football_thinker

サッカー好きで戦術の考察をしています。サッカー経験は中学まで。大人になってからはごく稀…

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サッカー好きで戦術の考察をしています。サッカー経験は中学まで。大人になってからはごく稀にフットサルをしています。競技は下手ですが、近年のサッカー戦術の進化が凄くて戦術考察したくなりました。昔に戦術を学んでたらもっとサッカー楽しかったのかもなぁ、と感じます。

最近の記事

サッカー日本代表動画分析続き_ハイプレス回避考察

前回の記事でサッカー日本代表北朝鮮戦の動画を4つ分析しました。ビルドアップの失敗に共通する要因が見られました 今回は残りの2つのビルドアップ動画を分析しつつ纏めに入ります。残り動画は4つあったのですが、重複が1つ、ボールを奪ったばかりでビルドアップと言えないものが1つあって両方削除しました。残った2つの動画を分析します 仕方なくGKにボールを戻した動画13バック化した時にパスの出しどころがなくなる スローインから田中選手にボールが渡り、田中選手と板倉選手でパス交換を繰り

    • サッカー日本代表動画分析_失敗に再現性が見られる

      北朝鮮戦の反省の続きです。前回の記事で試合全体の反省を書きました。 今回の記事では試合の動画のクリップを使って、個々のシーンごとにどうすれば良かったか考えて行きます。後半開始から選手交代で3バックになるまでの日本のビルドアップ失敗動画を8つクリップしました。再現性のある失敗が見つかっています。 以下の日テレスポーツさんのYouTube動画からクリップを作りました。ホント有難い限り。 では動画分析に入ります。 自陣でのビルドアップ失敗1後ろがかりな中、引き付けも足りずに

      • 北朝鮮戦の課題考察_マンマークをどう回避するか

        マンマークに付かれやすい状況だった北朝鮮戦北朝鮮戦の記事の続きです。改めてフォーメーションは以下の通り。 日本が青で4-2-3-1、北朝鮮が赤で4-4-2でした。日本のトップ下が空きそうに見えますが、トップ下の南野選手は前に残りがちだったので相手のCBがマークに付きやすく、マンマークに近い形でした。ポジションチェンジ無しではフリーの選手が生まれずパスの出しどころが消えそうです。 マンマークを外すにはどうすれば良かったかこの中でマークを外すには以下の工夫が考えられます。

        • 日本対北朝鮮 改善の兆しが見えない…

          日本対北朝鮮。仕事が少し残っていたので集中し切れずでしたが、無理して見なくて良かったかも、というぐらい酷い試合でした。アウェイならまだ分かりますが、ホームでここまで劣勢に立たされるとは…ここ10年ぐらいで最弱の日本代表の姿だったのでは、と感じます。 まず前半から振り返ります。 ちなみに試合のフル動画が以下のURLから見れます。しかも俯瞰視点です。 素晴らしい取り組みだなぁと思います。今後も続いてくれたらとても嬉しいのですが… フィニッシュの精度に欠いた前半 まずはフォ

        サッカー日本代表動画分析続き_ハイプレス回避考察

          イラン前後の守田選手のコメント考察_交代の失敗が原因では

          イラン戦後の守田選手のコメントが結構取り上げられています。 それに対して森保監督がピント外れの回答を返したことも話題になっています。 結構根深い問題だと感じており、何が必要なのか考察します。 イラン戦のおさらい日本は後半からのイランのハイプレスを回避できず、ボールを取られては右サイドにロングボールを放り込まれ続けます。その中で失点し敗北します。 交代で壊れたバランス 選手交代によってバランスを崩したことを指摘する人が結構居ました。久保選手が居なくなってボールを繋げ

          イラン前後の守田選手のコメント考察_交代の失敗が原因では

          アジアカップ反省_4-2-3-1でハイプレスに耐えられるのか

          アジアカップの反省です。日本がアジアカップで露呈した大きな課題に前からプレスに来られる中でボールを繋げないことがありました。 今回は課題解決のためにハイプレスをどう回避するかを考えて行きます。個人レベルでできることもありますが、戦術レベルでできることをメインに考えて行きます。その方が個人に頼らずに済み、一貫性を担保しやすいためです。 現代サッカーにおけるハイプレス回避現代において強いチームは守備時にハイプレスをかけることが当たり前になりました。相手を押し込んでボールを奪わ

          アジアカップ反省_4-2-3-1でハイプレスに耐えられるのか

          イラン戦_ハイプレスが機能しなくとも勝てる力を

          完敗と感じました。ショックな敗戦です。徹底的に良さを消されたのもありますが、日本も攻撃の形が見出せませんでした。 前半無効化されたハイプレス イランはイラクやバーレーンと同じくDFからロングボールを蹴り込み日本のハイプレスを無効化しようとしてきました。イランのボランチがDFラインに落ちて3バック気味になり、DFラインにフリーの選手を作ってボールを蹴り込みます。 特に狙われたのが日本の右サイド。イランは前線の4人を前目に上げて日本のDFラインとマンツーマンに近い形にし、上

          イラン戦_ハイプレスが機能しなくとも勝てる力を

          バーレーン戦_やはり対ハイプレスに課題か

          バーレーン戦も快勝でした。ただ、攻撃はやや手詰まり感があり、最終的には失点するなど、以前まであった圧倒的な強さが引き続き影を潜めています。要因を探ります。 前半ロングボール対策が成功 バーレーンは徹底的に日本のハイプレスを避ける戦術を取ってきました。ゴールキーパーや最終ラインからロングボールを前線に蹴り込みます。競り合いの勝利を狙って高さのあるFWや高さのない毎熊選手を狙う意図も見えました。 日本はできる限り前線がロングボールに対してプレスをかけ、ボランチやSBではなく

          バーレーン戦_やはり対ハイプレスに課題か

          インドネシア戦_プレス耐性への懸念

          インドネシア戦は快勝でした。人選と戦術が良かったのが一因ですが、そもそもインドネシアが弱かったような気もします。敢えて日本の課題を探ります。 前半3バックへのハイプレスが機能した日本 日本のスタメンは旗手選手がボランチに入る4-2-3-1でした。ただ、実際は旗手選手がインサイドハーフまで上がって4-3-3になることが多かったです。 4-3-3はベトナム戦の後半で3バックを引いた相手へのハイプレスを機能させたシステムでした。インドネシア戦でもハイプレスが機能しましたが、プ

          インドネシア戦_プレス耐性への懸念

          日本対イラク_日本の課題考察

          久々の投稿です。イラクはやりにくそうな相手だと思ってましたが、まさか負けるとは…失望でしかなかったです。W杯優勝と言っててこんなところで負けるのか… カタールW杯以降の日本とアジアカップの日本を比較しつつ、何が不味かったか探ります。 カタールW杯以降の日本の躍進まずカタールW杯では躍進の中で下記の課題が露呈しました。 ローラインで押し上げられない。前からの守備もボール保持も難しくなる ピッチの幅を4バックで守れない。5バック的になり、攻撃の人数が不足しがち 森保監督

          日本対イラク_日本の課題考察

          日本サッカーに必要な改革

          W杯も終わり、総括も一通り終わったかな、という段階。自分も少し想うことがあったので記事を書きました。日本サッカーに必要な改革を考察します。 今回W杯でサッカーのコア層以外の多くの方がサッカーを見ていました。これらの方の内、日本代表を見続ける人は多く居るでしょうし、Jリーグを見る方も出てくるでしょう。放っておいても一定日本サッカーは盛り上がりそうですが、一方で日本サッカーには育成面で大きな課題があり、ここを解決しないと将来的なW杯優勝など望めないと考えています。その辺りについ

          日本サッカーに必要な改革

          W杯決勝後半以降_互角に持ち込んだデシャン監督の采配

          W杯決勝の考察続きです。前の記事で前半はアルゼンチンの狙いが嵌まったことを話しました。 問題点を徐々に潰したデシャン監督選手交代で徐々に戦況が変化します。一つずつ振り返ります。 前半の2枚替え:インテンシティを高め、劣勢の右サイドを持ち直す 何と前半で2枚替え。これ以上点を取られると不味いと思ったと思われます。身体能力も守備のインテンシティも高い選手を入れてきました。 デンベレ選手とジルー選手をトュラム選手とコロミュアニ選手に変えて両WGに配置し、エムバペ選手をCFに

          W杯決勝後半以降_互角に持ち込んだデシャン監督の采配

          W杯決勝前半_狙いが嵌まったアルゼンチン

          W杯決勝、素晴らしかったですね。メッシの戴冠も感動的でしたが、試合が劇的に動き過ぎて何度も感情が揺さぶられました。 あまりにも良い試合だったので記事を書くことにしました。 まずはフォーメーションから。 アルゼンチン(赤):4-3-3 守備時もほぼ4-3-3。押し込まれた場合だけ4-4-2になる フランス(青):4-3-3/4-2-4 攻撃時はグリーズマン選手(青のRIH)が前目にポジショニングして4-2-4に近い形に 後半はグリーズマン選手がボランチ付近まで落ち

          W杯決勝前半_狙いが嵌まったアルゼンチン

          森保JAPANの4年間振り返り_ベスト8に必要なこと考察

          下記の記事で、クロアチア戦の敗戦が3バックを習熟できなかったことにあると主張しました。この記事では日本のこれまでの4年間を振り返り、なぜ3バックに習熟できなかったか、そもそもなぜ付け焼き刃の3バックを使わざるを得なかったかなどを考えます。 苦境に陥る度にシステムを変えてきた森保JAPANまず森保JAPANのW杯までの戦術変化を振り返ります。 W杯最終予選まで:基本は4-2-3-1を採用。船出は良いが尻すぼみ気味 ウルグアイに勝利するなど、期待を持たせる船出 ただし、

          森保JAPANの4年間振り返り_ベスト8に必要なこと考察

          クロアチア戦_付け焼き刃の限界

          クロアチア戦の敗因深掘り_ベスト8に必要だったこと前回の記事で、クロアチアが狙いを持って日本の左サイドにボールを放り込んできたことに触れました。日本はその左サイドでマークがずれて失点し、敗戦することになります。 一つの対策として、後半頭から酒井選手をRWBとして入れていれば失点を防げたかもしれません。これは複数の方が指摘されています。酒井選手なら相手の放り込みにより対応できたでしょう。リードしていましたし、安全策を取って良かったような気がします。 放り込みを止めるために

          クロアチア戦_付け焼き刃の限界

          クロアチア戦_強豪国の強さ

          結果は引き分けですが、差を感じた一戦でした。 クロアチアは想定通り4-3-3。日本は結局3バックでしたね。守備時は5-4-1、攻撃時は3-4-3になる布陣でした。 クロアチアの攻撃のしたたかさWGが幅を取って日本のWBを上がらせない スペインと同様にWGの選手がタッチライン沿いに近いポジションを取る。日本のWBをサイドの深い位置に釘付けにする ポジションチェンジで日本のプレスを無効化 中盤の選手(赤のDH, RIH, LIH)がポジションチェンジを行い、日本の守備が

          クロアチア戦_強豪国の強さ