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夏休みの作文攻略法

 「夏休みの作文」は定番の宿題だ。提出必須の学校も多い。そこで、作文攻略法を記載する。結局のところ、「型」に自分の体験を落とし込んで書いてしまえば要求文字数が800字だろうが2000字だろうが問題ない。サックっと片付けて、有意義な夏休みを過ごしてほしい。
 * 私は「作文アンチ」である。が、長くなるので割愛する。


1. 作文のコツ

「よい作文」を書くには、いかに自分の人生にひきつけるかが問題だ

 おおまかな作文の手順だ。私が知る限り、「私は○○を経験しました。うれしかったです。今後は……をがんばりたいです」といった「THE 優等生」な作文が何らかの賞を受賞することはほとんどない。では、「よい作文」とは何だろう。それは「自分の人生にひきつけてある」作文であろう。作文中のエピソードが平凡なものだとしても、「それが自分の人生にどういった影響を与えたか。自分がどのように感じ、葛藤し、成長したか」が具体的に描写されていれば、読む者を感動させる。

 これを踏まえると

「5W1H」とは「いつ・どこで・だれが・なにを・どうした」を指す。

 このような構成にするとよい。

2.「作文がものすごく苦手な人」用の型

 この型はほとんどすべての中高生に当てはまる。自分の置かれた状況に当てはめて書けばよい。

3. 自由作文サンプル

 私は今年の春から高校1年性になりました。高校では、中学校までと環境ががらりと変わりました。私は人見知りする性格なので、新たな学校・クラスに馴染めるのかとても不安でした。しかし、先生やクラスメイトは親切で、すぐに仲良くなることができました。同級生には、他の中学校から進学してきた人も多く、なかには他県から通学している人もいます。彼らはどことなく大人っぽい雰囲気をしていて、時折「自分は子どもっぽく思われていないだろうか」と不安になります。とはいえ、新たな人に出会ったり、新たな出来事を体験したりするのは新鮮で楽しいです。

 高校生になって驚いたのは、中学校と比べて自由度が高いことです。もちろん、校則は存在しますが、中学校のように何かにつけて許可を得て、全員一律に行動する必要はありません。先日開催された文化祭では、クラスごとにオリジナルTシャツを作成し、模擬店を行いました。模擬店では飲食物の販売も可能で、メニューや価格、教室内のレイアウトまで生徒が自由に決めることができ、やりがいを感じました。

また、勉強が中学校よりも一層難しくなりました。授業のスピードが早く、毎日の予習・復習が欠かせません。中学校にはなかった「赤点」というシステムもあり、一定の点数を取らなければ単位を得ることができません。先生方は丁寧に指導してくださいますが、それでも「最終的にやるかやらないかは自分次第」という雰囲気があります。1年生のうちから進路学習も始まり、早くも自分の将来について考える機会がありました。理系・文系、進学・就職と考えなければいけないことや決めなくてはいけないことがたくさんあります。このように、基本的には自由な高校生活ですが、同時に「自分の言動の責任を自分でとる」ということも求められているようです。後悔のないように日々を大切にしたいです。このように、楽しい日々を送っていますが、2学期以降を一層充実させるために次のような努力を行いたいです。

一つ目は部活動です。私は、テニス部に所属しています。中学校までは文化部で、運動をあまりしたことがありませんでしたが、部活動見学での和気あいあいとしつつも一生懸命な雰囲気や、先輩方のかっこいいプレーに惹かれ、入部しました。初心者の私が練習についていくのはたいへんです。先週行われた練習試合では、体力がないため、ゲームの後半にばててミスを連発してしまいました。また、新しい技術を覚えるのも人より時間がかかり、何度も繰り返し練習する必要があります。しかし、せっかく入部したのだから、根気強く努力したいです。夏休みに入ったら、仲のよいチームメイトと市営のコートを借り、自主練習に励みたいです。私はサーブが得意なので、その技術をもっと磨き、自分の武器にしたいです。また、体力をつけるために、毎朝涼しいうちにランニングをしたいです。これらの努力を通して実力をつけ、秋に行われる新人戦のメンバーになりたいです。

二つ目は学習についてです。私は国語が得意で数学が苦手です。国語の成績をより一層伸ばせるよう、この夏休みは読書に励みたいです。具体的には、1週間に2冊のペースで読書をし、夏休み中に最低でも10冊は読み終えるようにしたいです。また、高校から古典の本格的な学習が始まりました。現代文は得意ですが、古文の活用が苦手なので、1学期にできなかったところをしっかり復習し、できるようにしたいです。数学は、夏期講習で集中的に勉強したいです。夏休み前半のうちにワークを終わらせて、夏期講習では疑問点を積極的に質問したいです。夏休み明けにテストがあるので、ワークを何度も解き直してから臨みたいです。私は、休日ひとりで家にいると、誘惑に負けて怠けてしまうので、夏休み中は友だちを誘って図書館の自習室へ勉強しに行く予定です。

三つ目は遊びです。家族や友だちと過ごす時間を大切にしたいです。両親は、人見知りの私がうまく学校生活を送れるか、いつも心配してくれています。普段はうっとうしがったり、喧嘩をしたり、なかなか素直になることができません。私の家は、毎年夏休みにキャンプに行くので、その時に勇気をだして日頃の感謝を両親に伝えたいです。また、同じ中学校から別の高校へ進学した友だちと久しぶりに会うことができるので、楽しみです。近況報告をしあう他にも、また昔のように買い物をしたり、映画をみたりしたいです。家族や中学校からの友だち以外にも、高校でできた友だちとも遊びに行きたいです。せっかく仲良くなれた友だちなので、学校以外での面も知って、より仲を深めたいです。

これらのことを努力して、より充実した生活を送りたいです。ただ、いつも張り詰めていると、かえってうまくいかないようにも思います。何事にも楽しく・一生懸命に取り組み、失敗も成功も自分の成長に繋げていきたいです。

1984字

4. おわりに

 作文は早く終わらせるに限る。長く考えれば名作ができるわけでもないし、授業の自習時間や土日の数時間を使って、一気に書き上げる。苦手な人は上の型に自分の体験を入れる。
 重い課題なので、引っ張れば引っ張るほど億劫になる。「作文が好き!」な人以外は、早く終わらせて「作文のない夏休み」を目指そう。


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