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文語チャレンジ

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昔の短歌も読めるようになりたいと思い立ち、勉強のためひとつひとつ品詞分解をしながら文語短歌を詠んだ記録です。文法について参考にさせていただいたのは、今野寿美著『短歌のための文語文… もっと読む
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記事一覧

【文語⑨】連体形止めについて

 うたの日お題「白銀」用によんだ歌の推敲に当たって、字数あわせに連体形を使いたくなって思…

【文語⑧】触(ふ)るのふたつの活用について(ラ行四段とラ行下二段)

 前回の推敲パートで形のかたまった、うたの日お題「白銀」の歌ですが、古語にしたため品詞分…

【文語⑦】夕闇にぬぎすてられし靴下のあしのかたちを抱きて寂しき

 実はこのくらいだったら、文法がまちがっているかもしれないというむやみな不安におそわれる…

【文語⑥】立冬すぐ天いよいよ風を捲き子らに厚着をせしむれと捲く

品詞分解すぐ:過ぐ [動詞、ガ行上二段、終止形] いよいよ:[副詞] 捲き:捲く [動詞、カ行四…

【文語⑤】独り寝の寒きベッドに軋みたるスプリングじんと響きゆきたり

品詞分解 寒き:寒き [形容詞、連体形] 軋み:軋む [動詞、マ行四段、連用形] たる:たる [助…

【文語④】迷い子は酔いしれてこそ集はれめおなじき夢をやみむとせにけむ

 先日はたいへんな飲み会に足を踏み入れてしまい、しばらく心がしんどい状態だったのですが、…

【文語②のおまけ】「ならべり」の品詞分解と接続

「ならべり」か「ならびり」か。助動詞「り」の接続の例外処理  さきの文語短歌の品詞分解の記事で、調べているあいだに知った完了の助動詞「り」の接続の特殊性についてメモします。これはほとんど自分用のメモです。  結句の「ならべり」は、なんとなくの語感でよんでいて、結果的にあってはいたのですが、完了の助動詞「り」の接続が複雑だと言うことを調べて知ったので、記録しておきたいと思います。文意としては「言い訳は迷い迷って飲み込んだことを思い出させる(水子)地蔵がならんでいる」という完

【文語③】ふりつみし詩歌の底の鉱脈にふればはんとぞ文語はじむる

 先日うたの日で文語の日がありました。なんというタイミング。文語の歌を詠めるようになりた…

【文語②】言ひ訳をまよひまよひて飲みこみしことをおぼゆる地蔵ならべり

 ふたつめの文語チャレンジは、今野さんの本をちょうど読みはじめた辺りでよんでみた文語短歌…

【文語①】落つる葉が恋し山さへみえぬ街花よりあかしと聞こえしものを

 最近、今野寿美さんの『短歌のための文語文法入門』という本を読んでいます。近代の方の歌集…