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SDGsまでの道のり

 2021年バイデン新大統領政権の下では2009年のオバマ政権同様、クリーンエネルギー投資が活発化すると予想されます。2009年の株価の高騰が来年2020年1月~2月頃に再現するのではないかと期待し、注目銘柄3選という記事ではジーボ社(GEVO)、フュエルセルエナジー社(FCEL)、ブルームエナジー社(BE)を紹介しました。

 今回の記事ではそうしたクリーンエネルギー企業が今後何故伸びると期待されているのか背景を理解するため、SDGsについて時系列で整理したいと思います。ビジネスにおいても必須の知識となりつつありますので、ぜひこの機会に要点を押さえてください。

※参考文献 川廷昌弘氏「未来をつくる道具わたしたちのSDGs」

免責事項:本記事に関わる一切の責任を負いかねます

​目次
・成長の限界
・SDGs年表
・さいごに

成長の限界

 地球のさまざまな資源は『億年単位』の歩みの中でつくり上げられてきました。しかし産業革命以降、人間は『百年単位』という短いスパンの中で資源消費と環境汚染により地球に急激な変化を与えています。
危機感を頂いた各国の有識者が、1969年に民間組織「ローマクラブ」を設立し、「地球は、加速度的にせいちょうする人間社会を許容できるのだろうか?全ての人間が欲求する社会とどの程度まで両立できるのだろうか?」という問いをたてました。

 ローマクラブは1972年にアメリカ・マサチューセッツ工科大学への委嘱研究の結果に見解を加えた「成長の限界(The Limits to Grouwth)」を発表。
「このまま人口増加、環境汚染、資源消費などが続けば、100年以内に地球上の成長は限界に達する」と警鐘をならしました。

 「成長の限界」の発表は1972年の「国連人間環境会議」開催に合わせたものでした。この国連人間環境会議こそが、SDGs採択に向かう第一歩だと言えます。

SDGs年表

1972年 国連人間環境会議

1983年 環境と開発に関する世界委員会設置
 同委員会は1987年に国連総会宛ての報告書「我ら共有の未来(Our Common Future)の中で「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」=「持続可能な開発」の表現を初めて用いて、提唱。

1992年 国連環境開発会議(地球サミット)
 40章からなるアジェンダ21を採択。女性・子どもと若者・先住民族・非営利組織・地方自治体・労働組合・産業界・科学技術団体・農民の9つの主要グループが果たす役割など、持続可能な開発のための21世紀に向けた行動計画を定めた。

2000年 国連ミレニアムサミット
 極度の貧困を解消し公平な社会を構築するための「ミレニアム宣言」が承認された。同宣言は2015年を達成期限とする貧困・教育・ジェンダー・健康・環境など8つのゴールを定め、その工程を具体的に示した。これがSDGsの前身とも言われているミレニム開発目標(MDGs)。

2002年 持続可能な開発に関する世界首脳会議
 アジェンダ21の見直しなどを含む170項目からなる11の アプローチ。SDGsに極めて近い内容が網羅

2015年 SDGs(持続可能な開発目標)採択
 国連の大きな柱である「平和」「人権」「持続可能な開発」を初めて統合した画期的な国連文書。2030年を達成期限とした17ゴールと達成に向けた具体的な行動内容や行動のヒントとなる169のターゲットを定めた。

最後に

 最近になってSDGsという言葉が流行しだしたという認識の方も多いと思いますが、こうして年表にすると約50年前から持続可能な開発について世界の有識者達が議論していた事が分かります。

 年を追う事に年々色々なテーマが追加されていますが、投資においてもっとも重要な事は億年単位で積み上げた地球資源や作り上げられた環境を現在の世代で大量消費、汚染してしまって良いのか?という事だと思います。

 私が子供の頃から石油の枯渇について学校の授業で取り上げられていましたが、当時の私はグレタ・トゥーンベリさんの様に「対策も取らず石油を大量に消費するなんて大人達は何て無責任なんだ」と憤りを感じた記憶があります。

 世界一貧しい大統領として有名なウルグアイのホセ・ムヒカ大統領の言葉の通り、貧困を救うと世界が目指す一方でインド人がドイツ人と同じように車を所有したら世界はどうなるのか?これからインドだけではなく東南アジアやアフリカ、南米等の新興国が成長する事で環境問題はより深刻化すると予想されます。

 そうした中で積み上げるのに億年単位掛かり、温暖化の影響も懸念される石油資源から脱却し、水素やバイオ資源への切替に世界が歩みはじめています。

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