なぜマリオはスタート画面でちょっと左にいるのか？

この質問の答え、分かりますでしょうか？
（答えはこのnote内の後半に書いてあります）

「マリオがちょっと左にいる」ことは、すごく些細なことに見えて、実はとても重要なことなんです。

ゲームプランナーになる前、普通の大学生だった僕には全く見当が付きませんでした。
でもその答えを知って、「ゲーム開発ってオモシロ！」と思わざるを得ませんでした。
（そしてマリオ開発者である宮本さんの凄さを知りました）

この質問と出会ったことで、僕はゲームプランナーになりました。

『スーパーマリオブラザーズ』は、僕にゲーム開発の面白さと奥深さを教えてくれたゲームでした。

-----

改めて、僕の #心に残ったゲーム は『スーパーマリオブラザーズ』です。

ゲームプランナーになる前、普通の大学生（ゲームの専門学校に行っておらず、ゲーム開発については全くの素人）だった僕は、とあるゲーム会社のインターンに臨んでいました。

タイトルにある質問は、インターンのメンターとして僕に付いてくれた方から教えてくれた話でした。

ある日、いつものようにインターン課題のフィードバックをしてもらっている中で、「ゲームはどのようにして設計されているか？」というプランナーの概論的な話をしてくれました。

その話の中で、

マリオってスタート直後だと画面のちょっと左にいるけど、
なんでマリオはスタート画面でちょっと左にいるか分かる？

と唐突に質問されました。

確かに、『スーパーマリオブラザーズ』の、あの有名な1-1のステージでゲームスタート直後ではマリオはちょっと左にいます。

僕は戸惑いました。
そんなことを聞かれても全く見当もつきませんでした。

「というかそもそも左に置いている理由なんてあるの？なんとなく置いてただけじゃないの？」って思いました。

しばらく考えましたが全くわからず、とうとう降参して教えてもらいました。

その答えは、これです。

「右に進んでいくゲームであることを教えるため」

この答えを聞いた瞬間僕は、正直「え？」と思いました。
「それだけ？」って。

でも、よくよく解説を聞いてみると「なるほど！」となりましたね。

その解説は、以下です。

・右にマリオがいると、左に進んでいくゲームを思われるかもしれない。

・正面にマリオがいると、左右どっちに進むゲームか分からない。
・または画面はスクロールせずに、空から落ちてくるモノを避けるゲームかもしれない。
・もしくは空へジャンプしていくゲームかもしれない。

・マリオがちょっと左にいて、右を向いていると、「右に行けば良いのかな？」と無意識に十字ボタンの右ボタンを押してしまうだろう。
・ゲーム内でプレイヤーに「右に進むんですよ」と口で説明することはできない。
・プレイヤーはゲームをしたいからテキストなんて読みたくない。だからテキストで説明はしたくない。
・でも右に進んでほしい。
・だから、「ちょっと左に置く」ことで、「マリオを右に進めてもらう」という目的を達成している。

この解説を聞いて、シンプルに感動しました。

「ゲームってここまで深く考えられて作られているんだ！」と。
「なんとなく見ていた画面すべてに理由があるんだ！」と。

ゲームを設計する時の思考の物凄い奥深さと、プレイヤーを無意識に動かしてしまうゲームの面白さに一気に引き込まれてしまいました。

その結果、今ではスマホゲームのゲームプランナーになり、様々な企画や仕様を日々作っています。

新しい仕組みを考える時は、スーパーマリオブラザーズの話を思い出して、「まずプレイヤーにどう思ってほしいか？そしてどう動いてほしいか？」ということを考えながら仕様を作成しています。

ゲームをプレイする時も、「この仕組みはプレイヤーにこういう行動をしてほしくてこうなっているのかな？」と分析しながらプレイしています。
noteではその気付きを以下のようにまとめていたりします。

そして僕が考えた意図通りにプレイヤーに動いてもらった時は、何にも変え難く嬉しいです。
この上ない喜びを感じます。

ゲーム開発（主にゲーム企画）の面白さは、なんと言ってもこの部分だと思います。

まさに「感情を動かす仕事」なんだなぁと実感します。

この面白さと喜びを教えてくれた『スーパーマリオブラザーズ』には感謝しかありません。

だから、僕が #心に残ったゲーム は『スーパーマリオブラザーズ』です。