」が難しい子の困りを解説

では、そんな切り替え場面でつまづく子どもを考えてみます。

例えば、園庭遊びから保育室に戻る切り替え場面。

笛がピーっと鳴ったり、片づけソングが流れたりする園が多いと思われますが、それが聞こえた瞬間に「イヤーーー!!」と泣き叫ぶ子ども。静かに遊び続ける子ども。

いませんか? いますよね。

大人からは「切り替えのできない困った子ども」と評価をされます。この時の「困った」の主語は誰ですか?子どもです。ここを大人と思っていてはいけません。

では、切り替えが上手くいかない原因を考えます。

「この子が切り替えができないから」

これが原因だと考えた場合、解決方法は子どもがスムーズに切り替えられるようになるのを待つ、しかありません。あまり得策ではないです。


そもそも、

「この子が切り替えができない」というのは原因ではなく現在の状態です。この状態を大人が瞬間的に変えることはできません。叱責しても園庭に置いていっても切り替えができるようにはなりません。

なので、

注目すべき点は「切り替えができない子ども」にどんなヒントやプレゼントを渡したら切り替えがしやすいか、です。

5分前に個別に声をかけておく、なんてのは良い案です。事前に知らせておくと、その瞬間に気持ちの切り替えが少し始まるからです。

そうです、切り替えができない子どもの本当の理解の仕方は、

 ①周りの子どもよりも切り替えるのに時間がかかる

 ②自分を納得させるのに時間がかかる。もしくは難しい

 ③負の気持ちや出来事から離れられない

の三点に集約できます。

5分前に伝えることで、時間をかけて気持ちの切り替えができます。ですが、この方法が効かない子どももいます。その子の原因は①ではなく②や③かもしれないです。その時は対応を変えます。

例えば「保育室で○○の手伝いをしてほしいんだけれど、いい?」

この声かけは③の原因への対応で私がよく使います。原因(園庭遊びが中断された負の気持ち)を次の活動(お手伝い)に切り替えられるように援助しています。将来的に子ども自身で切り替えられるように、上手く切り替えられる経験を積んでいるという捉えです。この経験なしに「時間だから仕方ない。切り替えなさい」とするのは、いささか乱暴です。


友だちとトラブルがあった時も、家で怒られてから登園した時も、チャックがうまくできなかった時も、色んな事で子どもの気持ちは崩れます。その立て直しの原因を理解して、その時のその子に合った援助をしていきたいものですね。


まとめ

もう一度言います。

切り替えができない子どもの本当の理解の仕方は、

 ①周りの子どもよりも切り替えるのに時間がかかる

 ②自分を納得させるのに時間がかかる。もしくは難しい

 ③負の気持ちや出来事から離れられない


何度も言いますが、子どもの現状を瞬間的に変えることはできません。

なので、子どもが自分で納得するのを「待つ」か「切り替える方法やヒントをあげる」か「気持ちを違う話題に引き離す」かを選択して助けてあげてください。間違っても「仕方ないでしょ」の言葉で終わらせないでください。

正直、何も解決しません。

よろしくお願いします。

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