西島聡

展覧会に行く→学芸員の人達が練ったテーマで構成された作品を眺めながら解説をふむふむと読…

西島聡

展覧会に行く→学芸員の人達が練ったテーマで構成された作品を眺めながら解説をふむふむと読む→ショップで絵はがきを買って友人に出す→(撮影OKのときは)お気に入り画像をおうちで眺める→リーフレットをファイリングする。これが私のMuseumの原型。新しいMuseumづくりにウキウキ。

最近の記事

今見ても新しい日本画:福田平八郎 大回顧展@大阪中之島美術館

  金曜日帰り大阪&京都展覧会4カ所巡り、というちょっと詰め込みすぎな旅の目的地の1つがこれ。「没後50年 福田平八郎」の回顧展。   前回、大阪中之島美術館まで「長沢芦雪展」を見に来た時にあった次回予告がこれでした。福田平八郎は、山種美術館の企画展示には何だかんだと1-2枚入っていますが、まとめて見たのは大昔の日本画カレンダー(毎年、日本画巨匠を一人ずつ特集するちょっと豪華版)だけだった、と気づき、よし、これはもう一度大阪に来るぞ、と。   最近は前売りを買って気持ちお

    • シン東洋陶磁@リニューアルした大阪市立東洋陶磁美術館をみっちり堪能

        約2年間の改修工事を経て、リニューアルオープンした大阪市立東洋陶磁美術館の初日4月12日は、偶然、大阪中之島美術館の「福田平八郎展」へ行こうと予定していたので、なんたる偶然!と朝一番にまずこちらへ。   昔、大先輩にここは見に行くべし、と言われていましたが機会がなく、今回が初訪問。しかし、昨春、東京の泉屋博古館で「特別展 大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101」としてこちらの安宅コレクションがどーんと貸出展示されており、一目でそのコレクションの大ファンに。

      • これが更科日記だ「皇室のみやび」第3期@皇居三の丸尚蔵館

          桜の時期の皇居は、観光客で混んでいることを忘れてました。予約時間ギリギリだったのに、大手門の手荷物検査に行列が・・・とちょっと焦りましたが、展覧会自体は平日隙間時間を縫ったためか、ゆったり見られました。皆さん、お庭が目当てだったのね・・・   今期も全て写真OK。作品数もそれほど多くないので、1回はじっくり見て、もう1回は写真撮りながら回って、最後にもう1回好きなものをじっくり見ても1時間あれば十分。今回は「近世の御所を飾った品々」で、第1室は硯、聞香セット、髪の毛お手

        • 本気の検証「大吉原展」@東京藝術大学が教えてくれた江戸吉原文化

            杉浦日向子先生の江戸時代を描いた漫画で、歴史の教科書ではわからない江戸文化の奥深さを知り、この手の展覧会には目がない私としては、前売り券を買い、満を持して鑑賞の時間を2時間以上確保して行きました。が、足りなかった!17:00閉館と他よりも早めなことも失念していましたが、本気で時代考証しており、見応え・読み応えが凄い。またもやショップは最後の5分駆け込みに。   本展については、開催前に「吉原を美化している」という批判があったこともあり、冒頭で非常に丁寧に展覧会の趣旨を説

        今見ても新しい日本画:福田平八郎 大回顧展@大阪中之島美術館

        • シン東洋陶磁@リニューアルした大阪市立東洋陶磁美術館をみっちり堪能

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          アートになりたい?パーフェクト・カモフラージュ展@ワタリウム美術館

            表参道にあるヒグチユウコの「ボリス雑貨店」へ行こうと思ったら休業日だったという、ちょっとガッカリな日。そのまま外苑前まで裏道を歩いていたら、ワタリウム美術館の近くに出てきたので、これもご縁と「パーフェクト・カモフラージュ展ー私はアートになりたい」と、同時展示さわひらきのドローイング展を突発鑑賞。   正直に言うと、後から解説読まないと何がカモフラージュだったのかは、あまりピンとこなかった・・・のですが、展示作品はとても面白かったです。アンディ・ウォーホルは好きだし、キー

          アートになりたい?パーフェクト・カモフラージュ展@ワタリウム美術館

          住友本邸を飾った木島櫻谷の華麗な大屏風@泉屋博古館東京

            2023.6.03-7.23に泉屋博古館東京で開催された木島櫻谷の特別展がとても良かったので、あの時見たキツネの屏風がまたあるかな?と「ライトアップ木島櫻谷ー四季連作大屏風と沁みる『生写し』」へ。   写真撮影は1枚だけ・・・そ、そんな・・・と思いつつ、その分集中して見ましょう、とじっくり拝見。ここは小ぶりな展示室×4部屋なので、ゆっくり見ても1時間かからない。今回は更に1室が目玉の大屏風5セット+掛け軸1つで占められているので、展示数は少なめ。人によっては「え、これだ

          住友本邸を飾った木島櫻谷の華麗な大屏風@泉屋博古館東京

          安井仲治「僕の大切な写真」が見せてくれるもの@東京ステーションギャラリー

            戦前の写真家の作品は、写真で何ができるだろう、というワクワク感があるというか、カメラの性能もカメラマンの技巧もまだ発展途上なだけに、「こんなことやってみたぜ」みたいな荒削りな作品が多くて面白い。創生期に属した人だけが味わえる、何でもアリな感じ。ということで、新しいものに挑戦する気持ちを味わいに行ってきました。 https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202402_yasui.html   なぜか?展覧会サイトのリンクが味気な

          安井仲治「僕の大切な写真」が見せてくれるもの@東京ステーションギャラリー

          皇室のみやび、再び。第2期: 近代皇室を彩る技と美@皇居三の丸尚蔵館

            この2期はスキップしようと思っていたのですが、他の人の感想を見ていたら、見に行きたい気持ちがむくむくと。日時指定が取れたら・・・と思ったら意外と空いていたので、2024.02.25にそそっと鑑賞へ。皆さん、皇室のお宝だと古いものを期待しちゃうのか?(私がそうなだけか)   第1期のように、教科書で見たぞ、というようなわかりやすい逸品はありませんでしたが、近代工芸の粋が集まっていて、工芸品好きだったら見応えはあります。第一章は、身近に愛用された品々という感じ。 第一章 

          皇室のみやび、再び。第2期: 近代皇室を彩る技と美@皇居三の丸尚蔵館

          雪の中の展覧会ー奈良美智: The Beginning Place ここから

            この瞳に映るモノと涙が気になり、根性を試されている?と(勝手に)思いながら、展覧会の最終週末2024.2.24に、東京から青森への日帰り訪問を決行。どうしても見たい、という気持ちが勝った!奈良美智が故郷青森でのみ開催した「The Beginning Place ここから」を見てきました。   昨年10月から開催していたのですが、この後、巡回するんだろうな、と高をくくっていました。新春になって2024年展覧会情報雑誌(今年はぴあと日経大人のOFF)を買ってふんふん、とチェ

          雪の中の展覧会ー奈良美智: The Beginning Place ここから

          北斎/HOKUSAI/サムライ画伝

            フライヤーが格好良すぎて、終了する前に駆け込みで見に行ってしまいました。すみだ北斎美術館で2024.2.25まで開催の「北斎サムライ画伝」。両国駅に来るのはちょっと久しぶり。   撮影はできなかったのですが、入口に大きなテーマボードがあり、会場のQRコードをスマートフォンで読み取りフォトスポットにかざすと、北斎と弟子によるサムライたちが画面に現れて一緒に撮影できるというものが。ただ、サムライ達が画面上で動いているので、いい感じに全員を画面に収められず。反射神経が足りなか

          北斎/HOKUSAI/サムライ画伝

          岩崎家と三井家、どちらも御用達。丸平大木人形店のお雛さまを愛でる

            恒例のお雛さま。昨年は、岩崎・三井・徳川を制覇。自宅では飾れないから、展覧会で雛祭り気分を・・・ということで、静嘉堂と三井記念の両方のお雛さまをハシゴ。まだ気持ち早いのか?どちらも日曜日でも空いていて、のんびり見られました。   とにかくゴージャス。そして不思議なのは、嫁入りしてきた奥様にお雛さま一式を準備すること。娘が生まれたら、じゃないのか?でも娘に作った、というのセットもあるし、お嫁入りに持ってきた、のもある。一家に一体何セットあるのか・・・ということで、時代によ

          岩崎家と三井家、どちらも御用達。丸平大木人形店のお雛さまを愛でる

          目も、耳も、脳も、坂本龍一の音に浸る 

            気になっていた「坂本龍一トリビュート展」へ。昨年3月頭頃、アーティゾン美術館で「ダムタイプ」を偶然見て(元々は同時開催の「アートを楽しむ」のついでだった)、様々なメディアやジャンルがミックスした不思議ワールドにどっぷり浸かり、坂本龍一も参加しているのか、と知ったのが始まり。その直後に亡くなられたので更に記憶に残りました。   タイトルにあるように、音楽とアートとメディアがミックスされたインスタレーション。坂本龍一ならではの創造の世界を表現しようとしています。音楽ではなく

          目も、耳も、脳も、坂本龍一の音に浸る 

          心うるおう、脱力系。池大雅の山水画

            文人画はどれも同じに見えていたので、熱心な鑑賞者ではなかったのですが、2023年秋に泉屋博古館東京で開催した「楽しい隠遁生活ー文人たちのマインドフルネス」で色々見て解説を読んで、その「知的な脱力感」がちょっと楽しくなってたのと、今回、国宝「楼閣山水図屏風」は最初の方だけ出るとあったので、よし、と開始早々、出光美術館へ。   うーむ、単眼鏡ある方がいいですね、文人画系は。山水画といっても細部が細かく書き込まれているのと、その隅っこに詩心や意味があったりするので、もっとアッ

          心うるおう、脱力系。池大雅の山水画

          中平卓馬 火|氾濫 は、濃かった。最近の東京国立近代美術館は攻めてる

            名前しか知らない写真家だったので迷いましたが、ここ何回かの東京国立近代美術館の企画展は、見ておいてよかった、というアタリが個人的に多いので、今回も早めに訪問。で、正解だった。好き嫌いありそうですが、雑ぱくな高度成長期エネルギーとその裏側的な昭和の空気感好きなら是非。   行く前に展覧会サイトをチェックしていたら、この人の生き様がすでに濃い。初期のスタイルを1973年に自己批判し、それまでのプリントやネガの大半を焼却(が、2000年代初頭に残されたネガ発見)、1977年に

          中平卓馬 火|氾濫 は、濃かった。最近の東京国立近代美術館は攻めてる

          六本木ミッドタウン3本立ては織田有楽斎×緑川洋一×とらや

            サントリー美術館で「大名茶人 織田有楽斎」が2024.1.31~3.24で始まった、ということで早速ミッドタウンへ。昨年、愛知県犬山へ行った際、有楽斎ゆかりの国宝茶室「如庵」を見たこともあり、気になっていました。茶室だけで全く人となりは知らなかったので、この機会に。   織田信長の弟(なんと第11子。何人兄弟だったんだ)ということですが、歴史でも信長以外だと、悲劇のヒロインお市の方しか兄弟姉妹は意識したことがなかった。この有楽斎、本能寺の変、関ヶ原の戦いを経て、あの戦乱

          六本木ミッドタウン3本立ては織田有楽斎×緑川洋一×とらや

          梅は咲いたか桜はまだかいな「大倉集古館の春」で一足早く桜を愛でる

            2024.1.23から3.24で開催の「大倉集古館の春」に行ってきました。桜まで待つか・・・と思いつつ、梅も咲き始めているし、季節先取り。随分前に見たきりの横山大観「夜桜」も展示されるということで、楽しみにしてました。   いつもは神谷町駅から坂を上がりますが、本日は久しぶりに江戸見坂をてくてくと。急で辛いですが、好きな坂なのでおまけで写真を・・・   大倉集古館は、小ぶりなので、気楽に見に行けます。今回のテーマは、新春に縁起良くいこうぜということで、「扇」や「龍」そ

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