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イギリス 育児にまつわる人間関係について

仕事をしていると、やはり似たような価値観の人たちがそこに集まりますので、人間関係は楽です。色々な背景、文化を持った人がいても、偏見差別嫉妬の度合いが同じくらいだからかな、と思います。

友人も、大学院に入った時の人達、会社の人たちが中心に広がっていくもので、類は友を呼ぶ、というもので、多少、居心地の悪い人と会うこともありますが、居心地のいい人と付き合っていくものですから、国全体の状況を見ることはありません。

子供が生まれると、そういった意味では、普通に仕事していただけでは合わなかったであろう人たちと会うことが増えます。

お産前後

イギリスでは、チャリティー団体が、同じような時期に同じ区域で子供を産むカップルに、お産や、子育てのクラスを持ってくれる団体があります。私が加わったのは、NCTという団体で、全部で6家族が集まって子供が生む時、生まれてからの育児、夫婦関係で注意すること等学び、お母さんたちは、クラス以外で産前産後休暇に会うこともありました。そのときに、気が合う人がいると、その後も家族ぐるみで付き合えます。合わないと、それで終わりだったりしますが、あくまでも、出会いのきっかけを作る一つです。

私は、ここでは、価値観は似ていて、感性が違う人と会え、運良く今でも家族ぐるみの付き合いをしていますし、友達としてあう関係にもなれました。ですが、友人の中には、第一子のNCTでは友人に慣れる関係に会えず、第二子のNCTで会えた、全く会えなかった、と色々です。ですが、出会いのチャンスにはなっていることは間違いないです。

出会いのチャンスはできるだけ持ったほうが良い気がします。というのも、乳幼児の育児は、想像を絶する疲弊感と、いらだち、不安を経験します。色々な人がいる、適当でよい、気にしなくてよい、等がわかるだけでも、随分気楽になります。

保育園ー小学校に上がるまで

さて、仕事に戻るとなると、保育園やチャイルドマインダー、家族などに預けることになります。チャイルドマインダーや家族に預けますと、さほど知り合いが増えませんが、保育園でしたら、同じような価値観の人と会うことができます。

というのも、保育園(幼稚園を含む)の選択には、場所、値段、学期制か否かで、家族形態(親の働き方)とやはり、価値観に影響のある経済力が変わってくるからです。

国からの補助がでるのは、3-4歳です。その3歳になってから保育園などに午前中だけ、午後だけ入れるという場合もありますが、0才児から預かってくれるところは、下から持ち上がって来る場合がほとんどですので、まず、空きがほぼない場合が多いです。

国のサポートも、週15時間、38週と、学期制のところをターゲットにしています。それを、朝8時前後から夕方19時くらいまで、クリスマス休み以外は面倒見てくれるところは、やりくりしてくれます。

子供が保育園時代は、基本、家族は、疲弊していますし、家族ぐるみの付き合いになるかどうか、は、家族形態と、親の感性が影響してくるところです。子供がどんなに仲が良くても、感性が合わないと、やはり呼んだり呼ばれたりはしません。

ですが、この保育園は、場所、値段、形態(学期制で、長い休みがあるかどうか)で、選ぶことになりますので、比較的似た価値観の人たちが集まりますが、育児と仕事家事でしっちゃかめっちゃか時代ですので、タイミングをあわせることができないことも多々あります。

保育園も3歳になると、誕生会を盛大に開くことが多くなる地域があります。クラス全員を呼んで、場所を借りて、遊びと食事を準備し、親にも、スナックとドリンクを準備します。2-3時間ほどのものですが、毎週末、誰かしらの誕生会に呼ばれ、プレゼントを考えたり、時間を作ったりするのが苦になるほどです。同じクラスの同じ月に誕生日を持つ子供の親が組んで、合同誕生会を開くこともあります。

これに、毎年結構な金額をかけている人は、経済力の高低問わず、低く見積もって7割位います。

ただ、自宅を誕生会場にして、その準備、片付けまで自分たちでするのか、と考えると、時間的&精神的コストと経済的コストが相殺されることもあります。特にこの年令の子供たちは、汚すし、壊すし、好き嫌い激しいし、宗教的に何が食べられない、アレルギーの心配等々あり手間がかかりますから。

私は、自分の子供が、好きな人とだけ一緒にいたいタイプ、内向的なのではなく、むしろ、好き嫌いがはっきりしているタイプだったので、子供の仲良しさんと誕生会を自宅でしました。(正直、準備と片づけ面倒でしたが、子供たちが楽しく遊ぶ様子を見れたので、ある意味よかった。)

自分の子供が誘われなかったから、と、誘われなくなることもあまりなく、むしろ、手間が減ってよかったと思う人もいるわけですので、人それぞれです。

公園で遊ばせていると、その公園に頻繁に来る家族と知り合い、友人になることもあります。皆、「話せばわかる」会話に飢えているせいか、気さくに話したり話されたりし、交友関係が増えていくこともあります。

小学校時代

小学校になると、私立に行く場合、公立学校の場合で色々ですが、私は、公立の場合だけ知っていますし、小学校から私立に行かせた友人は限られているますので、言及できませんが、私立には私立の、なかなかユニークな交友関係ができるようです。

公立の小学校に選択した場合、この時代なのに、本当に様々な層の人がいるものだ、と気づくことになることが多いです。

私の住んでいる地域は、やはりロンドン近郊ということで、人種のるつぼです。南アジア系、アフリカ系、中東系、東欧系、西欧系、南米系、北米系、東南アジア系、オリエンタル(イギリスでアジアというと、南アジア出身者をさします。オリエンタルは、中国韓国日本を指します)系と様々です。

学校教育や学業に関しては、東欧系、オリエンタル、そして西欧の中ではフランス人とは、意見がよく合います。先生を尊敬し厳しくマナーを守るということは、当たり前と捉えています。

イギリス学校事情 其の2にも書きましたが、学校から住居までの距離で、親が選んだ公立学校に入れるかどうか決まります。(兄弟がすでにいる場合、には、兄弟が最優先、宗教が学校経営している場合、その教会にどれだけの期間通っていたか、も関係してきます。)

さらに、イギリスの小中高全てが義務教育なので、OFSTEDという機関が、学校の査定をし、公表します。この公表結果が影響するのは、ほぼ、小中といって過言はない気がします。

中学校になると、中学で受けるべき、GSCEという全国統一テストの結果も公表しますので、その結果の影響がかなり入ってきます。全国で何番目によいかというのも、公表されますし、この結果次第で、より良い高校に入れる可能性があがりますので、やはり、学業を重視する親としては、気にするところです。

小学校では、Year2とYear6で、SATsという全国統一試験がありますが、当然ながら内容がとても基本的なものな上に、小学校というまだまだ肉体的にも知能的にも、社会性を鑑みても、違いが3ー6ヶ月あると大きな違いがある時期ですから、自尊心を育む(いわゆる、他人も尊重する)ことの大切な時期、試験の結果よりは、OFSTEDが全体的にどう評価しているか、というのが一番気になるものとなります。

ですので、いい公立の小学校の周囲の家の価値や家賃は、需要と供給、神の手にによって上がっていきます。つまり、価値観、経済力の高い人が増えます。類友状況に陥ります。

県営住宅、市営住宅のようなものは、一箇所に固めすぎないようにして、経済流動性を上げる努力を国としてしているので、やはり、公立小学、中学には、非常に大きな格差のある家族が集まります。

この時点で、本当に色々な人と付き合うことになります。子供だけでは外で遊ぶことも、通学することもほぼないので、親の付き合いは、嫌でもせざるを得ない状況になります。

もちろん、学童に入れたり、チャイルドマインダーに任せる場合や、完全に子供同士の遊び時間を考えない人もいます。それをしたからといって、気にする必要のないところは、この国の良いところです。人それぞれ、事情も趣向もあるわけで、他人を気にしすぎることはないわけです。

小学校低学年のYear2までは、相変わらず毎月だれかの誕生日に呼ばれます。招待状も、学校を通して配られ、ある子は呼ばない、となると、呼ばれなかった子供とその親によっては文句を学校にいうという、モンスター親はどこにでもいて、学校で招待状を配って欲しい場合、クラス全員を呼ぶことが、条件になっているところもあり、そうじゃない場合は、モンスター親の話を上手に聞き流す、そらすこともあります。

このような誕生会のおかげで、親同士知り合いになる機会が設けられるので、ある意味ありがたいものです。

小学校高学年のYear 3以降は、仲良しさんで、誕生会をし始め、誕生日プレゼント、スケジュール調整など、ほぼいらなくなるのが、ありがたかったりします。が、Year3では、転入生も増える時期で、転入してきた子、その親には、人間関係づくりをしたい人は、逆に機械の喪失となります。

ママ友だけではなく、パパ友も割と難なくできます。父親が送迎をしたり、学校の親の集いに参加するのは、珍しくはありません。家族どうして夕飯に呼んだり呼ばれたりも普通にあることですので、一家でお付き合いになることは、珍しいことではありません。お父さんの方とよく会い、話し、お母さんのほうとはめったに話さない、ということもあるくらいです。

Year5にもなると、学校から許可がでて、歩いて10-15分くらいの距離に住んでいる親は、子供を近所の友だちと通学させたり、一人で通学させはじめます。それより遠くに住んでいる場合は、友達の家まで連れていき、そこから通わせることも、初めっから一人で通学させることもあります。すべて家族形態と、子供に合わせてすることですので、小学生時代は一人で通わせない親ももちろんいます。

中学校時代

中学校に上がると、親はあまり関わらなくなります。最初の数週間は、公共の交通機関で一緒に通学し、ルールや乗り継ぎ方法を、自転車での通学の危険箇所の確認等することが通常となり、大抵の場合、1学期で親が送迎することがなくなります。

が、中学では、選抜式の学校に行くこともあり、選抜式の学校、及び、私立は、どの地域に住んでいるかを考慮に入れない、または、入れても、地域の幅が広くなるので、やはり、状況によっては、送迎することが普通になる場合もあります。また、同じ学校で、気の合う友人が近所にいない場合は、親同士の繋がりが最初のころはいるようになりますが、大抵、Year 8では、行き先は親に伝えており、各家庭にそれぞれの決まり(門限など)もありますが、子供のみで単独で行動が通常となり、親の好き嫌いは、関係なくなってきます。また、親同士の付き合いも、ほとんどの場合、仕事していることが多くなり、必要なくなって行きます。

中学にもなると、私立代金と住宅ローンに追われることが多いので、ほとんどの親は、共働きになっています。(裕福層は、別です。)

人によっては、時間を有意義に過ごすために資格をとって、フリーランスになったり、起業したりすることがありますが、家計を助けるというほどになる人は、やはり限られているようです。

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