イギリス 中学受験の進め方 其の1
自分が日本でも体験したことのない、中学受験を、見ず知らずの国(笑)でやってみようと、ロックダウンと子供の意欲をみて、始めています。
これでも、書きましたが、中学受験には、
1.家庭教師
2.塾
3.Online塾
4.DIY (自宅学習)
の4つがあります。他にも考慮ポイントもあるでしょうし、何を短所と考えるか、というのは、ある程度人によりますが、その超短所について私の私見では、下記の図のように分けられ、赤が短所と思われます。
1.費用
費用は、ある意味大きな決断の指標ですよね。払うに見合う対価を求めるものでしょう。
塾は課金ゲームとも言われますが、実績あり、評判高い塾や家庭教師は高いのは日を見るよりも明らか。が、評判や実績を工夫してみせているところもあります。良ければ高いですが、高ければよいというものでもありません。
2.親の時間
どれだけ親が時間を避く必要があるか、ということです。もちろん、第三者をいれれば、全く時間を取らずにできる場合もあるでしょうが、先生を自宅に招く、通学、準備等の時間、先生と相談等々いれると、やはり親の時間はある程度かかるものです。
3.親の能力
これには、一緒に学ぶ、教える能力とともに、忍耐力、時間を作れる環境も含まれます。
4.宿題
日本では、どの学校でも、毎日宿題が出ていますので、3,4年にもなると、宿題をする習慣がついている子供も、イギリスと比べて高いでしょうが、それでも、やはり、親の助けなく、宿題をきちんと、有意義にこなしている子供は限られるでしょうし、そうそういるものではないでしょう。
イギリスでは宿題は、ほとんどの場合「任意」(やってもやらなくてもよい)で、さらに出ても週に一回週末に、という感じですので、宿題をするという習慣がありません。
ですので、親が宿題をさせ、多少見てあげる、むしろ、一緒にするという時間と気持ちを割いてあげる必要がでてきます。
ここにも書きましたが、習慣化つまり、無意識で実行できる状況になるためには、まずは、意識すること、次に実行に移すことが必要になり、これは、日々の訓練でできるようになることがほとんどです。
この宿題を管理して、自分の一週間の予定を把握して計画立ててこなしていく能力は、訓練と気合の賜物でできるわけです。
宿題がある状況になった、ということから、意識することをさせ、次に、自堕落さを蹴っ飛ばして実行する、という段階に達するまで、1年やそこらではならないものです。
つまり、受験をする、ということは、イギリスでは、無意識無実行から、意識させ、次に実行に移させる、という訓練でもあるわけです。将来役に立つ能力ですので、反抗期に入るまでに、習慣化(無意識実行)の領域に立たせることができるかもしれませんね😉
というわけで、宿題の負荷は親の管理負荷でもあるので、方法、または、受験そのものをするかしないかさえをも決める重要な要素となります。
5.カスタマイズ・注目度
これは、Online塾では、低となります。というのも、自分がOnline会議や講習に参加したり提供していて気づくのは、基本、話す人に注目が行って、話さない人は何をしていても、気づかれないのです。小さい画面で5人以上の状況を把握するのは、やはり、かなり難しいものです。
Onlineでどれだけの生徒の面倒をどれほどみれるか、を考えると、先生の経験と資質(オンライン向き不向き)と多いに相関関係があります。通常学期ごとにコースの値段が決められているので、自分の子供がOnlineに向いているかどうか、その先生にあっているかどうか、を長期休暇の短期集中コースで見極めるというのが、リスクが減ってよいかもしれません。
最近では、Onlineコースを持つためのノウハウを教えてくれるOnlineトレーニングもあるようですが、まだまだ日が浅いので、そのノウハウは確立されていないような気がするので、やはり、その先生のスキルにかなり依存しているように思えるのです。
1対1のOnline家庭教師でも、やはり、画面からのみ生徒の状況を把握するのは、かなり、画面上でのコミュニケーション能力の高い人だけしかできません。画面上でのコミュニケーション能力が高い人で、さらに、子供一人一人の状況を把握して、できる限り実力を伸ばしてあげようと思ってくれる人を見つけるのは、かなり、運によるものとなり、当たり外れがでるものです。
6.通学時間
日本では小学校4年にもなると、一人で出かけることは一般的となっていますが、イギリスでは、学校に行くのでさえ、Year5から、というのが一般的です。学校以外の移動に関しては、子供だけで出かけさせるのは、Secondary (中学以上)となることが通常です。
ですので、この新たな通学をどうするか、ということも考えなければならないわけです。自分が送り迎えするか、友人グループで順番を回すか、誰かを雇ってそれをしてもらうか。(Uberでやっているご家庭もいます)
送った後に、待ち時間に自分はどうするか、も考える必要があります。一回晩御飯の準備で帰るか、帰る程の時間がないか…。大きな手間となります。
7.時間の融通度
病気や、他の用事が入ったときに、振替授業ができるか、学校の行事などで下校時間が変わった場合、等々、スケジュール調整がいる場合があります。
その調整ができるかどうか、です。Onlineですと、後でビデオ見てくださいというのもありますが、動画を見て集中して取り返しをつけることができる子供、そうそういないものです。
家庭教師であれば、人気教師でない限り、ある程度の時間調整をしてくれることもあります。
8.相性
先生やクラスの子供との相性です。対面ですと、お互いに雰囲気を読むことができるのと、人数が多い、ということから、塾での相性というのは、あまり気にしなくても良い場合がほとんどです。塾もサービス業ですから、お金を落としてくれるお客さんを逃すことを良しとはしません。問題があれば、クラスの変更などしてくれますし、対応してくれるものです。
が、オンラインでは、オンライン向きのタイプとそうでないタイプもあります。
1:1の家庭教師、そして、親と子の密な関係…これは相当、向き不向きと、お互いの相性が関係してきます。
家庭教師の場合、進捗管理、弱点の発見及び強化、問題集の厳選、作成まできちんとしてくれる人を探すとなると、相当の信頼性のある口コミが必要になります。わからないところを教えてもらうだけだと、親が、その他諸々しなければなりません。
また、評判を、SNSやウェブのフォーラムで集める場合、そこには匿名性が強いため、一人何役もこなし、評判をでっち上げる人が少なからずいます。
また、家庭教師を生業としていない学生の場合、進捗管理ができなかったり、問題集の選定、各学校の対策など、古い情報しか持っていない場合が多いので、全部を丸投げできるわけではなく、親の負担は、DIYの場合と、さほど変わらず高い場合があります。
9.他人との競争
グループで教えられたり、塾に通えば、やはり、勉強ができる子は輝くものですし、先生が与える問題も違うので、やはりわかります。
そうすると、意識せずとも、競争が生まれます。他人との競争は、良いこともありますが、小さな世界の競争で、負けても勝ってもさして意味のないことが多々あります。
切磋琢磨できるクラスに巡り会えればよいですが、必ずしもそうなるとは限らず、逆に、自分に「できない」烙印を勝手に押してしまうような環境になる場合もあるわけです。
どういう他人との競争がいるのか、競争より、協創がいるのか、そこらへんは、自分の子供の性質をよく捉えて、自分の気の合う友人が行くかどうか、も考えるべきところかと思います。
10.自分との競争
小学生という時代に大事なものは、自分との競争をできるようにしておくことかと思います。続けているうちに、前よりできるようになった、という成功体験と達成感の積み重ねで、続ける根性を身につけるものです。他人の今がどうであっても、自分ができるようになっているか、自分が理解できているか、自分ができるようになりたいか、そこが大事だと思われます。
が、人はそれぞれ性質が違うので、他人の刺激を受けることが大事な場合もあります。他人の刺激を受けて、挑戦することから、その成功体験を積み課せねるという過程を歩むということも普通です。
ー私達の選択ー
ということで、色々考えた結果。うちはDIYで行くことにしました。
理由は、まず第一に、自宅学習がすでにできているからです。
日本語の学習は、補習校を使っているとはいえ、補習校も公言しているように、補習校自体は『補習』するところで、メインは自宅学習です。補習校に上る前から一緒に学ぶことはしていましたので、補習校自体は、大きな問題なく続けられていること。また、ロックダウンで学校閉鎖中に、大きな問題なく市販の問題集で勉強を続けることができていること。この2つから、そう言い切ってよいかな、と思えます。
第二に、イギリスは、冬は特に天気が悪いので、天気のいい日は外に出たいものです。補習校で、週末の土曜日の午前中はすでに取られてしまっているし、本人に辞めるというチョイスがない、とはっきり言われているし、楽器の習い事もあるので、これ以上、放課後や週末に予定を入れて融通の効かない時間を増やすことは、ストレスが高くなる上に、この成長過程で大事な運動ができなくなるからです。
体調や、自然に合わせて都合変えて臨機応変にやっていくことは、この先、事態にあわせて柔軟な対応をしていく能力につながるので、ここは譲れない部分です。
第三に、私の子供は、自分との戦いに強いタイプだからです。日本語の学習も、スポーツも、楽器も、この受験も、きっかけを作ってあげたこともありますが、結果「やりたい、続けたい」と言っているのは本人で、日本語も小学校1年のときの音読と比べて、今ではどれほどスラスラ読めるようになっているか、をビデオに撮って、都度、本人に自覚させ、だめだめのスポーツも続けることで、他人がどうでも、自分がこの期間でどれほどできるようになっているか、をタイミングのいいところで感じさせ、「続ければできる」という根性が生まれているからです。
第四に、他人との競争をする必要性は、本人の成長の仕方をみると、『まだ』無いからです。
世の中広い。たかだか塾で出会った程度の狭い世界の人だけと競う必要があるのか。基本、他人基準で自分を決めてほしくないので、まだまだ幼いこの時期に他人と比較せざるを得ない状況には持っていくには、時期尚早と判断しました。
第五に、受験内容みて、私(算数と文法)と主人(読解、作文)で、十二分にカバーできる内容だからです。国語(つまり英語)と、算数だけですし、内容も、日本の中学受験問題のようなこまっしゃくれた問題もほぼでません。市販の問題集も、受験のために、思いの外たくさんありますし、他の人がSNSなどでで、「この問題の解答と説明お願いします」、と聞いているのを見て、塾でカスタマイズして出している問題は、定義が甘い場合が多いが、市販の問題集は定義をしっかりしているので、それの質問をしている人はいない。定義の甘い問題を問う事自体が、本番試験ではありえない。また、市販の問題集を使って塾で教えているところも多々あるということも、市販の問題集で十分ということもわかります。
短期で直前講習に行かせることも視野に入れて検討中ですが、直前に自身をなくす場合もあるでしょうから、その時までの子供の状況に合わせます。基礎勉強を全部終えた時点で考えればよいので、Year5の最終学期が始まる4月以降に考えます。
最後に、そして、何よりも、中学受験が、子供の人生でそれほど重要なものではないからです。
失敗しても、成功しても、長い人生の、小さな小さなマイルストーンです。どっちに転んでも、人生にとってはよい経験とすること間違いないのです。
挑戦してもだめだった、というのが、恥とは思うことは間違っているのです。挑戦したので、その分しなかった自分よりできるようになっているのです。「今は」だめでも、まだまだ「次」の挑戦があるわけで、そこに向けてまたしっかりやっていけるように持ってけばいいだけです。
子供の能力とペースで、わからない問題に対する対応の仕方を、学べられれば、ある意味大きな価値のある経験です。受験や、テストというのは、答えがありますが、社会人になったら、答えの無い問題、挑戦に立ち向かう必要が出てくるものです。自分と他の誰かに責任を持って生きていくようになるまでは、自分に責任のある試験なんて、答えのない問題にぶち当たる時までの、さらに、自分だけじゃないことや人に責任のある、答えの無い問題にぶち当たるまで、人生の練習以外の何物でもないのです。
成功体験だけではなく、失敗から学ぶという度胸をつけることは大事です。
次は、第三者を入れた場合、考える必要もない、DIY受験の場合には必須となる進捗管理の方法、を書いていきたいと思います。
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