色んな糖質を自分の体で試してみた【背景・方法編】
久しぶりの糖シリーズ。
これまでは糖そのものに焦点を当ててきたけど、そもそも皆さんが気にしてるのって健康との関係のはず。
ということで、今回は体を張って検証していきます。
イントロダクション
なぜそんなアホなことを(背景)
世の中には簡易で血糖値的なものを測定できる、例えばフリースタイルリブレ(※詳細は後述)など便利な代物があって、ネット記事やYouTubeでもこんなのをよく見かけます。
「血糖値が上がりやすい激ヤバ食品」
「朝食に食パンを食べると血糖値が急上昇する」
「白ワインを飲むと血糖値が上がりにくく、痩せる」
うん、わかるよ。
危機感を煽ったり、突飛なこと言ってPV稼ぎたいの。
でもね・・・
そんなの人によるし、食べたものの種類や品種にもよるし、前後の行動にもよるし、そもそも血糖値を過信してるし、まるでなっとらん!!
・・・じゃあ自分がやるしかないなと。
なんで既知情報はアカンの(課題)
前述の通り、フリースタイルリブレで色々試している人はいるようです。
よくあるのが、いろんな食品を食べてその血糖値が上がりやすいか、とか。あるいは、事前に何か(ベジファーストとか食前酒とか)した後に血糖値がどうなるか、とか。
それら自体はとても重要なことではあるものの、いくらか課題もあります。
①ヒトは一人一人違って複雑
今回でいうと小腸の消化酵素の働き方、インスリンの分泌能、インスリン感受性など、一人ひとり全然違います。
特に血糖値のデータって糖尿病を患っている方(あるいは境界域の方)のものが多く、正常範囲の人がどこまで参考にできるか正直分からないことが多い。
②食品は複数成分の混合物なので複雑
例えば「果物が血糖値を上げるか?」みたいな話の時、含まれているぶどう糖やショ糖は血糖値を上げそう、食物繊維は下げるかも、そしたらビタミン類は?てか果糖は?
こんな複雑系では結論を出せません。品種によっても違うし、カオス。
③実験条件の詳細が分からない
そもそもいつどうやってどれくらい食べたのかと。仮に比較実験をしているならそこをそろえているのかと。基本の基。
つまり、もう少し実験を統制・単純化しないと、実験やったけど結局何もわからない。いくらでも反論できちゃいます。
ほなどうすんの(目的)
そこで私は考えた。
ヒト×食品が複雑系と複雑系の組み合わせなので、少なくともどちらかを単純化しないといけない。
ヒトによって異なるという問題は私一人では解決のしようがなく、統計学という数の暴力(失礼)に頼らざるを得ないので、今回は諦めます。あくまで私個人の情報。
じゃあ後者の食品をよりシンプルなものに・・・そう、白い粉(純度高)です。
ということで、今回の実験は、
様々な糖質を摂取したときに私の体内のグルコース値がどのように変動するか検証する
ことを目的して、実験を組み立ててみました。
純度の高い糖質を摂取した際の血糖値への影響は文献で調べたら出てはくるものの、一般的には意外と知られていないはず。糖の種類レベルで血糖値を語れるようになるためにも、この身を実験に捧げてみましょう(大げさ)
(追記)
あくまで自分の体がどうなるか知りたいだけなので、他の人の参考になるかもわからなければ、臨床試験試験でもありませんので、趣味で変なことやってるくらいの目で見守ってください。
方法
試験対象者
私(空腹時血糖値、HbA1cともに正常値。BMI20前後。♂)。
使用糖サンプル
それぞれの詳細はおいおい。全部Wikiへのリンクを貼ってみたよ。
・ぶどう糖
またの名をグルコース。最もシンプルな糖。
・上白糖
そのほとんどはスクロース(ショ糖)。グルコースとフルクトースの結合した二糖。
・果糖
フルクトース。果物やはちみつに多い。
・トレハロース
グルコースが二つ結合した二糖。トレハラーゼにより分解され、和菓子などで使われる。
・イソマルツロース
スクロース同様グルコースとフルクトースの結合した二糖だが、結合様式が一部異なる。某社が「パラチノース®」として商標登録。
・希少糖
有名なものはD-プシコース。純品は手に入らないので、今回は複数種混合され「希少糖」として販売されているものを使います。
・黒糖
主にショ糖を含むものの、夾雑物を除去しておらずミネラルなども豊富。今回は上白糖との比較要因として参戦してもらう。
・イヌリン
スクロースにフルクトースがたくさんつながった食物繊維。糖質ではないのですが、特別ゲストにお迎えしました。
血糖値測定
正確な血糖値を測るには血を取らないといけないのですが、今回はそれを代替するものとして「フリースタイルリブレ」というものを使いました。
これは間質液のグルコース濃度を見るので、厳密には血糖値ではないのですが、腕にさすと2週間モニタリングしてくれる便利な代物なので、今回はこれを血糖値の代替として用います。
今後できるだけ「グルコース値」という言葉を使いますが、間違って血糖値と書くこともあるかも、先に謝ります、ごめんなさい。
実験条件
今回設定する条件は以下の通り
・毎朝8時に対象サンプルを摂取
・摂取直後~2時間後のデータを使う
・摂取後2時間は絶飲食
・摂取後は極力安静にする
・摂取量は炭水化物換算で30g(角砂糖10個程度)
・サンプルは水に溶解し、200g程度に調整。
・一気飲みしたあとうがいする(虫歯予防)
これをできる限り毎日連続して行います。持ち越し効果はさほどないだろうし、wahoutは別に要らんかなと。
(追記)
30gは耐糖能試験などに比べかなり少なめ(50とか75gが多い)ですが、今回は自分の耐糖能を診断したいわけではないのと、安全面を考慮してこの程度の量にしてみました。
このくらいでも影響自体はある・・はず。
測定項目(予定)
・最高グルコース値濃度(Cmax)
→グルコース値がどれだけ上がるか
・最高グルコース濃度に達した時間(Tmax)
→どれだけ早いか・遅いか
・濃度時間曲線下面積(AUC)
→体内に取り込まれた量(おおよそ)
・(必要なら半減期(T1/2))
ということで、どんな結果が待ち受けているのか?次回から糖質一つ一つの結果を示していきますので、お楽しみに!
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