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こんな本を待っていた!【読書日記】最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55

突然ですが、
あなたの会社では
若い社員がやる気をなくす
「一言」が飛び交ってませんか?


どうも
安全・安心と絆でつながる
キャリアコンサルタント
のタルイです。



久々の【読書日記】です。

どうしても紹介したかった本です。


本書の内容を一言で言うと

タイトルそのままに
「心理的安全性をつくる言葉を
55個解説した本」
です。


読んだ私の感想は
「こんな本を探していた!」


私のように概念としては
「心理的安全性」
理解していたが、


具体的にどのように現場に
落とし込んでいくのかが
難しかった方には

これはまさに垂涎の一冊でしょう。

私は、この本の内容をもとに
キャリアコンサルタントして
実践で活用してます。


特に、
求人に不人気な飲食業界で働く人
読んだ方がいい本です。



●心理的安全性とは何か?

「心理的安全性」
私なりに20文字程度で
簡潔にで説明すると


成果のために
「健全な意見の衝突」が
できる状態

最近では
「健全な意見の衝突」のことを
「ヘルシーコンフリクト」
と言います。


予測不可能な現代で
新しいアイディアや価値、
イノベーションを生み出すには

「堂々と健全に、
 意見の衝突が必要です」



しかし、そもそも日本では
「相手と衝突するのは良くない」
というマイナスイメージがあります。


それは対人関係のリスク
嫌うからです。


こういった対人関係のリスクには

ハーバード大学教授の
エイミー・C・エドモンドソンが
1999年に「チームの心理的安全性」
で説いた

「無知」「無能」
「邪魔」「否定的」


の4つがあります。

●「無知」だと思われたくない
→必要なことでも質問をせず、
 相談をしない

●「無能」だと思われたくない
→ミスを隠したり、
 自分の考えを言わない

●「邪魔」だと思われたくない
→必要でも助けを求めず、
 不十分な仕事でも妥協する

●「否定的」だと思われたくない
→是々非々で議論をせず、
 率直に意見を言わない



とくに
「周りの他人からどう見られるか」
と、いわゆる「メンツ」を重んじる
我々おじさん世代は特に嫌がります。


自分の
ありのままの姿を見せるのが
怖いのです。



心理学安全性については過去に

あのGoogle
素晴らしい調査発表しました。


「効果的なチームとは
 どのようなチームか」


これについて分析をした結果
真に重要なのは

「誰がチームのメンバーかよりも、
チームがどのように協力しているか」


これこそが重要である
ということが判明したのです。




そして
心理的安全が担保されたチーム
離職率が低くなり

かつ収益など生産性が高い
結論づけたのです。



●なぜ、チームは心理的安全性を保証すると生産性を上げるのか?


これは凄く重要です。

それは

成果のための「健全な衝突」
があるからこそ
チームが育つということです。


こちらの図をご覧ください。

出典:PRESIDENT Online


ご覧の通り
心理的安全性が高いチーム
仲が良すぎると
仲が悪すぎるの中間です。

ここが成果のための
「健全な衝突」があり
かつ、一番パフォーマンスが
高いのです。


これが

仲がいいだけのチームの場合

仲良しという「関係維持」
目的になってしまいます。

率直な意見交換や
厳しい指摘などの
行動をリスクと
捉えるチームです。


優しいだけのチームも問題です。

ほかのメンバーとの衝突や
関係が壊れることを恐れるため

相手のために
本音でフィードバックをすることも
控えがちになってしまいます。


これらは
心理的安全性の高いチームとは
正反対の結果なのです。



●どうやったら心理的安全性が確保されるのか?

そのためには
こちらの心理的安全性をつくる
「4つの因子」が必要です。

出典:PRESIDENT Online


日本の組織では、
以下の4つの因子があるときに、
心理的安全性を
感じられやすいそうです。



・話しやすさ
「ちょっといま、いいですか?」など。
ネガティブな報告であっても、
何を言っても大丈夫だと思える。


・助け合い
「何かサポートできる?」など。
トラブルがあったときでも
犯人探しではなく
前向きに対応を考えられるかどうか。


・挑戦
「まずはやってみよう!」など。
前例主義ではなく、
模索し試す姿勢があるかどうか。


・新奇歓迎
「その点はなかった!」など
異能や個性を歓迎できるかどうかです


過去の日本は高度成長期から
正解がある時代には
ミスなく、ソツなくのチームが
優秀とされていました。


しかし今やVUCAの時代
変動,不確実,複雑,曖昧な時代。

つまりは
予測困難で正解のない時代には
チームとして模索と挑戦をし、
失敗から素早く学べるチーム

優秀といえます。




まずは論より証拠です。

あなたの職場内で
心理的安全性を下げるNGワード

普段から使っていないか
チェックしてみましょう。


□ 相談されたら本人のことを思い「まずは自分で考えて!」と言っている

□ 新しいアイデアが出てきたら、考えてくれた人にやってもらうのが一番なので「じゃあ、担当としてやっておいてね」と任せるようにしている

□ 一度教えたことをまた聞かれたら「前にも言ったよね」と厳しく指導している

□ 注意するとき「こんなこと言いたくないんだけど」と言うようにしている

□ 自分の担当する仕事でトラブルがあっても、周りには迷惑をかけないよう「大丈夫です」と言い、まずは自分でなんとかできないかを考える

□ できなかったことに対して原因を究明し、理由を明確にするために「なんでできなかったの?」と聞くようにしている

□ チームで失敗が明らかになると、まず「誰の責任?」と責任の所在を明確にしている

□ 後輩や部下から仕事の目的や、やる理由について質問されたら、チームワークを乱さないためにも「仕事なんだからそんなこと考えないでやるんだよ」と伝えている

□ 新しく入ったメンバーには、まずは「会社のルールはこれだ」と、マニュアルや規程類をしっかり覚えるよう伝えている

□ 途中から参加したプロジェクトの会議で上司に「何か意見ある?」と聞かれたが、まとはずれになってはいけないので「特にありません」「いいと思います」と答えた


いかがでしたでしょうか?
このチェックリストに
5個以上該当する場合は
黄色信号だそうです。


ところで
あなたはこのチェックリストを
ご覧になって
こんなこと思いませんでしたか?

「まずは自分で考えて!」
「前にも言ったよね」
「こんなこと言いたくないんだけど」
「なんでできなかったの?」


これらのフレーズは
我々おじさんはふだん日常で
使ってる言葉ではないでしょうか?


Z世代の方には
言い訳になりますが…


これらは
我々おじさんの
さらに先輩のおじさんたちから

まるで部活動おける
しきたりのように
脈々と受け継がれてきた
伝統ある「言葉」なのです。


私たちおじさん世代は
先輩から叱咤激励のつもりで
このような嫌味を言われて
成長を促されたのです。

しかし、
もうこのような非効率なやり方は
改める時が来ましたよ。

非効率の理由はもちろん
『心理的安全性』
下げてしまうからです。


おじさんの余計な一言」
によって若い社員の 
心理的安全性が下がる。


その結果
職場の生産性を下げるのは
もうあってはいけないのです。


ソーシャルスキルとは、
社会の中で他者と関係を築いたり、
一緒に生活を営んだりするために
必要な技能のことですね。

記事の最後に触れますが
どの言葉がNGで
どこ言葉がOKなのか?

こういった繊細さを要求される
ソーシャルスキル


Z世代の方が小学校で
質の良い教育を受けていたのです。


では前置きはこのくらいで
ここから本書の要約をスタートです。


記事の最後には
私たちおじさんの未来に
希望が見えてくるように
書いてみましたよ。



◆著者紹介

原田将嗣さん

株式会社ZENTech シニアコンサルタント/株式会社Eachway 代表
前職スターツグループでは注文住宅営業・マネジャー、人事部門を経験。後に、ホールディング会社のスターツコーポレーションでコンプライアンス部門を経験。グループ社員約8,000名への教育・啓蒙活動に携わる。
2020年4月、コミュニケーションで世界を輝かせることを目指しプロコーチとして独立起業。パーソナルコーチ、企業研修コーチ、スポーツコミュニケーションコーチ。
ZENTechでは企業へ心理的安全性を浸透させるための組織開発・育成計画の企画提案、研修講師、マネジャー向けコーチングを担う。

https://zentech.jp/member/masashiharada
画像出典:https://sportscoaching.jp/sc0082/


原田さんのnoteを発見しました。



また、
本書を監修されてる石井諒介さんは
日本人の職場にあった
心理的安全性を研究してきた
第一人者です。


こちらの記事でもご紹介しました。



前述しました
心理的安全性が高いチームとは、
仲が「悪すぎる」でも
仲が「良すぎる」でもなく


目指すゴールや成果のために
「健全な意見の衝突」
起こせるチームのことです。


が、しかし、
このように考えてしまう
おじさんがいるのも事実です。

(理解できないことに否定しかできない人)



こういったおじさんへの反論は
シンプルです。


「働いた経験がない職場だから
 わからないだけなんです」


「学習する職場」が大切。


私たちが目指すのは

心理的安全性が低く
仕事の基準が高いのは
「キツい職場」でもなく

そのどちらも低い
「サムい職場」でもなく

もちろんムリせずラクに過ごせる
「ヌルい職場」でもありません。


「心理的安全性も
 仕事の基準も高い」職場


日々の健全な衝突を通じて
「学習する職場」です。



また「学習する職場」
我々おじさんが得意とする
ソーシャルスキルである
「空気読み」「忖度」
通用しません。

仕事の要求レベルが高いので
それ以外のスキル向上も要求されます。



確かに経験したことがない環境とは
それはそれは怖いです。

心理的に防衛本能が働いて当然です。

だって「わからない」のですから。



ただ、
わからないことをそのままにしないで
どうか一緒に前に進みませんか?


思い込みに囚われて
成長のチャンスを逃した挙句に

まわりから

「無知」「無能」
「邪魔」「否定的」


と疎まれて生きるには
残り人生が長すぎる
と私は考えてます。


本書の目次も簡単ですがに記載します。

目次
第1章 毎日使いたい! チームの土壌をつくる言葉
第2章 会議を活性化させる言葉
第3章 1on1が楽しみになる言葉
第4章 チャレンジフルなチームをつくる言葉
第5章 お客さまと取引先を「パートナー」に変える言葉
第6章 ピンチをチャンスに変える言葉

目次はシチュエーション別に
なってます。

この中に
心理的安全性を作る55個もの言葉
が紹介されてます!


逆に職場で55個も声かける場面が
あったんだと気付かされます。


今回も本書の内容を
紙一枚にまとめてみました。


はい、では
紙一枚でまとめた内容をもとに

ここからは
NGワードを言い換える例を
参考にしながら

私の感想も交えて
まとめていきます。



◆心理的安全性は『褒める』より『承認』する


前回の記事において
アドラー心理学の
『勇気づけ』の13の技法を
ご紹介しました。

で、たくさんの方からTwitter等で
「勇気づけが難しすぎる」
とコメントが寄せられました。


▼問題のこれです。

出典:アドラー心理学×幸福学でつかむ! 幸せに生きる方法


確かにアドラーの実践は難しいです。
その理由は実践の前に
覚えなくてはいけないことが
多いからです。

ですから実践できる人は
『超人』なんです。



ところが
本書における心理的安全性を確保する
主要技法はシンプルに4つです。

出典:最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉



人間は
自分が成し遂げたこと(成果・成長)
・自分が実行していること(行動)
・自分の存在



以上を承認されると
モチベーションが上がり
能力を発揮しやすくなります。


前回のアドラーは
「褒めるな!勇気づけよ!」
でしたが

本書では
「褒めるな!承認せよ!」
といってもいいでしょう。


勇気づけが13の技法に対して
「承認」4つだけですので
学んで取り入れやすいです。


えーちなみに、
おじさんが得意とする
4つの「気持ち悪い褒め方」

●上から目線で褒める
「やればできるじゃないか!」

●叱るために褒める
「行動したことは認める、だけど…」

●煽(おだ)てるように褒める
「今日も笑顔がかわいいね」

●他人と比較して褒める
「同期の〇〇君より…」



上記のような
気持ちのこもっていない、
策略と計算が入った、
あるいは加齢臭がただよう、
そんな褒める行為を連発していれば、

「ああ、このおじさんは
 なんだか薄っぺらいな…」

と、いつか
見透かされてしまうことでしょう。



◆「きっかけ言葉」と「おかえし言葉」で行動が変わる

心理学の一つである
「行動分析」(応用行動分析)によると


人の行動 は 
「きっかけ 」「みかえり 」によって
制御されているという考えがあります。

本書の図を元に作成

「きっかけ言葉」で相手の行動を促し

「おかえし言葉」で相手の行動や
結果を受け止める。

つまり
きっかけ言葉とおかえしの言葉は
2個でセットです。


私たちおじさんは「きっかけ言葉」で
部下の行動を促すように投げかけますが

「おかえし言葉」は
大きな成果が出た時だけと
バランスの悪い使い方を
しているのです。


私たち人間は
どんなみかえりがあるかで、
次にとる行動が変わってきます。


過去の教育方法であった叱咤激励

いわゆる罵詈雑言を浴びせて
叱る方法が上手くいかない理由も
これで解明できます。


上司から「何でも相談してね」
きっかけ言葉をもらい

なんらかのトラブルが起きたときに
報告する行動をしたら

「なんでもっと早く相談しないんだ!」
と、おかえし言葉で怒鳴り散らされれば

段々と報告するという行動は減り、
トラブルを隠すようになります。



ただ本書では指摘がなかったのです
念のために書いておきます。

行動分析(応用分析)
相手の自主性を奪うことになる
リスクもあります。

例えば
おかえし言葉が欲しくて
頑張ってしまい

結果、自己肯定感モンスターに
変身してしまい、

職場の周りから
大至急、承認欲求をどうにかしろ!
と疎まれる存在になってしまう。


こういったリスクもついてまわります。


くれぐれも承認欲求をエサに
他人をコントロールしないで
ください。


あと念のために、
行動分析が悪いのではないことも
付け加えておきます。


私も自分で活用していますが
立派な心理学です。

(行動分析に関しては
別の機会に書きます。)


では、
きっかけ言葉とおかえし言葉を
使った声かけを

本書の55個から
ピックアップしました。


◆「心理的安全性を下げる言葉10選」を言い換えてみる

本書を参考に冒頭のチェックリストの
NG言葉の言い換えを考えてみました。

□ 相談されたら本人のことを思い「まずは自分で考えて!」と言っている

言われた方は「邪魔」
と思われたかもしれません。

あるいは暗に「無知」「無能」
と勘ぐってしまうかもしれません。


OK:「相談してくれてありがとう、一緒に考えようか」


なんて頼れる上司なんでしょう!
こういうおじさんに私はなりたい


OK「今日は○時〜○時の間が相談タイムです!」

心理的安全性を高める工夫として

社内の共有カレンダーに
「相談タイム」
相談OKタイム」
時間と共通言語を作ると
良いとありました。


これは良いアイデアですね。


□ 新しいアイデアが出てきたら、考えてくれた人にやってもらうのが一番なので「じゃあ、担当としてやっておいてね」と任せるようにしている

これは言い出しっぺが損をする罰ゲームです。

きっと考えた人は
「言わなきゃよかった」
と後悔するはずです。

OK「どう分担していこうか」

これは「挑戦」の因子が強化される
最高のおかえし言葉ですね!


実は経験の浅いメンバーにとって
「相談することは」は意外とハードルが高いですよね。
相談のしやすさを確保する言葉かけが必要です。

OK「誰に相談すると進みそう?」

OK「誰のサポートがあれば
  進められそうですか?」

同じ相談でも進めるための相談だと
ポジティブなイメージです。

おまけに「誰」の方が問題解決に近そうです。



□ 一度教えたことをまた聞かれたら「前にも言ったよね」と厳しく指導している

前に教え方たときに
不備があった可能性もありますよね。


これは私の勉強会に
参加された店長さんが
実際に体験した出来事。

新人のアルバイトに
「前にも言ったよね」と言ったら
「前の教え方がよくわからなかった」
と返答されたそうです(笑)
最近のアルバイトは凄いな!


「困ったらなんでも相談してね」

この言葉だと

「こんなこともできない人」や
「こんなこともわからない人」
と無知や無能と思われる不安が
解消されてません。

OK:「一緒に確認したいんだけど〜」



□ 注意するとき「こんなこと言いたくないんだけど」と言うようにしている

じゃあ、言わなきゃいいじゃん!

見下しているニュアンスや
強い威圧を感じさせてしまう
フレーズです。

「こんなこと言いたくないけど」
って前置きされる説教する話に
中身なんかありません。


同じミスを繰り返した部下がいた時は

OK:「一緒に確認したいんだけど〜」



□ 自分の担当する仕事でトラブルがあっても、周りには迷惑をかけないよう「大丈夫です」と言い、まずは自分でなんとかできないかを考える

私の経験上
「大丈夫です」という人は
大体、大丈夫じゃない状態にあります。

大丈夫といっちゃう人は
能力が高いあるいは責任感が
強い方が多いように思います。

そんな彼らに必要な言葉は

OK:「正直困ってます」



このきっかけ言葉ではないでしょうか?

また、周りのメンバーも

OK「どう分担していこうか?」

OK「誰に相談すると進みそう?」

OK「やめたほうがいい仕事ってなんだろう」


以上のきっかけ言葉を声かけして
助け合い因子が促進される職場でありたいですね。

今どきは
「大変だけど頑張ろう!」
なんできっかけ言葉はNGです。


□ できなかったことに対して原因を究明し、理由を明確にするために「なんでできなかったの?」と聞くようにしている

これでは質問ではなく詰問です。

「Why」ではなく「What」で尋ねるのが正解ですよね。


OK:「やってみたことを一緒に振り返ってみよう」


自分たちでは
どうしようもない事案が起きた時は

OK:「一回止まって考えよう。
 できることしかできないから」


このきっかけ言葉もありですよね。



□ チームで失敗が明らかになると、まず「誰の責任?」と責任の所在を明確にしている

人は怒りの感情から、
問題が起きると
犯人を捜してしまう
本能があります。


この「犯人捜しの本能」は、
職場の心理的安全性を
激しく下げます。

ですが、
ほとんどの組織において
「正しい行動」として
理解されています。



しかし
「ミスに厳しい職場ほどミスが多い」
これは科学的にも
証明されているのです。



失敗(トラブル、アクシデント、ミス)
が起きた時は

チームの「助け合い」と
「挑戦」の因子を下げないように
以下の魔法の言葉が良いそうです。


OK「それはちょうどよかった!」

最初は「何が良いことなんだ!」
と反発もありそうですが

「共通言語化」することで
メンバーが建設的に
今できることに集中しようと発想するそうです。


トラブルが起きたが
状況がまだ把握できない時は
犯人探しより

OK:「何があったか、いったん
  起きた事実だけ集めよう!」

と、おかえし言葉があると
メンバーが前向きな気持ちになりますね。


□ 後輩や部下から仕事の目的や、やる理由について質問されたら、チームワークを乱さないためにも「仕事なんだからそんなこと考えないでやるんだよ」と伝えている

私が経験した職場ですと
「仕事なんだから…」っていう上司は
別場面で「最初に仕事の目的を考えるんだ」って部下に言います


これはダブルバインド(二重拘束)
2つの矛盾した命令を
 他人にすることで、
 相手の精神にストレスを
 かけている状態

です。


議論が白熱して
自分と相手の意見が衝突した時

OK「理解したいから聞くんだけど、もうちょっと教えてくれないかな?」



相手の意見に対して、
自分の立場からは懸念や反論があるときは

OK:「○○の観点ではこう思います」



□ 新しく入ったメンバーには、まずは「会社のルールはこれだ」と、マニュアルや規程類をしっかり覚えるよう伝えている

これについては、私がやった勉強会でも
「会社のルールを提示することが
 なぜ、いけないのですか?」

と質問が多かったです。

誤解ないようにお伝えします。
マニュアルがあることが
悪いのではないですよ。

このポイントは、
新しく入ったメンバーの
心理的安全性にあります。

マニュアルを渡すだけでは
「話しやすさ」と「助け合い」の
因子が育ちませんよね。


まずは新しいメンバーの
心理的安全性を高めるために

OK:「○○でわからないことが
  あったら聞いて」



□ 途中から参加したプロジェクトの会議で上司に「何か意見ある?」と聞かれたが、まとはずれになってはいけないので「特にありません」「いいと思います」と答えた


まず途中から参加するプロジェクトは
気分的に不安ですよね。

心理的安全性が下がる因子
「無知」「無能」
「邪魔」「否定的」
が働きそうです。

ここは周りからの声がけが必要です。


新しいメンバーから意見や
視点を募りたいときは

OK:「〇〇さんからはどう見えるか、教えてもらえますか?」



◆【まとめ】小学生でも知っている「心理的安全性を保証する言葉」

ここまでをまとめます。

●心理的安全性があると「健全な意見の衝突」ができる

●人は無知・無能・邪魔・否定的と思われたくない

●健全な組織には話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎が必要

「きっかけ言葉」「おかえし言葉」で行動が促進される

以上をお伝えしました。

ではこれが最後にお伝えしたいことです。

あなたは
「ふわふわ言葉」
「チクチク言葉」
ご存じでしょうか?

「ふわふわ言葉」とは、例えば
「ありがとう」「ごめんね」
「すごいね」「よく頑張ったね」

などと言われると気持ちがふわふわして
嬉しくなる言葉のことです。


これに対して
「チクチク言葉」とは

「バカ」「死ね」「キモい」や
「そんなことも知らないの?」
「だから言ったでしょ!」
「なんで出来ないの?」
「ダメって言ってるでしょ!」
「あっちへ行け」なども

言われると悲しくて、
心が傷つく言葉が
「チクチク言葉」です。


この「ふわふわ言葉」と
「チクチク言葉」を

最近では小学1年生と2年生の
道徳の授業などで習うそうです。


「小学生でも知っている」
無知への常套句ですが

Z世代以降の若い人たちは
本当に心理的安全性の大切さを
小学校から学んでいたのです。


また小学生の彼らは、
その言葉がなぜいけないのか?
について

先生が上から教えるのではなく
生徒主導でディスカッション
するそうです。

それだけではありません。




いま小学生は
『ディベート』も教わるのです。

ディベートはあるテーマに関して、
対抗する2組が、論理的に
オーディエンス(観客)を
説得するために議論をします。

このディベートのメリットは
言葉で物事を説明する力」
言葉で物事を確認する力」
育つことです。



つまり、
集団の空気に依存せずに
互いに理解できないことを
言葉で説明して理解を促すスキル」
が身に付きます。


この教育指針に私は驚きました!

だって、あの文科省がですよ!

「官邸の最高レベル」
「総理のご意向」を大切にする
あの文科省が…

小学生には「忖度」
教えないのですw


なんか若い世代に
託しているものを感じます。




ということは…

おそらくこれからの日本は
「空気を読む文化」
が薄まっていくでしょう。


これはもちろん
日本人が周りの空気に
依存しなくなっていくので

『言葉にしなければ伝わらない
 気の利かない人が増えていく』

というデメリットも考えられます。



しかし
そんなデメリットなど

●自分と異なるライフスタイルや
価値観を持つ「多様性」を理解できる

●組織において「過度な忖度」
求めらることもなくなる

●多数派の意見に従わされる
「同調圧力」も無くなっていく


これらのメリットの方が
デメリットをはるかに上回る
と思いませんか?


気の利かない子が増えることよりも

同調圧力で自殺する子が減る

こちらのほうが
はるかに重要ではないでしょうか。





「ふわふわ言葉」「チクチク言葉」

そして
「ディスカッション」
「ディベート」と…


間違いなく今の教育レベルは
我々おじさんが学校で習ったことより
水準が高いです。

彼らの方が間違いなく
本当のソーシャルスキルを身につけて
社会に出てきます。

どうやらもう
おじさんが上から目線で
褒めて・叱って
部下を育てる時代じゃありません。

私たちおじさんこそ
学び直しが必要なんです。



「敵わない…」
もうそれはわかった。
ではこれからどうするのか?



老兵は死なず、ただ消えゆくのみ

アメリカ陸軍元帥
ダグラス・マッカーサーが
退任演説で発した言葉ですが

老兵は静かに去る前にやることが
まだ残ってます。


「きっかけ言葉」と
「みかえり言葉」を
マスターすることです。



私たち世代はこの失われた30年
一生懸命に屈んで下支えするしか
できなかったのかもしれない。


だけど未来は違います。
我々が屈んだ姿勢だったのは
スクワットに喩えると
上に押し上げる筋力を養うためです。

未来ある若者を押し上げましょう。

私たちおじさんには
そのスキルは備わっています。




本当に本当に最後に一言だけ。

私はキャリアコンサルタントの前に
経営コンサルタントです。

企業は利益集団であることを
否定はしません。

その利益を出すために
最低限必要なことを
お伝えしたかったのです。

心理的安全性を保証できる会社は
最高の職場ではないのです。

心理的安全性は会社の利益を創出する
必要最低限の基準なのです。



言いたいことも言えない会社はです。

●せっかく課題を見つけて報告しても
「じゃあやって」と言われて仕事が増えるだけ

●新しいアイデアを共有しても
ダメ出しだけされるだけ

●挑戦しても失敗したら犯人捜しが
始まるだけ


こんな毎日のために
毒に侵されながらも出社する。

こんな人生は罰ゲームです。


心理的安全性が確保できない会社は
もう社会が「NO」と言っているのです。



話しやすさ・助け合い
挑戦・新奇歓迎
の4つの因子が
心のスペースを拡げるのに
必要なのです。


その意味でも
本書は一読の価値ありです。


最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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