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北斎/HOKUSAI/サムライ画伝
フライヤーが格好良すぎて、終了する前に駆け込みで見に行ってしまいました。すみだ北斎美術館で2024.2.25まで開催の「北斎サムライ画伝」。両国駅に来るのはちょっと久しぶり。
撮影はできなかったのですが、入口に大きなテーマボードがあり、会場のQRコードをスマートフォンで読み取りフォトスポットにかざすと、北斎と弟子によるサムライたちが画面に現れて一緒に撮影できるというものが。ただ、サムライ達が画面上で動いているので、いい感じに全員を画面に収められず。反射神経が足りなかった・・・
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今回の展覧会は北斎や門人が描いたサムライの絵を集めたもの。このすみだ北斎美術館は、北斎の浮世絵を中心に様々なテーマで構成して見せる工夫をしているので、メジャーな作品はあまり出ていなくても、新しい視点で浮世絵を楽しめるのが良いところです。今回も読み本の挿絵みたいなものも多く、多色摺りとは違う、線だけで細かいサムライの装束や武具、馬などが見事に表現されていることに改めて気付かされました。
北斎が描く武者絵は、鎧を着ていてもその人物の動きを絵として表現することが意識されています。本展は北斎や門人たちがサムライを描いた作品を集めた展覧会です。
特にフライヤーに使われたこの2つは、その線の魅力がたっぷり。フライヤーではビビッドな背景色を入れていますが、全く負けていないのは線の力があるからなのか、と一人納得。
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これ以外にも様々な読み本が展示されています。シンプルな線で多彩なポーズや表情をさっと切り取ったような北斎漫画とはまた違う魅力。
でも、やはり錦絵は凄い。なんでしょうね、北斎の錦絵のこちらをはっとさせるような、人の視線を掴む感じは。色々な解説もありますが・・・動体視力が凄いから、鳥の動き、花や葉の風に吹かれる動きが精密、構図の消失点の取り方が従来の浮世絵と違う・・・どこまでが計算なのか、天才としての冴えなのか。100歳まで描きたいと念じた努力の果てなのか。
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私は後期に行ったので、一番右の怪力試しの二人が鐘を取り合っている絵を見ました。この紅白の縄が「X」に交差して上下に力自慢が二人。絶妙。しかしこの3枚とも、一人は色白の若武者風で、もう一人は褐色のゴツイ感じの力持ちの対決。定型なんでしょうか。まあ牛若丸と弁慶というのもその類いだし、古典的なシチュエーションですね。絵的にもバランス良し。
ところで葛飾北斎と言えば「冨嶽三十六景」がまず浮かぶ。今回、美術館サイトを見ていたら、あれらの錦絵を描いていたのは、何と70代!
錦絵の時代
天保元年(1830年)から天保4年(1833年)まで(71歳から74歳まで)
この時期には「冨嶽三十六景」などの風景版画や花鳥画など、現在も有名な錦絵の名作が多数生み出されました。従来、浮世絵には現在風景画と称されているジャンルはなく、「冨嶽三十六景」の大流行により、浮世絵に風景画を確立したのは、北斎の偉大な業績の一つです。
ピカソもですが、生涯に何度も画風を変えて、貪欲に新しい絵を求めて生きることと描くことに執着する天才って、凄まじいエネルギー。
なお、私にとっての北斎の人となりの印象は、杉浦日向子先生の漫画「百日紅」でできています。これは大半がフィクション?と思いきや、その後に足を運んだ展覧会の解説や本を読んでも、出てくる細かいエピソードが全て漫画に織り込まれていたので、どんどんそのイメージが補強される一方で・・・いかに杉浦日向子先生が、江戸時代の市井の暮らしから文化まで丹念に調べていたのかがわかります。漫画としても面白いですが、画狂老人、葛飾北斎の伝説は全てわかる一冊と言えるかと(上下巻だけど)。
様々な逸話と合わせ、北斎が死の直前に放ったと言われる言葉も、作品も、全てが北斎伝説を作ってるなあ、と今回の展覧会で再確認。
天我[てんわれ]をして五年の命を保たしめば、真正の画工となるを得べし
展覧会の画像がないので、最後にお気に入り画像を。うーん、この2種類の絵しか取り上げるべきものがなく見えるかも?そんなことはないですからね。私にとっては北斎のサムライ画再確認のキッカケだった、ということでお許しを。
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この辺りに来ると、浮世絵に出てくる地名が身近で楽しいです。以前は、せっかく隅田川渡ったんだから、と、更に北上して三囲神社にお参りして長命寺の桜餅を食べたことがあります。今回はぱぱっと美術館にだけ立ち寄りましたが、久しぶりに隅田川を散歩したいな。
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