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foodskoleフードロスクラス第2期_振り返り  フードロスクラス DAY3、DAY4

フードロスクラスでは、食の課題領域に対して経験をもつ4人のスペシャルゲストとの対話を通して、フードロスの構造を理解し、じぶんで問題提起をして探究を行ってきました。

フードロスクラスチューターの玉木が、このクラスを振り返ります。
今回はDAY3とDAY4の様子をおとどけします。

DAY3:「飲食現場のこれからを学ぶ」

ゲスト:川越一磨さん(株式会社コークッキング代表)

食のサプライチェーンにおける、特に川下(流通、小売、飲食店)のフードロスに注目。フードシェアリングサービス『TABETE(※)』を運営する川越さんに、フードロスをキーワードにビジネスする方の視点で話を聴きました。

学びのポイント
・TABETE※のサービスとその意義
・川越さんと平井さんのクロストーク”フードロスを減らすサービス作りについて”
※TABETE:飲食店・中食店で食品ロスの危機にある食事をユーザーがお得にレスキューできるサービス。フードロスが発生する段階は様々にありますが、その中でも外食産業、中食店で発生する部分をビジネスとして取り組む。

TABETEのモデルや今後の展開などをお話していただきました。

TABETEは、フードロスを減らしたいという思いから創業し、今では日本初のフードロスに特化したシェアリングサービスとなっています。創業当初はフードロスになってしまう食事を捨てずにレスキューすることに賛同が得られていなかったのですが、創業して2年以上が経った今では、「ロスを減らす」ことの意義に世の中が賛同してきているようです。

「ロスを減らす」ことを目指し事業を推進すると同時に、「果たしてロスをなくすことを追求するだけが本当にいいことなのか?」「フードロスの最適量とは?」など考えられていました。ロスを減らすことで別のものを犠牲にする可能性もある、と多面的な視点を持ちながら、フードロスに真摯に向き合われていることが印象的でした。

TABETEの事業を拡大させることでフードロス削減に貢献し続けていました。同時に、川越さん自身フードロスに対する考えや事業をアップデートさせていました。「フードロスに取り組むことが当たり前」「世の中の3歩先を行く」と世の中に着実にインパクトを与えて変化を起こすと同時に、自身の思考と事業の舵の方向性を柔軟に進化させ続けながらビジネスを行われていることが印象的でした。
受講生からの反応も大きく、多くの質問や、「フードロスを減らすだけじゃないと思うようになった」、「もっと広い視点を持ちたい」などの意見が出ました。フードロスに対する考え方が変化したり、どう行動を起こすかを思索した時間になりました。

玉木の学び:
川越さんの姿勢からも学ぶことが沢山ありました。着実に行うこと、そして信じて突き進むこと。それさえあれば、立ち止まって考える時があってもやっていけると思いました。世の中は常に変化しています。フードロスがよしとされる時代もあれば、悪いとされる時代もあると思います。今は、フードロスが有り余っていることに私たちの感性が敏感になっていると思いますが、フードロスが生まれていることには理由があって、そこに感情的にアレルギー反応を起こすのではなくて、今の資本主義の仕組みに解決策を組み込んでいくことで、TABETEのように時代に合った解決策を提案でき、共感する人たちが増えるのだと思いました。フードロスを減らすことを追求したことで、フードロスを減らすだけではなくて、同時にTABETEに関わる飲食店さんたちが幸せになる仕組みについても模索されていていて、その先さらに展開できることが見えてくると思わされました。

DAY4:「廃棄・資源循環を学ぶ」

ゲスト:荒井里沙さん(廃棄物処理コンサルタント)

現在オランダのユトレヒト大学で環境学を学んでいる荒井里沙さんをゲストに、フードロスを食べ物ではなくごみ側の視点から考えました。ごみの現実と正体、扱い方の話についてしてもらいました。

学びのポイント
・ごみってなんだ?
・フードロスを循環に組み込む上での課題とは?
・フードロスが循環したら、どんな社会になりそう?
・意外と知らないごみの話

「ごみってなんだ?」の問いから始まった授業。ごみの定義やごみが出るということは、自然界に対してどう作用することになるのか?など、あらゆる角度からごみについて教えました。次の問いは「フードロスとはごみなのか?」。「循環」させたらフードロスは減る。さらに、「フードロスを循環させる」をテーマに受講生同士で対話をし合い、意見を出し合いました。「コンポストが浸透したらいいよね。」「フードロスを悪いモノとして捉えるのではなくて、食べるものと捨てるものをちゃんと分けて考えること大事だと気がついた。」「ごみとは何かについて考える機会になった。」など、気付きが沢山できたようです。

フードロスとはごみとは限らず、コンポストとかレスキューすることで活用することができ。フードロスはよくないものと言われるけどそうとは限らないし、むしろ活用するポテンシャルがある。という荒井さんの意見が印象的でした。

ディスカッションの後に、「意外と知らないごみのこと」というテーマでごみの現状について教えてもらいました。日本の年間のごみ量、リサイクル率、プラスチックごみは海に流れ出ているのか、分別したら問題解決になるのか、など。プラスチックは分解するのに数百年数千年かかるものもあるため、分別したとしても分解までは終えられない現状があるということが印象的でした。他にも、現在促進されている紙ストローや蜜蝋ラップについてどう思うか意見交換をしました。

ごみとフードロスの関係について考える新たな視点を得て、さらにフードロスに対する解析度が上がったと思います。

玉木の学び:
フードロスは決して悪ではない。フードロスの定義は「食べられるのに捨ててしまう食材」だけど、それも人によって「食べれる/食べれない」の判断は異なる。なぜなら主観的なものだから。だからこそ、フードロスをごみだと思わずに、ごみにしないためにできることは何か?を考えることが大事なのではと思いました。フードロスをごみたらしめないためのヒントとして、「循環」させることだと学び、ごみを自然界に循環させられる手段があるといいんじゃないかと思わされました。フードロスも循環すれば「ごみ」にはならない。だから、以前の講義も踏まえて、フードロスが生まれる方が健全だという前提で、食べれない食材が生まれたときに、その後どうやって捨てるのか、どう循環させるのか、が大事だと思わされました。でも捨てること考えたらいいほど単純ではなく、「分別することを前提に捨てたらいいのかか?」と話した時に「分別しても分解されない」と荒井さんが言ってたように「分解」するという視点も大事になると思いました。

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