見出し画像

『ゲームデザインプロフェッショナル』は新人ゲームプランナーにおすすめしたい1冊なので、おすすめポイントをまとめてみた

『ゲームデザインプロフェッショナル』という本を読みました。

著者はディライトワークスの塩川洋介さん。

あの『キングダムハーツ』や『ディシディア ファイナルファンタジー』に携わり、最近では言うまでもなく『Fate/Grand Order』の人です。

塩川さんは過去にも『「レベルアップ」のゲームデザイン』の監訳などもされていて、その本も知っていたので、今回著者で本を出版するということで、期待して書籍を購入しました。


新人ゲームプランナーに読んでほしい1冊

結論から言うと、新卒~3年目くらいの新人ゲームプランナーに読んでほしい本だな、と感じました。

なぜかというと、ゲームデザインという仕事の本質について、手っ取り早く知ることができるからです。

著者の塩川さんは、ゲーム業界20年以上の大ベテランです。
そんな方がこれまで経験されたことを凄く抽象化して、誰にでも転用できるようにとても大事な本質の本質だけを書いてくださっているので、これを新人の方が読むことで、ゲームデザイナーとしてかなりレベルアップすることができると思います。

新人の方に向けて、本書で特に学びになると思ったポイントをかいつまんでお伝えします。
以下を読んで頂いて、もし「もっと詳しく知りたい」と思われたら、ぜひ本を買っていただくのが良いと思います。


おすすめポイント①:「ゲームデザインに才能はいらない」と言い切っている

この本では、冒頭から、

ゲームデザインは「マニュアル化」できる

と断言しています。

多くの名作の中には、「この人が作った」「この人のアイデアから誕生した」という、「ゲームデザインは特別な才能を持った人にしかできない」と思ってしまうゲームがたくさんあると思います。

しかし、著者は「ゲームデザインという作業にはちゃんとした順序があり、それを守って取り組めばゲームデザインをすることができる」と言っているのです。

この言葉は、新人のプランナーにとってはとても救いのある言葉だと思います。
「自分には才能が無いんだ・・・」と早々に諦めてしまう前に、まずこの本に書いてあるゲームデザインのやり方を学んで、実践してみると良いのではないでしょうか。

僕は、個人的には新卒の時にこの本に出会っていたかったなぁ・・・と思いました。
どちらかというと体系化された知識を元に実践をする方が個人的に性に合っているので、この本に出会っていたら、スキルアップするのが数段は早まっていたのではないかと感じました。

「ゲームを面白くするって何から始めれば良いの!?」と悩んでいる新人の方にはぜひ読んでほしい本です。


おすすめポイント②:ゲームデザインとリーダーシップの両方について触れている

この本が良いところは、ゲームデザインに限らず、リーダーシップについても触れているところです。

そういう意味で、ゲーム開発の現場にすぐに活かせるとても実践的な内容の本だと思っています。

ゲームプランナーは、面白いアイデアを考えれば終わり、という訳ではありません。
そのアイデアをチームメンバーに伝えて形にして、ユーザーが「面白い」と感じるところまで責任を持つ必要があります。

どんな面白さを目指すのか?最終的にユーザーにどう感じてほしいのか?という意図や目的は、最初はプランナーの頭の中にしか無いわけですから、「こんな面白さを目指しますよ!」と旗を振ってチームメンバーをまとめなければ、ユーザーが満足することはおろか、プランナーが思い描くことを実現することもできません

そういう意味で、プランナーが開発現場でリーダーシップを取ることはとても重要なのです。

「それじゃあ、開発のどんなタイミングでどんなコミュニケーションを取れば良いの?」
と疑問を抱くと思いますが、そこはぜひ本を読んでみてください。

また、新人の方はゲーム1本を最初から終わりまで作る、という実務経験をしていない方も多いと思いますので、リーダーシップを発揮する必要がある場面で、「こういう時ってどういう考え方で判断をすれば良いか分からない。」と悩んでいる方も多いと思います。

そんな方に、「こういう考え方がありますよ」と教えてくれるのがこの本です。


おすすめポイント③:スキルアップするための具体的な方法が書いてある

さらにこの本でおすすめしたいポイントが、「ゲームデザイナーとしての基礎能力をどのように高めていけば良いか」というスキルアップ方法が具体的に書いてある点です。

「ゲームデザイナーとしてスキルアップするためには、この力を鍛えると良いですよ。そのためにはこういうことをすると良いですよ」と丁寧に教えてくれます。

その1つに「ゲーム力」ということが書かれていました。
当たり前ですがゲームデザイナーなので、ゲームの知識をつけるほど良いということです。
しかし「ゲームの知識をつけると良いですよ」だけで終わらせるのではなく、「こういうことを意識してゲームをプレイすると、仕事に活かせますよ」と教えてくれます。

このような形式でスキルアップ方法について書かれているので、新人の方には大変学びになるのではないかと思います。

この章1つだけととっても、僕は新人の時にこの本と出会っていたかったなぁと思いました。
仕事以外の時間を有効に使いたいと思っていましたが、どんなことをすれば仕事に活かせるかがあまり良くわかっておらず、もちろんゲームをたくさんプレイすべきだとは思っていましたが、漠然とプレイしていたなと反省しました。


というわけで、『ゲームデザインプロフェッショナル』について、新人プランナーの方におすすめしたいポイントをまとめてみました。

「スキルアップしいたけど、どうすれば良いか分からない!」という新卒~3年目くらいの方には本当にタメになる話ばかりですので、ぜひ購入をおすすめいたします。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?