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足で釣れ、影を釣れ、穴を釣れ!

#37|フライフィッシング/FlyFishing
2020年9月16日/新潟県上越地方

はやくも2020年シーズン終盤戦。少雪にはじまり、コロナ禍、長雨、酷暑、渇水…有事や異常気象が立て続く厳しいシーズンになったことはいうまでもない。

特に8月、連日の猛暑による渇水の影響は終盤まで響いていた。悲鳴を上げる渇ききった流れから魚を引き出すのは至難の業。 8月1日の釣行以降、2度同じ渓谷に訪れてみたものの、低活性、貧釣果に泣かされている。3タテを阻止するべく挑んだ、 シーズン最後の釣行を振り返る。

道中、真っ暗闇の山道脇にクマの姿。車に驚いたクマは一目散に茂みへと逃げて行ったが、緊張と不安が交錯。

午前4時30分、谷へと降りる山道に足を踏み入れた。ライトで足元を照らし、クマ避けの笛をピーピー吹きながら、歩き続けること1時間、空が朝焼けに染まった。闇を抜け、少し緊張が解けた。

夜が明け、渓谷に降り立つと、ツリフネソウに萩……哀愁を感じる初秋の空気感も、流れは夏の渇水を依然引きずっている様相。すこぶるクリアな水質に、ドピーカンが重なるダブルパンチ。激渋必至だ。

ならばと岩盤のえぐれや、落ち込み脇のシェードを中心に狙ってみる。魚が身を隠しているであろう岩影にしつこくフライを流し込むと、スーッと忍び寄る影…。でもフライ手前で足早にリターン。警戒心が強く、なかなか口を開いてくれない。同様の光景が何度も繰り返され、マジックアワーは空振りに終わった。ただただ時間だけが過ぎていく。

ヤキモキしながらランガンを続けること7時間。釣果はイワナ4尾。移動距離に見合わない厳しい釣果であったが、終盤、秋色に染まった美しい尺イワナが一尾混じり、ホッと胸をなでおろした。

尺イワナが潜んでいたのはやっぱりシェードだった。 足で釣れ、影を釣れ、穴を釣れ。渇水対策のストラテジーがなんとかはまってくれた。

時刻は午後1時。この滝壺を最後にギブアップ。疲労困憊でありながらも充足感に満たされ、どこかすがすがしい。シーズン納竿です。


FF.BUM(エフエフドットバム)
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Profile
1979年生まれ。2007年に新潟県上越地方に移住。自由と孤独を愛する西洋式毛鉤釣師(フライフィッシング)。いかにして豊かな人生を歩むか、模索の日々を邁進中。

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