見出し画像

大企業に入るのはまともな選択か? / いい大学→いい会社→幸福な人生?

こんにちは。かすらんです。

よく「日本の就活生は大企業に入ることをを至高の選択肢と考えすぎだ!」といった大企業信仰を批判するような意見を聞きます。

しかしこの主張は本当に妥当なのでしょうか?

無思考で大企業に入ることはたしかに一見良くないことのように見えますが、本当に悪いことなのでしょうか?

今回は、大企業批判が妥当なのかついて検証していきたいと思います!

※今回の記事では前提として新卒就活についてのお話をしていきます。転職に関する話ではないのでご了承ください。


良い会社に入るのは最適解である

良い学歴を手に入れ、大きな企業で高収入を得る

この高度経済成長期以降理想とされているライフコースは別に間違っていないのではないか?ということをまず話していきます。

京大の松浦氏(2006)によると、男性でも女性でも将来の高収入につながる要因として

・銘柄大学出身ダミー (+)
・上層ホワイトカラーダミー(+)
・従業員10人未満ダミー(-)
・従業員100人未満ダミー(-)
・従業員1000人未満ダミー(-)  ※男性のみ

が挙げられている。

ここでいう+は収入にプラスに影響を与えるという意味であり、-についても同様の意味です。

つまりここからわかることは学歴がよりよく、大企業にいるほど(ホワイトカラーであればあるほど)全体的に高給である傾向にある、ということです。

まあ、それはそうだろうという結果ではありますが、統計的にちゃんと証明されているということがわかりますね。


高収入は幸福につながるのか?

次に、高収入は幸福に本当につながっているのか?ということについて話していきます。

高収入でもべつに幸せな人もいれば幸せじゃない人もいるでしょ!とかいう意見は置いといてとりあえずデータを見てみましょう。

令和元年に内閣府が発表した「満足度・生活の質に関する調査」の結果についてみてみましょう。

◉ 「100万円未満」5・01点
◉ 「100万円~300万円未満」5・20点
◉ 「300万円~500万円未満」5・68点
◉ 「500万円~700万円未満」5・91点
◉ 「700万円~1000万円未満」6・24点
◉ 「1000万円~2000万円未満」6・52点
◉ 「2000万円~3000万円未満」6・84点
◉ 「3000万円~5000万円未満」6・60点
◉ 「5000万円~1億円未満」6・50 点
◉ 「1億円以上」6・03点

この結果からも高給の人の方が幸福が高いことがわかりますね!

また下の論文でも言われているように、例外は一部あるものの高収入と幸福度は深い関係があることがわかります!この論文はダニエル・カーネマンという教授の研究に関連があり、彼の研究はベストセラーとなっている「科学的な適職」でも紹介されています。

https://www.pnas.org/doi/abs/10.1073/pnas.2208661120


やっぱり大企業に入るのって最適じゃん

ここまでで①高学歴&大企業は高収入につながり、さらに②高収入→幸福も正しいということがわかりました。

つまりデータからいうと、大企業に入ろうとすることは至極妥当であるように感じますよね。

とはいっても、大企業信仰を批判するような声は小さくないのでそっちサイドにもそれなりに様々な理由がありそうです。

次のステップでは、そのような大企業信仰や昭和的ライフコースに対する批判としてどのような類のものがあるかを挙げて、それらの批判が本当に妥当かどうかを考えていきたいと思います!


理由① 大企業に入らなくても成功できる!論

これは所謂大企業に入らなくても成功した人はたくさんいるよね!という主張です。

アメリカだとビルゲイツやスティーブ・ジョブス、日本だと孫正義や堀江貴文などが有名ですね。

たしかに大きな成功を大学を中退して自分で起業する人もいますが、それはどう考えてもレアケースな気がします。

人口比で見たら相当少ないでしょう。それでも自分でやりたいことがあってすでに在学中に何か新しい事業を自分でやっている人はいいと思いますが、特にない人にはこの主張は当てはまらないといえるのではないでしょうか。

理由② ベンチャーの方が成長できる論

ベンチャーの方が"裁量"があるし、全部自分で責任をもってやれるので大企業よりも成長できる!という主張です。

これは一理ありますよね。将来的になにか自分でやりたい事業があるとかであれば、ベンチャーで力をつけるという選択肢は全然ありだと思います。優秀な人ほどベンチャーに行く、といった話も聞きますよね。

ただ、その一方でベンチャー企業の9割は収益を安定化することができずに潰れるという現実があります。その上、教育制度や福利厚生が整っておらず、やりがい搾取的な労働を余儀なくされるという悪い側面もあります。

全体的なリスクを大企業とベンチャー企業とで比較した場合、大企業の方がリスクとしては少ない、と結論付けることができるのではないでしょうか。

加えて新卒カードを使わないと大企業には入れない、大企業→ベンチャー転職は比較的簡単だがベンチャー→大企業は難易度が高いという現状を踏まえても大企業に軍配が上がる、といえるのではないでしょうか。

ただ、この議題にに関しては個人の考え方や状況が大きく影響してくるので、絶対にこっちだと判断するのは難しいというのも事実ではありますね。

理由③ 大企業だろうが、結局は会社員なんだから搾取される側だろ!論

所詮会社員なんだから、行ってしまえば代替可能な人材であり、マルクスが言うような労働搾取をされる側でしかないよね、という主張。

たしかにそれはそう。

では、別の選択肢挙げ連ねてみましょう。

・会社員(大企業、中小ベンチャー)
・起業
・フリーランス(自営業)
・無職

うーん。確かに会社に頼らないような形で飯を食っていくような仕事の形はいくつかありますがどれもリスクが高いですよね。。

新卒の社会を全く知らないひよっこがこのような道に進むのって相当なリスクがあるように感じますが、皆さんはどうおもいますか?

最初からそのような道を進むよりは新卒でどこかの企業に入ってある程度社会人経験を積んでからそのような道を進む方がリスクはすくないような気がします。

とはいえ、大企業に無思考で入るのはよくない?

ここまで様々大企業で新卒で入ることの妥当性を話してきました。

しかしここでまたあらたな視点を持ってきてみましょう。

⇧こちらの神戸大学の研究によると、

年収や学歴よりも、人生の中で自己決定によって進路を決定した者は、自らの判断で努力することで目的を達成する可能性が高くなり、また、成果に対しても責任と誇りを持ちやすくなることから、達成感や自尊心により幸福感が高まることにつながっていると考えられる、らしいです。

面白い研究ですよね。つまり、どれだけ学歴や収入がよくても自らの考えで行動せず、社会制度の要請に応じて無意識的に選択させられている人生を送る人は、学歴がそこまでよくなくとも自分で自分の人生の進路を主体的に選んでいる人の方がより高い幸福感を得やすい、といえるでしょう。

終わりに

書きたいことを書いていたら自分のnote記事の中で一番長い文字数を書いてしまいました。ここまで読んでいただいた方々お疲れさまでした。

結論としては、自分で主体的にいろんな選択肢を考えた結果として大企業に入ることを選択をする、というのが最適解であるといえるのではないでしょうか。

追記
後日考えてみたのですが、自分で進もうと決めた道に自信をもって足を踏み入れているのであれば大企業に入るかどうかはどうでもいい、という結論を得ました。

ただ、自分でしっかりと熟考し目的をもって大企業以外の選択肢を選んだとしてもそれは間違いではないということも同時に言うことができます。


無思考で周りに流され、危機感のままに自分が入りたくない場所でやりたくないことをやるというのが最も幸福から遠ざかる行為であるという風にも結論付けることができますね。


noteを書くことにより自分の考えを整理することができました。この記事に関して何か思うことがあればコメントに書き込んでみてほしいです。


ここまで読んでいただきありがとうございました。
読み応えがあったな、と思う方はいいね&フォローよろしくお願いします。






いいなと思ったら応援しよう!