選手と監督の距離感
怖い監督。優しい監督。
威厳のある監督。フレンドリーな監督。
色々な監督が存在する。
アマチュアチームであろうが
プロチームであろうがそれは同じだ。
選手と監督はどのような距離感で接するべきなのか。
この問いに正解はないだろう。
チームの雰囲気、選手の特徴、信頼関係と
様々な要素によって最適な距離感は変化する。
その上で、
僕が考える " 選手と監督の適切 " な距離感について、選手の目線から話そうと思う。
学生時代はもちろん、
プロになってからも色んな監督と仕事をした。
シーズン途中の監督交代も経験している。
結論から言うと、
" 近すぎず、遠すぎず " の程よい距離感が
ベストだと思う。
時々、どちらかに振り切った意見も耳にすることがあるが、僕はそれはイマイチだと思う。
近すぎる場合と、遠すぎる場合の
メリット・デメリットを順に考えてみる。
まず、
近すぎると空気感がフワッとすることが多い。
思ったことを伝えやすく、コミュニケーションが測りやすいというメリットもあるが、その役割は他のコーチが担えばいいと思っている。
個人的な意見として、
やはり監督は『ボス』であってほしい。
なんでも伝えられる関係は
時には越権行為的な発言に至るリスクもある。
選手の主体性はとても重要だが、
最終的に結果に対して責任を取るのは
監督になってしまう。
選手はいくら責任を感じても
どうにもできないもどかしさがある。
であれば、やはりチームの方向性、戦術は
監督が目指すものを選手が体現しなければならない。
それが
例え自分の得意とするプレーでなくてもだ。
選手がこの現実を受け止めてプレーするには
どうしても一定の距離感が必要だと思う。
反対に、遠すぎる場合を考えてみる。
心の距離がありすぎると、威厳は保たれやすい側面がある一方で、信頼関係が生まれにくい。
監督を漢にしよう、とか
あの人についていけば大丈夫だ、というような
強固な信頼関係がなかなか築けない。
試合中の得点時に、監督のいるベンチに駆け寄るシーンなんかをみると、案外チームの中における監督の立ち位置が見えてくるなんてこともある。
" いやいや、結局その人のさじ加減じゃん。"
と思った人もいるだろう。
まさにその通りなのだ。
冒頭にも申し上げた通り、正解はない。
ただ、どちらかに偏るのではなく
" ちょうどいい " 距離感が大切なのだ。
選手と監督の距離感というと
監督が一方的に測るモノだという認識が強いが
選手側からも調整は効く。
選手側も、
自分のキャラクターやスタンスを自覚して
監督との適切な距離を保つ努力が必要ではないかと思う。
そうすることで、
チームの中で自分を生かすことにも繋がるだろう。
監督も人間だ。
好き嫌いもあれば、得意不得意もある。
選手はそれを注意深く察知し、
こちら側からアクションを起こすことだって
あっていいと思う。
それで、チームがより良い方向に向かうならば。
監督が選手を理解することは重要だが
選手が監督を理解することもまた、重要である。
双方がお互いに意識し合って
適度な緊張感のある、それでいてコミュニケーションが密に取れるチームの雰囲気がベストではないか。
そういう理想のチームを目指して
これからも自分が出来ることに
全力を注いでいこうと思う。
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