日本と関わりもある⁉ クラブ・レオン
メキシコには日本人が非常に多い。
自動車関連などの日系企業のメキシコ進出が大きく影響しているという。
その中で、日本人が特に多いとされているのが、グアナファト州。
メキシコ中部にある州都のグアナファト市の街並みは非常にカラフルで、市街地全体が世界遺産に登録されている。ディズニー映画「リメンバー・ミー」の舞台としても有名で、メキシコを代表とする都市の１つだ。
そんなグアナファト市中心部から車で1時間、州内最大都市レオン市がある。この街を中心に日本人在住者が多い。人口約170万人で、中心部には、在レオン日本国総領事館が開設されている。
日本とも交流がある緑のクラブ
この街を本拠地とするサッカーチームがクラブ・レオン。
レオンは、これまでに多くのタイトルを獲得したことがあるメキシコの名門クラブの1つだ。
熱いサポーターが多く、「The メキシコのクラブ」という雰囲気を感じるクラブである。
今回、レオンはFIFAクラブワールドカップ初戦で、日本の浦和レッズと対戦するのだが、実は、近年日本との関わりが多いチームでもある。
昨年2022年夏には、レオンユースが広島で行われた大会に参加し、サンフレッチェ広島ユース、U‐17日本代表と対戦した。
また、今年９月には、マツダとスポンサー契約を交わしている。
ホームタウンに日本人が多いこともあり、日本との関わりも深いようだ。
今回のクラブワールドカップの組み合わせは、何か日本との縁を感じるものがある。
レオンの今シーズンの戦い
クラブワールドカップの浦和レッズの試合を目前にして、対戦相手のクラブ・レオンがどういったチームなのかと気になっている人は多いのではないだろうか。
どんな選手がいるのか、国内リーグ戦ではどのような戦いをしているのかについて書いてみたい。
レオンは、今シーズン国内リーグ前期（アペルトゥーラ）を18チーム中8位で終えた。その後、アペルトゥーラ王者を決めるプレーオフ（リーグ順位1位～8位が出場できる）では、クラブアメリカと対戦し、2戦合計2対4。惜しくも負けてしまったが、第1戦のレオンのホームでは、リーグ戦首位を独走したクラブアメリカ相手に、2対2の引き分けで終えるなど互角の戦いをした。
順位としては、8位とリーグ中位であったが、無得点の試合は17試合中3試合のみ。また、今シーズン1度も連敗していないなど、メキシコリーグの中で安定した戦いができているチームの１つである。
チームを支えるベテランと新戦力
そんなレオンの注目選手を3選手ピックアップしてみた。
紹介するのは、背番号13番アンヘル・メナ、30番ロドルフォ・コタ、18番フェデリコ・ビニャスの3選手。
アンヘル・メナは、エクアドル出身の35歳。トップ下もしくはサイドから得意の左足でゴールを生み出す。2019年からレオンに加入し、6シーズンでここまで76得点44アシストを記録。多くのタイトルをレオンにもたらしたレオンを語る上でかかせないベテランだ。
ロドルフォ・コタは、レオンの守護神。メキシコ代表選出経験を持つ36歳のシュートへの反応の鋭さは、国内トップクラス。抜群の安定感で好セーブを連発する。
レッズの守護神・西川周作選手とは1歳差。共にチームの守護神、ベテラン、そしてリーグを代表する選手と共通点が多い。ゴールキーパー対決にも注目だ。
フェデリコ・ビニャスは、今年加入した25歳のストライカー。ここまで、チーム最多の8得点を記録するなど、すでにチームのエースの座を確立している。
ボックス内でのポジショニングに優れ、クロスからの得点が多い。ディフェンダーの背後を取るプレーは際立っている。先月はウルグアイ代表デビューも果たし、レオンで最も波に乗っている選手と言えるだろう。
このようにレオンは、ベテラン、若手、新戦力を上手く融合したチームであり、他にも非常に良い選手が多く揃っている。ぜひこの3選手を中心に注目してみてほしい。
現地メディアのレッズ戦に対するコメント
今回の試合にあたって、浦和レッズの紹介をする記事が多いようだ。
クラブの歴史、日本国内で名門クラブであること、熱狂的なサポーターが多いこと、酒井宏樹選手や中島翔哉選手といったヨーロッパや日本代表で活躍した選手が所属していること．．．などなど様々な視点からレッズを紹介していた。
試合に対する記事の内容としては、
"El partido entre Club León y Urawa Red Diamonds es un encuentro muy interesante que puede ser muy emocionante. León es el favorito para ganar, pero Urawa Red Diamonds tiene la capacidad de la sorpresa."
「クラブレオンと浦和レッズの試合は、非常に興味深く、興奮するだろう。レオンが有力ですが、浦和レッズが勝つ可能性も大いにある。」
"El Club León tiene su presentación a nivel internacional en el Mundial de Clubes ante el Urawa Reds de Japón, campeón de la Champions League Asiática, por lo cual será un partido complicado, a diferencia de lo que muchos aficionados y expertos creen, ya que es un equipo bastante intenso, con buen toque de balón y muy vertical."
「クラブワールドカップでレオンの前に立ちはだかるのは、アジア王者の浦和レッズ。この試合は、レオンのサポーターや解説者の予想とは違い、厳しい戦いになるだろう。浦和レッズは、アグレッシブで技術が高く、素早い攻撃を仕掛けてくる。」
というように、レオンの勝利を願いながらも、レッズのレベルの高さを強調している。
日本のクラブ対メキシコのクラブ
滅多に見られない対戦を見れるのは、クラブワールドカップならではの魅力だ。試合を見る前に、ここに書いたクラブレオンの情報が少しでも理解してもらえれば嬉しい。
両チームがどのような戦いを魅せてくれるのか楽しみだ。
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