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一人暮らしのススメ

自炊は毎日しないほうがいい。
よ〜し!毎日頑張るぞ!なんて意気込んでいてもどうせ無理だから。自炊を諦めて食べるコンビニ飯が不味く感じてしまう。たまに自炊できたらなくらいがちょうどいい。

戸締りはしっかりしたほうがいい。
まさかのまさかで下着を盗まれることもある。
それが3階であっても。

部屋は狭い方が楽だ。
広すぎると掃除が面倒。
狭いと掃除をする気になる。

塩昆布と枝豆は使える。
余ったご飯にそれとごま油を少しぶち込んでみて。
お昼ご飯にぴったりのおにぎりになるから。

壁には何も貼らないほうがいい。
物は少ないほうがいい。
その部屋に愛着が湧いてしまうから。引越しの時に少し寂しい思いをしなければならないから。今の私がそれ。

本棚は買うな。
本は積み上げてなんぼ。積み上がった本たちに埃が被らないようにだけ気をつけて。積読は悪いことではないから。


ベランダはないよりある方がいい。
雲の観察ができるから。薄い雲に大きく構えている1人の積乱雲とか、晴天に一本だけ引かれている飛行機雲とか。雲はいい。次買う本は雲図鑑って決めてるんだ。誰か私にプレゼントして欲しい。お返しに朝マックを奢るからさ。

コインランドリーの近くに住んで。
恋人のことで悩んだり、上司に怒られたり、就活が上手くいかなかったり、テストで悪い点数取ったり、そんな嫌なことを全部まとめてグルグルにしてくれる。あのグルグルを見るのが大好きなんだ。


重量鉄骨がいいわ。
思いなんてものは軽いよりは重い方がいいのと同じ。自分の生活を漏らさないために、相手の生活を感じないために、遮断できるものはしたほうがいい。重くて強いそれはとっても安心出来る材料になるから。


一人暮らしがいい。私は死ぬまで一人暮らしがいい。たとえ、恋人に同棲しようと言われても、結婚しても、猫を飼いたくなっても、私は一人暮らしがいい。

一人暮らしを始めて、何年だろう。この年のわりには長いかもしれない。オリンピックは2回ほど回ってきたし、引っ越しは4回くらい。

自分だけの宝島があることはとても幸せなこと。好きな時間に何を食べても何を見ても怒られることはないし、多少部屋が汚くても気にする必要もない。つけっぱなしの冷房に絶望を感じても、それは一晩寝てしまえば朝日と一緒に沈んでしまうから。

趣味の部屋にしてしまえば、人を呼んだ時に、

えええ!ぶんちゃんの部屋!って感じで素敵!

などと、褒めてもらえることも多々。

一人暮らしをしているだけであたかも自分が強い人間だと思わせてもくれる。私は言葉に敏感で、人の表情がどうも気になってしまうタチだから、そんな私にはピッタリだ。

ただいまと言って返してもらえないこと、体調不良で、ああ、もうだめだ死ぬのかもと思っても結局生き延びてしまうこと、そんなことはすぐに慣れてしまうから安心しな。


一人暮らしが寂しくない?と聞かれることもある。寂しくないよ。とってもとっても楽しいよ。


でもたまには実家に帰ってあげて。帰る実家があるのなら。母や父には会わなくても良いけど、祖父母には会ってみて。


もし祖父母が生きていたら、私はすぐさまこのブンハウスに招待したい。そして、祖母が得意だった大学芋をわたしが振る舞うんだ。



少しずつ引っ越しの準備が進んでいて、ダンボールに汚い字で"本"とか、"靴"とか書くのが好き。

でも結局開けてみると全く違うものが入ってるなんてことはよくある話。

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