情報が多いと身動きは取れない
試合中に見なければいけないものは沢山あります。
ボール、味方、相手。立ち位置によってはゴールやラインなども。
そして、考えないといけないことは更にあります。
ドリブル(どこに運ぶ?)
パス(誰に出す?スペースに出す?)
トラップ(どこに止める?)
シュート(どこから狙う?味方に打たせる?)
挙げ始めたらキリがないですね。
試合中にこれらの情報を一斉に子どもたちに伝えたら果たしてどうなるでしょうか?
絶対パニックになりますよね?
でも、我々指導者はそれをしてしまっています。
試合を行うにあたり、トレーニングで上手く伝えることができていません。
子どもたちが試合中に判断が遅れたり、ボールロストしてしまうのは指導者の責任です。
それはスキルの問題だろ?と思われる方もいらっしゃるでしょうが、それは半分正解で、半分間違いです。
頭の中を複雑化してしまい、考えることが増えてしまうと判断が遅れます。
選択肢を複数持たせることは必要ですが、小学生に多くを与え過ぎてしまうと考えることに意識が行きすぎて、ボールに集中できずにミスが生まれます。
つまり、情報が多すぎると身動きが取れないのです。
では、子どもたちのどのようにして指導していけば良いか。
指導者の仕事を始めて20年が経ち、思考錯誤して思うのは、
“ディフェンスを動かすにはどうすれば良いのか?を考える”
というのが大きなテーマとして取り組んでいくものだと思っています。
そして、そのためには以下のようなことが必要となってきます。
ディフェンスの予測の逆を取ること。
攻撃のスピードを変化させること。
人とボールを常に動かすこと。
決断のスピードを速めること
そう考えるとダイレクトで狙った所にボールを蹴れるスキルはもちろん、正確なボールコントロール、素早いドリブルが必要になってきます。
戦術理解も当然ながら必要です。
だからと言ってワンツー、パラレラ、ヘドンドなど何を使えば良いのかという話ではなく、もっとシンプルに考えて、正しいポジションにいる相手を誤ったポジションに動かすためにどうすれば良いのか?ということを考えさせるのです。
もちろん、そのために何をしないといけないのかという話をするとそこから細分化していく作業となりますが、この細分化した部分をメインに子どもたちに伝えようとする指導者が多いと感じます。
まずは目的を大枠で伝えることで明確にしてあげることが大切です。
子どもたちは大人が思っている以上に考えてプレーしようとしています。
まずは自分たちでアイディアを出させてその細分化したアクションに到達させてこそ、試合で生きてくるスキルが身に付くのではないでしょうか?
…と最近はトレーニングを作るにあたって考えるようになりました。
簡単に伝えて、複雑なことができるようになっていく。
そのためにどのようなアプローチをすれば表現できるのかをトレーニングに落とし込むようにしています。
皆さんは日々のトレーニング作成で何を考えて作っていますか?