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カラバオカップ4回戦 マンチェスターシティ対リヴァプール

W杯が終わった直後一息つく間もなく始まるクラブでの活動。
プレミアリーグは過密日程のため、リーグ再開直前に組まれていたこのカラバオカップ4回戦。その中でも圧倒的に注目を集めた一戦。両チームとも一部のメンバーはスタメンもしくはベンチを外れていたが、リーグ再開に向けてのチーム構成だったのだろう。

まずは両チームのスタメンから

欠場者
マンチェスターシティ:アルバレス、K・フィリップス、R・ディアス
リヴァプール:アリソン、ファンダイク、コナテ、フィルミーノ、ジョーンズ、ジョタ、L・ディアス、アルトゥール、アーノルド

・リヴァプールのお株を奪うようなハイプレス

マンチェスターシティは試合開始から猛烈に前線からハイプレスをかける。リヴァプールが後ろからビルドアップをしようとすると、シティは前からプレスをかけほぼマンツーマンのような形を行っていた。

かなりラインを高くし、マンツーマンでリヴァプールのビルドアップを苦戦させた。

プレスの掛け方

特に右サイドでこれが見事にハマり、リヴァプールの後ろからのビルドアップの所でボールを奪うことができる。
ここで注目なのは右SBに入ったルイス。彼はマフレズがゴメスにプレッシャーをかける形となったので、ボールが移動している間にロバートソンを狙える高い位置まで移動。その背後は残りのDFラインがスライドすることで埋める。デブライネがバイチェティッチを消し、チアゴをロドリが見る形をとり、ゴメスはロバートソンにしか出させないような形を作ることでうまくいっていたと思う。
次はボール保持の部分を見ていこう。

・SBが変わってもやることは変わらないビルドアップ

ウォーカー、カンセロがベンチの中この試合SBに入ったのはリコ・ルイスとアケ。シティのSBはビルドアップ時とても重要な役割を担うことが多い。彼らがこの試合ではどのような役割を担うのか注目していた。

リコ・ルイスはカンセロやウォーカーが行うのと同じようにシティがボールを保持すると内側に入ってきて、偽サイドバックを行う。そうすることでアカンジーラポルトーアケで3バックを形成。その前にロドリとルイスがポジションをとり、後ろで3-2の形でビルドアップを行う。

ビルドアップの際の主な形

こうすることでリヴァプールのファーストプレスが定まらないようになる。
リヴァプールの3トップは前からプレスをかけようとするが、ロドリとルイスが気になってプレスがかからない。まったくプレスがかからないと、CBから対角線ののボールを使って幅をとっているWGにボールが入る。(特にラポルテ)

ロドリをヌニェス、ルイスをチアゴが掴まえようとするので、チアゴの背後にいたデブライネがサイドに流れてきて、フリーでボールを受ける。そこから、また相手CBの背中をとるようなボールを裏に抜けているハーランドや逆サイドのパーマーへと供給する。

・違いを見せたチアゴ・アルカンタラ

シティが猛烈にプレスをかけてきたのに対し、リヴァプールは初めは、そのプレスに受ける形となり、あまりうまくビルドアップが行えていない印象だった。
しかし、時間を追うごとにその解決策を見出してきた。
キーマンはやはりチアゴ。彼が、ビルドアップの際にバイチェティッチの隣に降りてくるもしくはSBとCBの間に降りることによってシティのマンツーマンハイプレスを回避し、前進を行っていた。ロドリが前に出ようとすると、中央を置けてしまうので、当然出にくくなる。

チアゴが降りることでゴメスと2対1を作る

またこの時、左WGに入ったカルヴァーリョのポジションもキーとなっていた。スタートポジションは、左WGで幅をとっていたが、内側にポジションをとることで、ロドリが前に出ようとすると、カルヴァーリョにボールを入れられてしまうので、出れないというようなポジションをとっていた。

そして、マティプがフリーになるので、そこからの持ち運びでもリヴァプールはのビルドアップで重要な役割を担っていた。(この持ち運びから1点目につながった。)

後半になると交代で入ったチェンバレンがプレスをかかった状態から左サイドの奥のスペースにスルーパスを流し込む。これにヌニェスが反応。

シティがマンツーのため、同数で勝負ができ、スピード勝負で勝ったヌニェスの折り返しにサラーが反応し得点。シティのマンツーを上手く逆手に取り、得点できたものでった。

・我慢の守備

スタート時はハイプレスをかけようと試み、アンカーに入ったバイチェティッチの積極的に前に出て、プレスをかける。
しかし、シティが可変ビルドアップで前に出にくくなると、4‐3‐3で構え、ボールが入ったところやバックパスに対してプレスをかけるようになる。
20分あたりになると、IHを少し前に出し、4-4-2でロドリ、ルイスの所を牽制し、背中で消していた。

4-4-2でIHを前に出す

後半に入る中断前に行っていた左に入ったチェンバレンが左WG →左SH、エリオットが右IH→右SH、サラーが右WG→右CFの4-4-2に守備時は移行し、外からの前進を阻もうとする。

後半の4-4-2プレス

70分あたりになると、チェンバレンを中に入れて明確にロドリ、ルイスをみさせ、前からプレスをかけようとする。

70分頃からのプレス

この試合では、いくつかの形でプレスをかけようとしたリヴァプール。このように試合中に相手を見ながら変えれるようにしたのは収穫ではないかと感じた。

・まとめ

試合はこの両者らしい固い試合ではなく、3-2の乱打戦となったこの試合。
シティが勝利し、カラバオカップラウンド8へと駒を進めた。

W杯後でベストメンバーではなかった両チームだが非常に面白い一戦だった。
リヴァプールは負けてしまったが、W杯に出てなかったメンバーのコンディションはよかったように思える。中でもチェンバレンは結構よかったと感じ、前線に怪我人が多い中、前半戦ほぼ出ていない彼には後半戦期待したい。それでも、試合前に出たフィルミーノの怪我の情報やミルナーの怪我は心配だ。

次戦はボクシングデー12月27日VSアストンビラ
休む間もなくやってくるリーグ再開戦。W杯組も戻ってくるだろうし、しっかりと勝っていく、素晴らしい試合を期待してます。

試合結果

マンチェスターシティ3-2リヴァプール
得点者
マンチェスターシティ:ハーランド、マフレズ、アケ
リヴァプール:カルヴァーリョ、サラー
交代
マンチェスターシティ:61'アカンジ→ストーンズ、73'ハーランド→フォーデン,パーマー→グリーリッシュ,88'ギュンドアン→ベルナルド・シウバ
リヴァプール:38'ミルナー→フィリップス,46'バイチェティッチ→ファビーニョ,カルヴァーリョ→チェンバレン,57'エリオット→ヘンダーソン,70'チアゴ→ケイタ


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