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都市鉱山とは?世界に自慢できるかもしれない日本の新たな資源


「ニュースで都市鉱山って言葉を聞いたけど、どんなものなんだろう?」
「都市鉱山ってどんなものが取れるんだろう?」


都市鉱山という言葉を初めて聞く人は「都市に鉱山?」と不思議に思うのではないでしょうか?。
「都市」と「鉱山」というおよそつながりにくい単語がならぶので、上記のように逆に興味を持った人もいると思います。
「リサイクル事業と同じでは?」と感じた人もいると思いますが、あえて鉱山と呼ばれるにはそれなりの理由があるのです。

では
「なぜわざわざ鉱山と呼ぶの?」
「そもそも都市鉱山とは何なの?」
「どんな問題点があるの?」

などについてこれから紹介していきます。



都市鉱山とはそもそも何なの?なぜ「鉱山」と呼ぶの?



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「都市鉱山とは」を簡単に説明すると、日本国内にある小型家電などの廃棄物の山のことを指します。この廃棄物の山から希少なレアメタルや金、銀などの金属資源を取りだして再利用できるので、廃棄物の山を鉱山に見立てて都市鉱山と呼びます。

とはいえ「鉱山」と呼ぶには少し違和感を抱く人もいるのではないでしょうか?。
なぜなら「廃棄物をリサイクルしても、大した量は取れないんじゃないの?」という疑問が浮かんでくることが予想できるからです。

端的に言ってしまうと「呼び方が盛り過ぎなのではないか?」という疑問ですね。

しかし、呼び方が盛り過ぎではない根拠として、日本国内にある金属資源の蓄積量は、世界一の埋蔵量を誇る国よりも多いという事実があるのです。
たとえば南アフリカは、金の埋蔵量が約6,000トンと言われていますが、日本の都市鉱山の金の蓄積量は約7,000トンと予想されています。
また日本の都市鉱山の銀の蓄積量も、世界の埋蔵量の23%を占めると言われており、世界一の埋蔵量を誇るポーランドを圧倒しています。
(※記載の数字は2020年6月確認時のもの)

このように、日本国内に蓄積されている金属資源が世界を圧倒する数字である以上、廃棄物の山を「鉱山」と呼んでも差し支えないと言えるのはないでしょうか。



都市鉱山は「蓄積量」を「埋蔵量」に変えられるかが重要

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前項で世界の埋蔵量と日本の都市鉱山の蓄積量を比較しましたが、実は蓄積量を単純に資源としてとらえることができない事情があります。

それは「蓄積量」と「埋蔵量」には大きなちがいがあるからです。

「埋蔵量」は採掘すれば資源を手に入れることができ、お金に換えられる量を示しています。
対して「蓄積量」は、ただ単純に日本国内に存在していると予想される量を示しているだけなのです。

つまり、蓄積量は埋蔵量のように資源が手に入ることを予想できる数字ではなく、ただ「ある」だけなんですね。
そのため、蓄積量を埋蔵量に変換するための対策が重要になります。

具体的に必要と思われる対策は以下のとおりです。
・都市鉱山から金属資源をより効率よく取ることができる技術
・金属資源を含む小型家電をリサイクル事業にまわすための法整備
・効率よく小型家電の廃棄物などを集めるためのネットワーク整備

これらを発展させていくと廃棄物から金属資源を効率よく取れるようになるので、蓄積量を埋蔵量にカウントできる割合も増すことができます。



日本の都市鉱山の埋蔵量はどれくらい?

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現在の日本にある金属資源の埋蔵量はどれくらいかと言うと、まだよくわからないとしか言えません。
というのも、埋蔵量は先ほども触れたとおり技術や周辺環境の整備、そして取引される価格によって流動的に変化するからです。

蓄積量はある程度予想できても、埋蔵量はその時々によって変わるのが実情です。


都市鉱山はレアメタルの宝庫

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都市鉱山で得られる資源には、先ほど触れた金や銀のほかに代表的なものとしてレアメタルがあります。ちなみに「レアメタルとは何か?」を簡単に説明すると「技術的・経済的に手に入りにくい希少な非鉄金属」の総称のことで、レアメタルという固有の金属資源があるわけではありません。

レアメタルはLCDパネルの透明電極に使われるインジウムや、モバイル機器に使われる高性能コンデンサ用のタンタルなどの31種類に分かれています。日本の都市鉱山にあるレアメタルの蓄積量はどれくらいかと言うと、インジウムは世界の埋蔵量の16%、タンタルは世界の埋蔵量の10%、錫(すず)は世界の埋蔵量の11%を占めると言われています。
(※記載の数字は2020年6月確認時のもの)

このほかにも、日本の都市鉱山には全世界の埋蔵量の10%を超える金属資源が蓄積されていると言われているのです。


下水から金が取れた?都市鉱山の活用例

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都市鉱山の活用例として面白いのは下水汚泥から金を精製した例です。

長野県にある諏訪湖流域下水道豊田終末処理場で下水汚泥を調査したところ金が含まれていると判明しました。
精製の結果、2008年に約4,000万円の売却益が出るほどの金が取れたそうです。

都市鉱山の商業ベースの活用例を挙げると、国内最大規模のリサイクルネットワークを持つ非鉄金属大手のDOWAホールディングスでは、秋田県にある小坂精練所にて銀を年約400トン、金を約6トン精錬しています。
このほかにも錫やニッケル、アンチモンやセレンといったレアメタルも回収しています。
(※記載の数字は2020年6月確認時のもの)

また最近では、海外で廃棄された小型家電などを輸入し、金属資源を回収する企業も増えてきているそうです。


まとめ

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都市鉱山は「質のいい資源を輸入し、素材や製品に加工して販売する」という日本のビジネスモデルが生み出したものです。うまく活用できれば10年後の日本は資源大国になっていてもおかしくないほどの蓄積量があります。
蓄積量を埋蔵量に効率よく変換できる技術や法整備が整えば、日本が他国に金属資源を輸出できるようになるかもしれません。

今回、都市鉱山のことを調べて個人的に面白かったのは、やはり下水から金を精製できた例です。現代の錬金術とも言えるこの事実は非常に興味深いです。
かつての黄金の国ジパングの復活か?と期待してしまいますね。

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