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プロになるために捨てたもの

「そんなに甘くないよ」

僕がJリーガーを志した頃、当時の指導者から、こう言われました。

文章にすると冷たいようにも受け取れますが、今考えても、これは僕に覚悟を持って取り組ませるための愛情たっぷりの助言だったように思います。

この言葉の通り、プロになるまでの道のりは決して簡単なものではありませんでした。

振り返ると、プロになるために、僕は沢山のものを諦め、自分に必要なことを取捨選択してきたような気がします。

別に、それほどまでしてプロ選手を志した自分が凄いんだと言いたいわけでもなければ、それが僕の人生にとって最良の選択だったのかは、人生を終えてみなければ分かりません。

ただ、少なくとも今のJリーガーとしての自分はそれらの選択の結果であり、捨てたものと引き換えに得た職業だということは間違いありません。

もし僕が天性の才能の持ち主で、類稀な能力を元々兼ね備えていたとしたら、何も犠牲にすることなく、易々とJリーガーになっていたのかもしれませんし、そういう選手も中にはいるでしょう。

でも、僕はそうではありませんでした。

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