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テイクアウト参入で見える料理人の欠点。未来につなげるメニュー

今日はテイクアウトメニューについて考えたい。

ここ最近、テイクアウトの単発的な新規参入についてはいろいろ記事で書いてきた。

しかし、同じ料理人としてやらないと店が 生活ができないということも重々承知しているので今回はテイクアウトを行っていく前提で中身を考えていきたい。

私はインスタグラムを自身の商品の宣伝媒体として使っている。

数多くの同業の方々が同じ使い方をしているので、参考にいろんな人をフォローして勉強させていただいている。


その中でもやはり昨今はテイクアウトに意識を置いている人は数多くいる。

ここで現状のテイクアウトメーカーの人に質問したい。

今提供している商品はテイクアウト用ですか?

私たち料理人は常にお客様の求める料理を最善の状態で提供する人間だ。

キッチンの人間に接したことのある人ならわかると思うが、

温かいものは温かいうちに提供したいその性格上「冷めるから早く持っていけ!」と怒鳴られたことがある人も少なくないと思う。

料理を最善の状態で提供する

最善の状態

ここに意識を置いてアラミニッツにこだわりやってきている人がほとんどだと思うから、急にテイクアウトに移行したときに冷めた料理を食べる人がいる可能性に目を向けていないのではないか?

テイクアウトをやる以上気を付けなければならないのは、食品衛生問題もそうだが、消費者の食べるタイミングがわからないからこその味付けだ。

温かい時がおいしい。作り立てがおいしい。そういった観点で調理をしてきた我々にとってはとても想像しにくい分野ではあるが、

実際店に来て最高の状態を提供したがっているのは店側のエゴであって、食という幅広い可能性の中ではむしろ、テイクアウトのような消費者のタイミングで食べる食事のほうが圧倒的なシェアを占めている。

そう考えると店で提供している総菜を当たり前にパックに詰めていないか見直したくならないだろうか?

テイクアウト用の料理を考えていない愚かさ

テイクアウトという文化は今始まったものではない。

店を構える料理人と宅配の調理者では、同じ食の業界にいながら常に可能性を模索しているとはいえ、コインの裏と表のようないわば背中合わせの職業の違いだ。

たまたま、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言と不要不急の外出の自粛でアラミニッツの料理人がこそこそとテイクアウトに移行してきただけで、

私たち料理人が土俵を移してまで戦わなければいけないのは、新型コロナウイルスでもともに戦い抜いてきた料理人の仲間でもない。

私たちが本当に恐れなければいけないのはコンビニやスーパーの弁当である。

私はテイクアウトや宅配を使っていない。コロナウイルスが発生する前からも使っていないし、発生して外出を自粛してからも使っていない。

なぜか?高いからだ。

しかも毎日宅配を使うのならまだしも、一般人の生活では毎日高額な宅配サービスを使うことは考えにくく、必ず冷蔵庫の食材の補充でスーパーに出かける。

そこで目にするスーパーのお弁当。あんなに安くてボリュームがあって、おかずの種類も多い。

今実店舗のイートイン業態からコロナ期間中であるかもしれないが、テイクアウト業態に部分的または完全に移行している経営者の人はこのクオリティーと価格帯、付加価値と闘わなければならない。

そんな中、いくら味に自信があるとはいえ、いつも実店舗で提供している料理をテイクアウト用に変化させることもなくプラスチックパックに詰め替える行為は正直、なめている。

今料理人に求められているものは、

場所が変えあっても己の付加価値を高められる柔軟な対応力とアイディア

だと思っている。

今までやってきた料理が競合他社と被っているのであれば、いやおうなしにほかのカテゴリーで勝負しなければいけないかもしれない。

そこにジャンルがないもの。周辺の客層が好むテイスト。それがイタリアンやフレンチではなくアジアンなのであれば四の五の言わずにやってみなければいけない。

またそれはもしかしたら料理ではないのかもしれない

おしゃれな容器であったり、次につながるクーポン、購入者の周りの人に拡散させれるようなシステムなのかもしれない。

そこまで考えてテイクアウトを考えてほしい。

そしてその行動の一つ一つは私が以前から言っているような「単発的な行動」として世間に認識されてしまうのかもしれないが、その行動から今までやってきたことを見直し、柔軟性や都度の対応力を挙げていければ次につなげるヒントも見えてくるのではないかと思う。

以前記事に書いたが、テイクアウトの波は確実に社会に定着こそすれど、現状私たちが目にしている形とは違ったものとして社会のインフラになる。

インフラになったその時、もしかしたら今のわたしたちではそれがテイクアウトと認識できないほど洗練されたものになっているかもしれない。

その時の自分の立ち位置をしっかり把握できるようにするのは今のうちから未来の行動につなげる考え方で動いていくものだけだ。


「大変多くの人に喜んでいただきました。」的な  やって行けてます 発言は本当に大丈夫か?

最後に、インスタグラムでよく、

本日もたくさんのお客様にご利用していただきました。などという一節を見かけるが、、、、

本当か?

ここで真偽を追求する意味もないし、本当だと信じたいが、さっきも書いていたように、

消費者層の多くが一般市民で、政府に対して国民一律10万円の現金支給案を求めていて、数多くの国民の生活とずれた経済対策案に「あほだな」と感じている私たちが、

インスタグラムに上がってくる数多くの店舗のテイクアウト商品を買って品切れにしている気がしない。

今お金がない、もしくは有事に際して現金預金を確保しておきたい国民がそれでも積極的に財布を開くのは、ドラッグストアに再入荷したマスクを求めるときくらいだと思う。

ここで私が問題だと思っていることをはっきりさせておきたいが、

インスタグラム上で盛った投稿をしていることではない。

そんな販促方法もあるだろうし、やってもいいことだと思っている。

しかし現状に関しては、行き過ぎた投稿は逆に自分の首を絞めかねない

きっと集客はゼロではないだろうが、そんな広告を続けていると常連といわれるユーザーの売り上げでは店が回らなくなった時の現状回避の行動がとりずらい。

ビジネス変えました。と言いたくても「うまくいっているって言ってたじゃん」と視聴者には突っ込まれるだろうし

その投稿で新しい顧客が増える可能性も期待はできる。可能性ももちろんある。

もしその行動をとるのであれば、新規顧客の定着確立を挙げるプランも同時進行で行っていくことが成功のカギになると思う。

それをしていないで盛った投稿をすることは、自分にとってあまりメリットが多くないし、

料理の画像も上げてしまっては余計次に動きにくいと思う。

この手の手法は同時進行的に自身のビジネスを高めていくプランを動かしていくときに新規顧客を周りから囲っていくときに非常に有用であると思う。

単発で発信し続けてもあまり効果はないんじゃないかと思う。

2020/4/17




働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。