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わたしのRPGログ - 攻略本と説明書


昔からRPGゲームが好きだ。

ドラクエ、FF、クロノトリガー、サガフロンティア、聖剣伝説、スーパーマリオRPG…

いいタイミングで少年時代を過ごしたと思う。


35歳になり、RPGゲームをプレイする機会がなくなった代わりに、自分の人生がまるでRPGのように動き出した。

10回以上は New Game を楽しんだドラクエIIIで言えば、今はアリアハン。スヤスヤと寝ている主人公が、母親に「起きなさい」とシンプルに起こされるあのシーンが、今だ。

これから自分がどんな人生を歩むのか。どんな仲間と共に戦っていくのか。35年生きてきて、今が一番わからない。「自分でストーリーを作ってください。街も道も山もないので、好きなように設計してください」白紙のシナリオを渡されたわたしの、率直な印象・感想だ。


出来るなら効率よく進みたい。アイテムはちゃんと回収したいし、強い仲間をパーティーに入れたい。かっこいい呪文を順序よく覚えたいし、できれば全滅は避けたい。

誰かに教えてもらいたいと思う。この道の正しい進み方。間違いのない攻略方法。1年後のわたしが素晴らしい街に辿り着けるように。良い感じの装備を身につけ、強敵をバッタバッタと薙ぎ倒せるように。


しかし、だ。攻略本を読んだあとのゲームほどつまらないものはない。アイテムを全て回収し、期待通りに活躍するパーティーを編成したあとにやるべきことは、ない。用意されている道を進む。勝手知ったる初見の敵を、秒で倒す。それで、楽しいのか。

攻略本が活躍するのは2パターンしかない。全クリ後に抜け漏れを確認し、マニアックにコンプリートを目指すとき。そして、どうしても進めなくなってしまったとき。

いずれにせよ、今じゃない。アリアハンで母親に起こされて早々、攻略本を見るバカがどこにいる。クリエイターに対する侮辱でしかない。右も左もわからないから城を出る一歩目が楽しいのだろう。アルミラージに苦戦するから、ドラクエは面白いのだ。


そして、ドラクエⅠ,Ⅱ からすべてのシリーズをクリアしてきたわたしは、説明書を見ずとも操作方法やルールはわかっている。AボタンやBボタンの操作性に変わりはないし、呪文の名前からおよその効力は想像がつく。性格システムだけは正解がわからないが。

今のわたしは最初の街、アリアハンにいる。上に行けば、何かがありそう。Xボタンを押せばメニューも開ける。「税金」という項目だけはよくわからないから、説明書を読んでみる。あ、説明書ってこういう時に使うんだと、35歳になって知る。

「お金の稼ぎ方」はなんとなくイケそうな気がする。攻略本を見たくなるけど、今はまだやめておこう。きっとそれを見たらつまらない。とりあえず進んでみて、どうしようもなくなったら開いてみようか。


さぁ、これから。ここからだ。しばらくは一人で、城の周りに道を作ってみよう。きっと今が、一番楽しい。わたしのドラクエは今、始まったばかり。

次の街に辿り着いたら note に記録を残していきたい。そこで見える景色や、新しい武器のこと。道中に出会った人たちや、倒したモンスターのこと。


出来ることなら、ミミックは避けたい。会心の一撃を喰らうわけにはいかない。HPと丈夫さには自信がない。

わたしの職業はたぶん、魔法使いと遊び人を足して10で割ったくらいの「その辺にいる人」だ。体力勝負は向かない。

憧れは「魔法戦士」なので、最初は(多少)得意な「魔法」の方で頑張り、徐々に体力や武力もつけていくのが、今のところの戦略だ。


そんなわけで、何を覚えようか。

ホイミはいらない。序盤の回復はサウナに任せる。手順通りに行けばメラ、ギラ、ルカニあたりか。攻撃的にいきたいので、ピオリムやバイキルト、イオラあたりを早めに覚えたい。しばらくはノーガード。瀕死になったらリレミト&ルーラでサウナへ。

ドラクエⅢで魔法使いか遊び人しか連れて行かない、わたしらしい戦略だ。




なにを書いているんだ。いったい。

まぁしかし、これも一つの冒険の書。とりあえず、消さないでおこう。



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