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耳で咀嚼するラジオ vol.2 ゲスト湯澤規子さん(法政大学人間環境学部)

BLOG
2022.5.2

vol.2「胃袋」

前回につづき、ゲストは湯澤規子さん。
今回は湯澤さんが初めて食について書いた本、
胃袋の近代』について話していただきました。

2018年に出版。この本を書かれたきっかけとは?
もともと出版するつもりはなかったらしく。
食に興味のある学生と話す中で、
食べものを研究対象として、
それをいわば「物質」として見ている学生。
そこに湯澤さんは違和感をもたれます。

食べるには、文化的、社会的な側面もあるはず。
もっとそういう話を学生としたい。
でも学生をなかなか惹きつけられない。
どうやったら面白がってくれるんだろう?
そんなことを考えていて、
毎回の講義前に学生が興味持ってくれそうな
食のネタを書き溜めていたんだそう。
知り合いがそれを知って、出版したら?
と声をかけてくれたのが出版のきっかけに。

食を文化的に捉えることは
研究テーマとしては珍しく、
趣味の分野だと思われていた。
食べものにはそれぞれ物語があって。
食のある地域にもそれはあって。
人はそれをまるっと食べている。
学生たちには文化や社会と食を
結びつけるきっかけがなかった。
でも湯澤さんの話を聞くと、
学生たちにも変化がでてきた。
湯澤さんは学生たちの
変化や成長をみてきたんですね。

そこから話は、食をどう捉えるか。
「存在論」と「認識論」の話に。

食べものをどう捉えるか?
それはその人の人生経験に紐づく。
大学の研究は最先端である、と見ると間違いで、
社会の現場にこそ知はある。
こうしたことを総合的に見ていかないとならない。
湯澤さんは、食の知を
社会から大学へ「逆輸入」したいと思っている。

人間は食べものをどうして分けるんだろう?
食べものはどういった意味があるんだろう?
食の意味を考える、胃袋と社会がつながっている。
食から社会を捉え直すことができる。

この回は、まさにフードスコーレらしい話の展開に!
ぜひ最後までお聴きください!

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プロフィール

湯澤 規子
筑波大学歴史・人類学研究科単位取得満期退学。博士(文学)。明治大学経営学部専任講師、筑波大学生命環境系准教授を経て、現職。「生きる」をテーマに地理学、歴史学、経済学の視点から、当たり前の日常を問い直すフィールドワークを重ねている。主な著書に絵本シリーズ『うんこでつながる世界とわたし』(農山漁村文化協会)、『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか』(ちくま新書)、『7袋のポテトチップス―食べるを語る、胃袋の戦後史』(晶文社)、『胃袋の近代―食と人びとの日常史』(名古屋大学出版会)、近刊に『食べものがたりのすすめ―「食」から広がるワークショップ入門』(農山漁村文化協会)がある。

平井 巧
食の学び舎「フードスコーレ」校長/shokuyokuマガジン編集長/株式会社honshoku代表/一般社団法人フードサルベージ代表理事
1979年東京都生まれ。新潟大学理学部卒業。広告代理店での企画営業を経て独立。「サルベージ・パーティ®︎」を中心に企業・行政のfoodloss&waste にまつわる課題解決を手がける一般社団法人フードサルベージを設立。食のクリエイティブチーム株式会社honshokuでは、「食卓に愉快な風を。」をキーワードに、食にまつわるコンテンツ運営、クリエイティブ制作、プロデュース等を行う。2020年に食の学び舎「foodskole(フードスコーレ)」を開校。2021年に食のウェブマガジン 「shokuyokuマガジン」を創刊。
shokuyokuマガジン:https://shokumaga.com/

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