西島聡

展覧会に行く→学芸員の人達が練ったテーマで構成された作品を眺めながら解説をふむふむと読…

西島聡

展覧会に行く→学芸員の人達が練ったテーマで構成された作品を眺めながら解説をふむふむと読む→ショップで絵はがきを買って友人に出す→(撮影OKのときは)お気に入り画像をおうちで眺める→リーフレットをファイリングする。これが私のMuseumの原型。新しいMuseumづくりにウキウキ。

最近の記事

田名網敬一の全てが詰まってた「田名網敬一 記憶の冒険」@国立新美術館

  昨日、麻布十番で用事があったので、それならば寄っていこうと出かけた田名網敬一展。帰宅して朝日新聞見たら訃報が出てた・・・ご冥福をお祈りいたします。ちょっと前にTVで特集番組を見た時も、会場のインタビュー映像見ても、88歳には見えない元気なお姿だったので、ちょっとショック。   文字通り大規模回顧展であまりの作品数と色彩の洪水に途中でクラクラしそうでした。絵の構成要素が濃密すぎて、どこに視点を置いていいのかわからなくなってくるような。全体を眺めるべきか、細部を確認していく

    • 湯布院で現代アートを堪能@COMICO ART MUSEUM

        先日、憧れの湯布院玉の湯へ友人とショートトリップ。温泉三昧が基本だったのですが、ここにある「COMICO ART MUSEUMがいいらしい」と友人が見つけてきたので、予約して見てきました。   まず、建物がおしゃれ(隈研吾)。ちょっと前に1棟追加されたとのことで、展示品も増えたらしく、1時間くらいで見るのに丁度良いサイズ。最近は宿泊もできるようになっているらしい(1組にまるっと一棟貸す)。   現代アートが集められており、まだ絶賛活躍中のアーティスト作品ばかりです。企

      • ちまっと可愛い「いきもの賞玩」@皇居三の丸尚蔵館

          コンパクトな展示ではありますが、最近ではお手頃感のある一般1,000円かつ国のお宝ばかりということで、リニューアルしてからお気に入りの皇居三の丸尚蔵館。今回は「いきもの賞玩」。感動!というよりも気軽に楽しめました。   最近見た?という展示品もありましたが、私は好きなものは何度でも見たいタイプなのでよし。そして「あ、こんなところにいる!」という発見が楽しいので、展覧会でもすみっこまで拡大して見ては楽しんでました。是非、ちまちまっとした可愛らしさを堪能してください。単眼鏡

        • 2024年上半期の書き残し②SHISEIDO GALLERY

            銀座7丁目の資生堂パーラーの地下にあるギャラリー、フリーで小ぶりということもあり、気楽に立ち寄れるのですが、上半期に見た展示で良かったものを3つほど。  1.君の存在は消えない、だから大丈夫。  3月に開催されていた「shiseido art egg」第17回目の一人、野村在氏の展覧会タイトル。このタイトルにしびれた。   なんと言えばいいのかな。「断捨離する!」と言って、多少なりとも生活を身軽にしようとしつつも、嵩張らないからデジタル上には膨大な記録が残っている。写

        田名網敬一の全てが詰まってた「田名網敬一 記憶の冒険」@国立新美術館

          2024年上半期の書き残し①画鬼 河鍋暁斎@静嘉堂丸の内

            2024年もあっという間に半分終了。展覧会も見に行く方に夢中になってメモも残せないままのものが溜まっていく・・・振り返り、大事。せっかく鑑賞したのに、気になったものをそのままにしてしまっているなあ。   ということで、手帳を見て「そうそう、これ面白かった」と思い出しながらも、多忙を言い訳に記録できていなかった1つが、5月に静嘉堂@丸の内で鑑賞した「画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎」。   収蔵品のうち国宝の曜変天目茶碗は別格として、静嘉堂がここぞ、という時に必ず展示す

          2024年上半期の書き残し①画鬼 河鍋暁斎@静嘉堂丸の内

          パリ・東京・大阪モダンアートコレクション、TRIO展@東京国立近代美術館

            「3都市の美術館のコレクションが集結」という謳い文句に惹かれて、梅雨の大雨の日に行ってきましたTRIO展。   展覧会サイトやフライヤーに掲載されている作品がちょっと地味目?という気はしましたが、最近の東京国立近代美術館は攻めた展示が多いので、何かあるだろうと期待して行ってきました。結論としては、面白かったのですが、1テーマで各美術館から1枚(あるいは1セット/シリーズ)ずつセレクトされているため、全部で34ものテーマを見ていくことに。これがなかなかお腹いっぱいになる。

          パリ・東京・大阪モダンアートコレクション、TRIO展@東京国立近代美術館

          「皇室のみやび」展の締めくくりで唐獅子を見に@皇居三の丸尚蔵館

            皇居三の丸尚蔵館リニューアルオープン記念「皇室のみやび」展もラスト第4期。ここまできたら皆勤賞という気持ちが後押ししたのは否めない。予定が立たず、日時予約必須なこの展覧会のカレンダーが埋まっていくのを横目に見つつ、ようやく日程調整して鑑賞してきました。   今回は社会の教科書で「安土桃山時代」と言えば必ず掲載されるこの屏風をじっくり見たかった。一度見た記憶があって過去の展覧会記録をざっと辿ったが見つからない。教科書で見た気になっているだけなのかな?   実はこの左隻が

          「皇室のみやび」展の締めくくりで唐獅子を見に@皇居三の丸尚蔵館

          Diamonds are a Girl's Best Friend! TIFFANY Wonder@TOKYO NODE(虎ノ門ヒルズ)

            久々のジュエリー展。随分前にブルガリ見て以来・・・?いや、パナソニック汐留美術館でコスチュームジュエリー展が最近ありましたね。なぜかジュエリー展に行くとテンションが上がります。   今回のティファニー展は、品揃えだけでなく部屋毎に視点を変えてブランドの世界観を追求しているのが良かったです。歴史的は当然ですが、各デザイナーの特徴、新たな貴石を使いトレンドをどう作ったのか、更にはニューヨーク5番街のウィンドーのディスプレイのミニチュア、セレブへのゴージャスなジュエリーの貸し

          Diamonds are a Girl's Best Friend! TIFFANY Wonder@TOKYO NODE(虎ノ門ヒルズ)

          村上隆 もののけ 京都は、言い訳と発展途上を楽しむべし@京セラ美術館

            ふるさと納税の返礼品チケットをようやく使う日が来た、とウキウキと観に行った村上隆の展覧会で一番印象に残ったのは、作品のあちこちに散りばめられた村上隆の言い訳という名の解説文。作品、タイトル、言い訳、全部ひっくるめて「現時点でこれがウチの工房のやれること目一杯なんで、一部作りかけだけど、そこはよろしくね」とアーティストと工房の雰囲気が伝わる?展覧会でした。   村上隆の個展は初めてなので、比較対象がないからこれが常態なのか、異常事態なのかがわかりませんが、スーパーフラット

          村上隆 もののけ 京都は、言い訳と発展途上を楽しむべし@京セラ美術館

          アフロ民藝/シアスター・ゲイツ展@森美術館

            同じ六本木ヒルズで開催中のMUCA展を見るなら、こっちも・・・ということで寄ってみた「シアスター・ゲイツ展」。フライヤー見た時は、ちょっと守備範囲外だな、と思ったのですが、「ゲイツ」を漢字で「門」と描いたりしているのを知り、お茶目そうだし何か発見あるかも、とのぞいてみることに。   うーむ。私にはストライクゾーンちょっと外したかな。日本の「民藝」関連も、柳宗悦とか河井寛次郎、芹沢銈介や柚木沙弥郎をここ1-2年展覧会で見る機会が多かったのですが、「見ていて気持ちいい」とい

          アフロ民藝/シアスター・ゲイツ展@森美術館

          ドイツから初上陸、Urban ArtのMUCA展@森アーツセンター・ギャラリー

            今年の現代美術ラインで一番、期待していたのがこの「ICONS of Urban Art MUCA」展。人気のバンクシーからカウズまで、ストリート・アート系の人達の作品をコレクションしているMuseum of Urban and Contemporary Art (MUCA)から初来日ということで、混雑しそうなタイミングを避けて鑑賞してきました。   この展覧会を知るまで、MUCAを知りませんでした。てっきりNYにあるのかと思いきや、ドイツのミュンヘンに。   今回、1

          ドイツから初上陸、Urban ArtのMUCA展@森アーツセンター・ギャラリー

          「北欧の神秘」展は白夜の国の気配@SOMPO美術館

            ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画展という、ちょっと変わった展覧会。ムンク以外は名前が浮かばず、雪、白夜、神話、フィヨルド、トナカイ・・・といったイメージだけでしたが、元々神話の類いは好きなので、新たな出会いを期待して観に行ってみました。   面白かったです。幻想的なものが多く、特に物語の場面を描いたものは、センダックの絵本のような怖いもの見たさのような、不気味な可愛さがある。風景画もスカンディナビア半島の豊かで厳しい自然が描かれていて、ちょっと他の欧州の風景

          「北欧の神秘」展は白夜の国の気配@SOMPO美術館

          木村伊兵衛×時間旅行×記憶:リメンブランス@東京都写真美術館3本立て

            写真家の略歴を見るとよく出てくる「木村伊兵衛写真賞受賞」の言葉。しかし、2022年の本城直季の展覧会をきっかけに、写真展も積極的に足を運ぶようになった新参者なので、木村伊兵衛単独の展覧会はこれが初めて。ようやくのチャンス!東京都写真美術館に来る時は、3本まとめた方が、セット券でちょこっとお得になるので、タイミングを図り、企画展3本立てで上から下まで鑑賞してきました。   今回一番のお目当て「没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる」は、残念ながら入口のボードしか撮影できず。

          木村伊兵衛×時間旅行×記憶:リメンブランス@東京都写真美術館3本立て

          最後の文人画家「富岡鉄斎」展@京都国立近代美術館

            金曜日帰り大阪&京都展覧会4カ所巡り、それを締めくくる展覧会がこれ。「没後100年 富岡鉄斎」展。   金曜日の京都国立近代美術館は20:00まで開館、ということで朝9:30に大阪市立東洋陶磁美術館からスタートし、17:00頃にこちらに到着。   通りを挟んだ正面にある京セラ美術館では、「村上隆 もののけ 京都」展で混んでいる気配が。こちらはふるさと納税でチケットは確保していますが、友人と日程が合わずまだ未鑑賞。TVの特集を先に見てしまったなあ、と行列を横目に富岡鉄斎

          最後の文人画家「富岡鉄斎」展@京都国立近代美術館

          今見ても新しい日本画:福田平八郎 大回顧展@大阪中之島美術館

            金曜日帰り大阪&京都展覧会4カ所巡り、というちょっと詰め込みすぎな旅の目的地の1つがこれ。「没後50年 福田平八郎」の回顧展。   前回、大阪中之島美術館まで「長沢芦雪展」を見に来た時にあった次回予告がこれでした。福田平八郎は、山種美術館の企画展示には何だかんだと1-2枚入っていますが、まとめて見たのは大昔の日本画カレンダー(毎年、日本画巨匠を一人ずつ特集するちょっと豪華版)だけだった、と気づき、よし、これはもう一度大阪に来るぞ、と。   最近は前売りを買って気持ちお

          今見ても新しい日本画:福田平八郎 大回顧展@大阪中之島美術館

          シン東洋陶磁@リニューアルした大阪市立東洋陶磁美術館をみっちり堪能

            約2年間の改修工事を経て、リニューアルオープンした大阪市立東洋陶磁美術館の初日4月12日は、偶然、大阪中之島美術館の「福田平八郎展」へ行こうと予定していたので、なんたる偶然!と朝一番にまずこちらへ。   昔、大先輩にここは見に行くべし、と言われていましたが機会がなく、今回が初訪問。しかし、昨春、東京の泉屋博古館で「特別展 大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101」としてこちらの安宅コレクションがどーんと貸出展示されており、一目でそのコレクションの大ファンに。

          シン東洋陶磁@リニューアルした大阪市立東洋陶磁美術館をみっちり堪能