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借りてきた桃太郎はうどんが好き



大学4年間(1年間は留学)を岡山県で過ごしました。


ああ、なんて幸せな日々だったんだろう。

一年の時は記憶がない。

あまりにも大学を辞めたく逃げたくて、そして本当に逃げてみた。それが留学。



留学も終わり、帰ってきた岡山はなんだか素敵な街に思えた。

死にたがりの親友は、一年も会ってないのに、久々な感じせんな〜て真顔で言ってた。

心地いいこの感じ好きだな。

特別都会でもないし、新幹線が通ってない田舎でもない。



何もないのが岡山だよ。
でもね、あったかいんだ。
何もないけどその分人に魅力があるのかもしれない。



駅に併設されてるイオンに行くと必ず知り合いやら友達が働いてるしさ、アラレちゃんって呼ばれてる怪しいおじさんはどこにでも現れるし。


街を走る市電が好きだった。
熊本に似てたから。

ご飯が美味しかった。
色んなとこに行って美味しいものをたくさん食べたな。

方言は少し面白かった。可愛らしい女の子達がおじいちゃんみたいな言葉使うんだもん。ずるいよそれ。



私はなによりも商店街が好きだった。

表町と奉還町


表町は私の大好きな古着屋さんと餃子屋があって。
奉還町は歩くのが好きだったし、古着屋さんのフリマがあったからよく行ってたな。



なんだか知らないけど、岡山ってストリートボーイ達で溢れかえってた。


夜になると街をスケボーやらBMXやらで颯爽と駆け巡る光景を何度も見た。

何をやってるか分からない若者達がただ好きなことを楽しんでいるのが手に取るように分かって、私は好きだった。



そういえば生意気な後輩もいたな。

お前あだ名今日からブンな!!

って言ってきた2個下の見た目は清楚系の女。

留学を機に仲良くなって、岡山ではよく飲み歩いてた。

生意気にも程があるけど、すごくいい子で、

大好きな餃子世界で梅酒を一升必ず空けてた。


そいつの誕生日も餃子世界でしたっけな。
あんた今は小学校の先生なんだって?すごいじゃん。

餃子世界で出会った家具屋のお兄さんは、なんか分からないけど木の匂いがしたし、一緒にほろ酔いで飲んだお姉様方とは、別日に韓国料理屋で恋愛の話をした。



そいつの誕生日会を餃子世界でした時に、初めてパクチーがおいしいと感じれたんだ。


梅酒を一升空けるたびに、あけました〜って言う私に、


年越しじゃねえんよ、やめなって

言ってくる。秀逸なツッコミだね。

 



表町の電車通りに面した、バングラディッシュ人がやってる日本料理屋が大好きだった。

あそこのおでんが美味くてさ、〆のラーメンなんて格別なんだよ。少し汚いけど、タバコも吸えて、バンさんにはまた来たの?なんて言われるしさ、もっと喜びなよ、私が来てんだからさ。

大学は山の上にあった。

居場所がなかった私たちはよく、トレーニングジムの屋上で時間を潰してた。


そこでアイス食べたり、写真撮ったり、高みの見物で人間観察したりさ。


大学終わりに、近所の河川敷に行って、散歩してた。音楽をスピーカーで流してさ、ため息をつく代わりに歌ってさ。


将来の不安を死にたがりの親友と話してさ。
何のために生きてんのかなとか、親の話とか、2人で東京に住もうねなって話もしたっけな。


バイト行きたくないな〜、サボる?でサボってたりもしてたし、お寿司が食べたくて午後からの講義をすっ飛ばしたこともあったよね。



駅前の喫茶店には良く通ってた。
喫煙できるのが味噌。
大きな金魚が看板犬の代わり。

そこのコーヒーはもちろん美味しいし、定食なんて破格。レモネードも好きだったなあ。メロンソーダは可愛くいたくて頼んでみたり。



地元じゃないけど、地元みたいに話したくなる。


本当は来るはずじゃない場所だったから少し憎たらしさもある。


みんな元気かな。

会いに行くね!て言って、高い新幹線代を払ってまで帰る気にはなれないからさ、

会いに来てよね。



ちなみにね、"天ぷらおよべ"の牛タンの天ぷら最高に美味しいからみんなも食べてね。




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