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ドイツ後半_なぜ逆転できたのか

日本の戦術変更

次は後半です。前半の記事を見たい方や用語が分からない方はこちら。

日本は後半に3-4-3に変えました。
結果、まず守備が大きく改善されました。

5バック気味にすることで日本(青)の守備の5枚とドイツ(赤)の前線の5枚が噛み合います。結果、ドイツ(赤)の前線の5枚がボールをもらいに動いた時に日本(青)の守備がそれを追って潰せるようになりました。板倉選手がムシアラ選手を潰していた場面が何度かありました(多くはファールでしたが)。
日本(青)のボランチ(DH)や前線の3枚も後ろを気にせず、前向きにプレッシャーをかけられるようになりました。高い位置でボールが取れるようになり、日本が攻め込むことが増えました。

攻撃時に2-3-5や3-2-5になるポゼッション型の強豪チーム(シティなど)に対し5バックを採用するチームが増えてきていますが、こういう理由があるのかもしれません。

また、パスも繋ぎやすくなり、前半の問題点は大体解消されました。3-4-3となり、自陣でパスの受け手となるCBが1人増えたこと、CB、ボランチ(DH)、WB、WGでダイヤモンドを作りやすくなったことが要因だと考えています。

4局面の考察

後半の4局面は以下のように変わりました。

  • 守備

    • ドイツのボランチと3バックにプレッシャーがかかり、ドイツの攻撃が停滞

    • 高い位置でボールを取れることも多かった

    • ただし、ドイツがポジションを上手く入れ替え、日本のボランチが外に釣り出されて中央でピンチを迎えることがいくつかあった

  • ポジティブトランジション

    • 高い位置でボールを奪った時はウイングに展開

    • 低い位置でボールを奪った時はまずサイドハーフに預け、そこから戻すか更に前のウイングに展開。これも繋げることが多かった

  • 攻撃:サイドからクロスを上げてシュート。クロスはニアが中心だったが、相手CBに対応されがちだった

  • ネガティブトランジション

    • 押し込んだ時は即時奪回にトライ。取れる時もあったが、上手く交わされる場面も

    • 押し込めなかった場合はディレイを優先しつつリトリート

日本が敵陣でボールを持てるようになり、ドイツと互角以上の戦いを見せます。日本は交代でフレッシュな攻撃的な選手を入れ、ドイツがポジショニングの上手い選手を下げたこともあって、どんどん優位になっていきます。最終的に堂安選手と浅野選手の素晴らしいゴールで逆転しました。

ドイツはCLで上位常連のバイエルンの選手が中心です。代表の調子があまり良くないと言っても、世界のトップレベルの強豪、優勝候補と言える存在だったと思います。

そのドイツにW杯で0-1から2-1にして勝利できるとは…日本サッカーの歴史が変わった瞬間だと思います。今後、強豪国でも十分に戦えるという気持ちになれます。本当に感動しました。

忘れてはいけないこと

ただ、これも多数の方が指摘されていますが、前半の出来はかなり悪かったです。ベスト8に向けてここの反省・改善が不可欠だと思います。

次の記事で前半の間に対策を打てなかったか、コスタリカ戦をどう戦うか考えます。


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